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       4 越前峠(大雲取越え)
   (地蔵茶屋跡・石倉峠・越前峠)


    尺八を携え歩いた熊野古道・遍照の響き   越前峠への山道   H16/12/5 UP
  


小川沿いの道
 車道へ出るまでは、杉林の中に小川が流れており、なかなか涼しげでした。

 車道には「熊野道 林道進む」と矢印付きで書いてあり、車道をテクテク・・

再び車道へ このまま車道を歩くのも悪くないなぁ・・と思ってたら、すぐに杉木立へ通じる道に「至 小口」と書いた看板が有りましてなぁ。

 右側に川が有り、それに沿った山道でしたが、どうも新しく作った道のような気がします。

新しい山道 なんでわかるかというと、道の地肌が新しく、石や岩が苔むしてないんですなぁ・・・

 いかにも、つい最近、木を切り倒して一生懸命、道つくりましてんねん・・ちゅう感じで・・・

 上がり下がりもけっこう有り、これなら川の対岸に平行して走ってる車道を行った方が楽じゃったなぁ・・と思ってると、始めて向こうから来る人と出会いました。
川沿いの山道
 登山姿のオバハン二人連れで、挨拶してすぐに別れましたが、声を掛けられたような気がしたので、振り返るとオバハンが立ち止まって、こちらを見ています。

 呼ばれたんかな?と思って聞いてみると
「あらあぁ〜正式なカッコウしておられるわねぇ」と、ワシの後ろ姿をマジマジと見て話していたんだと言います。

「小川を渡る地蔵茶屋休息所」 ううむぅ・・四国では大して珍しくもない小汚い作務衣に笠・杖のカッコウなんだけど、ここら辺では、そんなカッコウして歩いてる人が居ないもんだから、きっと正式な信心深い行者さんのカッコウに見えるんじゃろねぇ。

 やがて、川向こうに東屋の休息所が見えて来ました。

 しかし・・・・山道は川で行き止まっており、対岸へ渡る橋が有りまへん。

「地蔵茶屋跡休息所」 越後屋が
「どおしょう・・どおしょう・・」と、あわたふためき騒ぎ立てるのを貫禄を持って「ええいぃぃ〜落ち着けぇぇ」と叱り飛ばします。

 ふと見れば河原に点々と石が置いてあり、そこを飛び跳ねながら渡るらにゃアカンよおです。

 こんな事なら、やっぱし車道の方が良かったなぁ・・とブツブツ・・・

 越後屋が川を渡る時、石から滑って落ちねぇかとワクワクして見てましたが、うまく渡りやがった。

 ワシは最後の石で飛ぶのを失敗しちまい、川に落っこちて足下を濡らしちまったけど・・。

「地蔵堂」 しかし、水の量がこれくらいだから良いもんの、雨降って水嵩が増してた時は渡れんじゃろおなぁ。

 そん時は、泣きながら車道まで今来た道を引き返すか、足下が濡れるのを覚悟して渡らにゃアカンやろおなぁ。

 そいでもって川の入口に「至 那智」と立て札が有るから、向こうから来る人だって、この川を渡らにゃアカンと真剣に悩むじゃろおなぁ。

 さっきのオバハン二人もこの川を渡って来たんじゃしぃ・・
「石倉峠へ」道標
 東屋で荷物を降ろしてると、後から一人の中年男性が来ました。

 どおやって川を渡るかなぁ・・と見ていたら、なんの躊躇もせず、そのままジャブジャブと川の中を歩いて来て、ワシらみたいに、おっかなびっくりしながら石を飛び跳ねて来ません。

 はらあぁ・・そおいうのもアリなのね。

 しっかしぃ、車道でも行けると一言、どこかに書いておいてくれれば、ええんだけどなぁ・・
「石倉峠へ・石仏」
 いくら世界遺産に指定される「古道」だからと言って、何がなんでも山を削ってまで、新しい山道を造らなくても良いと思うんじゃけどなぁ・・・・
(この時は、まだ世界遺産に指定されていなかった)

 車道になっちまってるんなら、それでもええんだから・・
「石倉峠へ」
 もっとも、山道を歩き易いだろおと、おせっかいに舗装するのだけはカンベンして欲しい。
 それをやられると、確実に足にこたえて膝を痛めるんだよねぇ。

 東屋で昼飯を食べて一休み。

 この東屋から少し行くと地蔵堂が有り、さっきの中年男性が休んでました。

「石倉峠へ」 地蔵堂の前に池が在り、だれが放したのか金魚数匹と白い鯉が泳いでます。

 こんな人気の無い所で、よぉ〜生きてまんなぁ。
 エサくれる人も居ないと思うが、何を食って生きとるんじゃろ?

 地蔵堂付近に石倉峠へ向かう「青い標識」が有り、これに従って行けば迷う事はありまへん。
「石倉峠頂上・石仏」
 しかし、今回の標識は、親切にもアチコチと4箇所も方向を示しており、はて、どの方向へ行けば?と、しばし眺め迷ったんですが、石畳の道の方向が正解でした。

 山道をヒーコラ言いながら上ると「石倉峠」で、頂上に俳句の石碑と石仏が在ります。

 ここまで俳句の石碑を持って上がり、ヨッコラショ・・と建てるのもシンドかったやろおなぁ。
 けっこう大きい石で重たかったろおに・・・

越前峠へ それだけ苦労して建てた俳句の石碑だろおけど、そおいう趣味が無い人間なもんだから、何が書いてあるか、よぉ〜読みもせず、トットと峠を下りちまった。

 少し下り道になり、川にかかる石階段を渡ると、そこから越前峠越えです。

 ここでも単なる岩か、石畳かわからん所をやっぱり「ヒーコラ・・」言いながら上ります。

「越前峠へ」橋 途中、あんまりシンドイので、道に沿って流れる小さい小川の水を手に掬って飲みました。

 小川に杉葉が溜まってたためか、それとも気のせいなのか、杉の香りというのか・・味がしましてなぁ・・・、

 その後、腹が痛くなったというわけでもく、今もピンピン生きており、自然の味という気がします。

 越前峠には説明板が有り、やっぱし「大雲取り越え」の中で一番の難所が、この峠だと書いてありました。
小川沿いの越前峠へ
 そおやろおねぇ、キツかったもん。
 大昔の頃は宮人も輿に載ってこの山越えしたらしいです。

 ワシらは、好きで歩いてるからええけど、宮人を乗せた重たい輿を担ぐ人や、付いて来る人は業務命令なので、きっとイヤイヤ来たんじゃろおなぁ。

 エエェェェッッッ〜・・また熊野詣でするうぅぅぅ〜・・?
「越前峠へ」山道
 こんなヒデェ山の中、行きたけりゃ自分一人で行けば、ええのにぃ・・・・

 クマに襲われたら、どうするんじゃ、保険に入ってねぇんだぞ・・

 家にはカカアと腹を空かして口開けて待ってるガキが3人も居るというのに・・ブツブツ・・・

と思ってんたやろおなぁ。(^O^)

「越前峠山頂」 地元の小学校では、ここへ卒業遠足に登るようでんなぁ。
「○○年卒業記念」という看板がありました。

 そりゃあぁ、ヒーコラ言いながら登ったんだから、一生忘れない、ええ想い出になるでしょう。

 なかなか味の有る卒業記念だと想います。


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