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  尺八を携え歩いた四国遍路  焼山寺 遍路道  H15/1/3
                  切幡寺 藤井寺
 


 10番切幡寺へ行った時は、丁度祭りの真っ最中。

 今まで来た時は静かなたたずまいで、木々に囲まれた長い階段をヒーコラ言いながら登ったんですが、山門前の道から屋台が立ち並び、どこから人が集まって来たのか身動きできないほどの混雑ぶりです。切幡観音

 ジサマ・バサマは固まりながら横に広がって話しながらゆっくり歩き、子供らはそのスキマを走り回って、なかなか前へ進めません。

 そんな賑やかな中を、笠かぶり杖を持ち汗臭いカッコウした遍路姿は、我ながら何か場ちがいの異質な感じがします。

 やっと上の境内へ着くと、ここも人がゴッタ返しており、どうすべえ・・としばらく納経所前のベンチでジュース飲みながら休みました。

 本堂の中は混んどるやろなぁ・・・あっ・・やっぱり人で一杯じゃ・・・

 ジャリ共が騒いどる・・・・
 ジサマ・バサマも拝んどる・・・・
 お守り売場も繁盛してまんなぁ・・・ケッコウ・・ケッコウ・・(^_^)v

 それでも、人の動きに邪魔にならん隅っこの方で吹奏しました。

 目ざとく見つけた子供が親に
「この人何しとるの?」と聞いており、「あらぁ〜・・尺八吹いてはるわ・・」と言う声も聞こえます。吉野川

 尺八を吹きながら3巡もすれば、そんな声が聞こえても気にならなくなり、コンジョが付いてきたのか・・ツラの皮が厚くなって来たのか・・・

 しかしザワザワした所より、静かな所の方が吹きやすく、大師堂前は人で一杯なので切幡観音像の前で吹奏し、トットと寺を降りました。

 11番藤井寺へは町中を通り吉野川を渡って行きます。

 始めて歩いた時は大きな川を二つ渡ったと思いましたが、ほんとは一つの大きい川にある中州を通ったのでした。吉野川

 この中州が半端な広さじゃなく、見渡す限り広い畑がドバッ〜と広がっており、地図見ない限り中州とは思えません。 

 一巡の時、藤井寺で本堂で尺八吹いて参拝していると、横で御詠歌を詠い始めたオバチャン3人組がおり、終わった時に
「尺八の伴奏で御詠歌を詠えたが非常に良かった」と話しかけて来ました。

 歩きながら吹いてるのか?・・これから焼山寺へ行くのか?・・等々・・

 その内一人のオバチャンが
「あっ・・お接待しよ」と言い千円くれ、もう一人のオバチャンも「あっ・・そんなら、私も・・・」とやっぱり千円くれます。

 いえいえ・・その気持ちだけを有り難く頂きますと断ったんですが、どおしてもくれると言います。焼山寺へ

 もう一人のオバチャンにも
「あんたも、せられ」と接待の無理強いのように勧めるので、「いえ、もうこれで十分で・・、ほんと気持ちだけは・・十分頂きましたので」と言ったんですが、仲間のオバチャンに言われたためか千円くれました。

 なんか3番目のオバチャンに悪い事しちゃったなぁ・・シブシブみたいだったんで・・・。

 歩いてる時に、お接待を受けた事は有りますが、尺八を吹いていたから・・というお接待はこれが始めてでした。

 12番焼山寺へは、有名な別名「遍路ころがし」と言われる山越えが有ります。長戸庵

 最初の一巡時は、右も左もわからん者だったので、境内で話をした遍路経験者に「まむし」が出ると脅かされ、別名まである山越えは、どんなオトロシイ所か、下手したら明日の新聞に「遭難した遍路がおる」と出るんじゃねえか・・と心配してました。

 しかし、この山越えを経験すれば、他の山越えでもキツイ所はありますが距離が短く、この焼山寺へは山の上がり下がりが数カ所、長距離にわたって有るのでキツク感じて難所と言われるのだと思います。

 藤井寺境内から山越えの道が始まり、かなり急坂の山道をヒーハー言いながら登り「長戸庵」に着き、「柳水庵」「浄蓮庵(一本杉庵)」と、焼山寺へ行くまで、だいたい等間隔に庵が有るので、一息つくには丁度ええ具合に作ってありまんなぁ。

焼山寺 遍路道柳水庵一本杉庵 

 他の庵は無人ですが「柳水庵」には人が住んでおり、道際に水がドクッドクッ・・と流れて溜まっており柄杓も置いてあります。

 堂で参拝してると家の人からヤクルトの接待があったので参拝が終わってから、外の縁側から家の室内に向かってお礼を言い、縁側から開け放された室内へ一曲吹きました。焼山寺へ 「左右内」集落を望む

 終わった後で気がついたのですが、障子の影でオバアさんが静かに座って聞いており、お礼を言われました。

 再び山道を行くと杉林の中に階段が有り、見上げると大きな杉の木の下で托鉢のお椀を持った大師像が見下ろしています。

 たいへんでんなぁ・・ 雨の日も、風の日も立っておられて・・・・・

 山道を下りると「左右内」集落が遠くに見え、対面に見える山の頂が焼山寺で、たまに鐘の音が聞こえます。「左右内」集落

 ここに橋があると下まで降りて、ヒーコラ言いながら再び山頂まで上がらんでもええのに・・・と考えますわなぁ・・コンジョの足りん人間としましては・・・

 「左右内」集落へ下り、アスファルトの大きい道路に出ますと、次にどっちへ行けば良いか迷う所です。

 「四国の道」の表示が有るので、その方向へ(右下の下り坂)行き民家の横を通る細い道を下り、川があり橋を渡った所から最後の急坂の上りです。

 この急坂にはホンマ泣かされまんなぁ、一番最後の箇所でドギツイ登りが待ちかまえておって・・・左右集落の小川

 途中の祠前で休んでると、柳水庵で私の尺八を聞いていたという二人連れの遍路が追い越し際に
「どうせ休んでるのなら、そこで一曲吹いたら」と言うので、それもそうだな・・と思い、
                           
 
「そいじゃあ吹きますが、吹くからといって最後まで聞く必要ありません。
 曲の途中でも遠慮せず先に進んでください」
と断って吹きました。

 長い曲だったので遍路は曲の途中で先に進みましたが、深山における、たまに木々の間を渡るささやかな風の音と、再び訪れる静寂の静けさは、映画のワンシーンに出てくるようなええ舞台装置でんなぁ。!(^^)! ダハハハ・・・
   

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