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 尺八を携え歩いた四国遍路   国分寺付近 遍路道  H15/5/2 up
               
卍29 国分寺

 国分寺は、田圃の中にありながら広大で、わりと落ち着いた感じの寺でしてなぁ。国分寺 山門

 三巡の秋近く、境内にはほとんど人も居なかったので石のベンチに座って尺八吹いてました。

 そこへ参拝しに来た家族連れがおり、家族は本堂の所でローソクやら立ててるのに、ジサマだけが離れてトットと・・こっちへ来て、ボソボソと話かけます。

 
「ワシも尺八をやってたもんだから、尺八の音を聞くと、ついつい引き寄せられて・・
 今はやっておらんが、高校時代(たぶん旧制高校)から尺八やっておってなぁ。

 尺八にはけっこう金を注ぎ込んだなぁ。
 琴の綺麗どころの人とも一緒に舞台にも立ったもんじゃ・・・」


 おぉぉぉ・・・これは尺八の大家で、名の有る人かもしりん・・・と思い国分寺
 
「よろしかったら、今の吹奏を聞いて、感じられた事を御教示願えればと思いますが・・」 と言ったら


 
「高校時代から、一生懸命やっておってのおぅ・・・」


はっ?・・・、それは今聞いた所なんで・・聞こえなかったんかな?・・・年取っとるからのぉ・・・もう一回聞いてみよか・・・

 
「よろしかったら、尺八の感想を聞かせてください」
国分寺 境内 
「高校時代の時は、けっこう練習したぞお・・・朝昼晩と・・・」

 アカン・・聞こえとらん・・・
 しょうがねぇ、ここは黙って聞いとこ・・・そのうち飽きてくるかもしれん。

 はい・・同じ高校の話しを5回ほど、ガマン強く聞かされ、これも、将来の自分の姿かもしれません。

 そのうち家族の人が、ジサマを捕まえに来て
「ちょっと・・・まだ本堂にお参りしとらんやろねぇ・・」と言いながら連れて行き、参拝帰りの時にバサマがすまなそうに軽く会釈して行きました。

 国分寺から善楽寺へは、門前の農道を真っ直ぐ歩き、途中より農道か畦道かわからんような道を行きます。国分寺より善楽寺へ

 岡豊橋の所で、国道と川沿いの二通りのコースが有り、二巡目は国道コースを通り「丸和石材店」の前を通りました。

 おぉぉ・・これがウワサに聞く有名な所かと道端で眺め、通り過ぎるだけのつもりでしたが、従業員の人が
「今、社長を呼んで来ます」と呼びに行ったので、せっかくなので休ませてもらいました。

 やがて、社長がお茶を出してくれて話しをしました。

 自分は、いろんな遍路から話しを聞くのが楽しみで接待している。
 宿泊も、どんな人でも拒まない等々・・。

 休息所には、でっかい仏像が置いてあり、休ませてもらう者として当然の礼儀と思い、二曲その前で吹奏させてもらいましたら、社長さん、えらい喜んでくれ、名刺までくれました。

 聞けば僧職の資格も持ってるとの事で、私が室戸に住んでると聞くと、以前に買い取った観音様を手元にしばらく置いていた。国分寺より善楽寺へ

 しかし、自分では持ちきれない力の有る観音様だと思い、室戸の羽根へ観音様を寄付したところ、その年に大豊漁となり「魚藍観音」として地元の人に喜ばれたと話してくれました。

 後日、その「魚藍観音」を見に行ったら、うん・・確かに気品の有る姿・顔立ちをしてました。

 私は仏像を見ても不信心な人間なので、アリガタイとも感動もしないのですが、この観音様は、なぁんとなく良いなぁ〜・・と思いました。

 他に仏像で良いなぁ〜・・と思ったのは、55番南光坊の山門にある四天王だけです。
 ただし昼間見ても、失礼ながら感動も何もしなかったのですが、その夜、寺に断って境内で野宿させてもらい、像をライトアップされたのを見た時、国分寺より善楽寺へ

 ううむぅぅ・・これは・・・・仏の幽玄の世界とは、こおいうのを表すのかもしりん。

 迫力があり、今にも動き出しそうな感じがして、しばらく見続けました。

 社長に「毘沙門滝」を教わり
「小さい滝だよ」と言われましたが、いえいえ思ってたより、けっこう大きい滝で良い所でした。
 アヒルも泳いでおったし・・・毘沙門滝

 1・3巡の時は、もう一つの川沿いコースを歩きました。

 三巡の逆打ちの時、高知医大付近の川土手で休んでいると、オバチャンが散歩しており話しかけてきました。

 医大に入院しているが、内緒でコッソリ抜けだし散歩しているんだ。

 自分も遍路をしたいと思う事があり、遍路の本を2冊ほど買って読んでる。毘沙門滝

 でも、遍路したくとも車に乗る気がしなくて・・・と言うので
「何も一度に全部巡らなければならない、という事は無いんですよ。

 2年も3年もかかって少しづつ区切りながら一巡した人も居るし、私も仕事があるから休みの時を利用して、少しづつ巡ってる。」

というような事を話すと

 「あっ・・そうなのか・・そんなのアリなんだ・・」と思ったように、明るく嬉しそうな顔をしました。

 きっと、このオバチャンも、私が車遍路の時に思ってたように、歩いてる人は必ず最後まで続けて歩き通しており、何が何でも一度で全部巡らんとアカンのじゃ・・と思ってたのでしょう。

 別れ際、遍路の本を読んでるのなら納め札の事も知ってると思い、
「自分のではないが・・・」と断って、持っていた金札と、私の納め札を渡しました。

 後日、礼状が来ましたが、よっぽど嬉しかったんだろおなぁ。
 納め札には番地までは書いてなかったんだけど、よぉ郵便局も配達したもんじゃ。

善楽寺へ善楽寺へ善楽寺へ


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