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尺八を携え歩いた四国遍路  「貝の川」朝の海霧  H15/9/6 up
       
竜 串 〜 卍 月山神社 〜 宿 毛  

 某ホテルに数年前から住み込みで働いてる元遍路がおり、従業員から「トッチャン」と呼ばれて親しまれている人が居ました。

 年は50代と聞いてましたが、70才位に老けて見えます。

 「トッチャン」は親が建築土木関係の経営者でしたが、「トッチャン」の代で潰れたらしいです。竜串

 その後は家族と別れ、数年間ずうっ〜と一人で遍路しとったよおです。

 ある時、ホテルで人を募集していると聞いて、そこで雇われました。

 仕事は、お客の送り迎えをしたり、元々建築関係の親方だったので、その技術を生かしホテルの雑用や自分の好きなように小屋などを建てたりして、遍路にピリオドを打ったよおに見えました。

 「トッチャン」は、遍路中に金が無くなり托鉢しようと思ったが門前に座る勇気が無く、海で海草を拾って食べたりしてましたが、ついに1週間ほどしてから托鉢を始めた事・・・などを話してくれました。

 また、ある夜に語らった時、仏教の話になり、お互い少し意見が違ってました。落窪海岸

 私としては軽く会話したつもりで、その後はケロッと忘れてしまってましたが、翌朝「トッチャン」は私の顔を見るなり

 
「昨日の話・・・あれはアンタの方が正しかった。
 ワシ一晩中考えて、自分の方が間違ってたのがわかった。」
と言います。

 あんらぁ〜・・・律儀な人やなぁ・・・

 ワシは、そんなこと忘れっちまってグッスリ寝てたのに、「トッチャン」は寝ないで真剣に考えてたのね・・・悪い事しちまったなぁ・・・(^_^;)

 今となっては、どんな内容の話だったのか、よぉ〜思い出せまへんが、その時の状況は、よぉ〜覚えております。

 先日、電話が有り「トッチャンが数日前に死んだ」との連絡が有りました。

 ホテルの与えられた自分の小さい狭い部屋で、だれに看取られる事もなく、朝、気が付くと亡くなってたそおです。

 死因は「心筋梗塞」らしく、それほど苦しまなかったと思いたい。

 どのような事情で家族と別れて遍路をする事になったかわかりまへんが、永年遍路した人の中では「トッチャン」は、最後はホンマに良い人生を送ったと思います。歯朶浦

 好きな酒飲んで・・・
 自分の好きなような仕事をして・・
 皆から親しまれ・・・

 正直、うらやましい人生です。
 ある意味、逃げの人生だったかもしれまへんが・・

 昔は遍路中に亡くなった人は、地元の人がその場で埋葬したと聞きます。

 心情として「トッチャン」は遍路中に、そこで亡くなったんだと思いたい。

歯朶浦貝の川叶岬

 ・・・話は本題に戻して・・・・・

 月山神社コースは、あんまり人が行かないコースです。小才角
 何故なら一番遠回りのコースなもんで・・・(^_^;)

 しかし景色は抜群にええとこです。
 いかにも太平洋!!という感じで・・・

 夏の暑い時に歩きました。

 澄み渡る青空に、それに負けんくらいの紺碧な海に岬の岩肌・・・どこでも絵になるような感じです。地蔵

 歩いて一休みした時、ふと見ると草むらの目立たない所に黒い小さい石に彫った地蔵さんが有り、一円玉が数個置いてありました。

 古い物ではなく最近彫刻したようで、風雨にさらされてますが、それほど痛んでません。

 自分の作品をソオッーと、人知れず置いて行った遍路を勝手に想像しました。

 そして偶然それを見つけた遍路が、1円玉をそっと置いていく姿も・・・大浦

 ええでんなぁ・・こんなのを見ると・・・

 何かの美術展覧会とかに出品したり、他人の目を意識して作ったわけでなく、自分の思うまま作り・・・目立たんように、通りすがりのだれか気がつけば、それでいいや・・・という感じで・・・

 この地蔵さんは、ただ歩いてるだけでは、おそらく見つける事が出来ず、その場で休まなければ気がつかないと思い、これも仏縁でしょうなぁ。

 大浦の集落を通り抜け、山道に入る最後の家で犬が吠えますが、繋いであるから安心してくんなせぇ。月山神社

 あんまり遍路が来ない所なのですが、そりでもたまに遍路札がぶら下がっており、あぁ・・だれか通って行ったんだなぁと思い、付けて行った遍路を偲びます。

 遍路道を登りきると車道に出て、その後は車道を歩きますが、ほとんど車は通りません。

 月山神社まで人家が一件も無く、神社もそれほど大きくありまへん。月山神社

 真念の書いた「遍路案内本」の絵を見ると、いかにも由緒正しき立派な神社と想像しとったのですが・・・

 御神体を象っていると思われる「三日月形の石」が道端に飾ってあります。

 休憩所の背に、大きな絵馬が飾ってあるんだけど、ほとんど絵が見えなくなってます。月山神社

 永年何人もの休む人が寄りかかったもんだから、だんだん絵が剥がれてきたんやろおなぁ・・・もったいない・・・・

 ワシも、ついつい寄りかかっちまったけど・・・・

 宿毛近くの店で氷フラッペを食べてると、そこの店のダンナが話し好きで、イノシシ狩りの様子を話してくれたり、自分で勉強した梵字で般若心経を書いたコピーをくれたりしました。

 そのうち、店の常連さんが車で乗り付け
「マムシ捕まえたから、持って来てやったでぇ」と言いながら、ペットポトルに押し込まれたマムシを見せます。

 間近でマムシを見るのは始めてなので、そりゃあ喜んで記念写真を撮りましたがなぁ。

 マムシを乾燥させて粉にして薬にするのだそうですマムシ

 カワイソーに・・・このマムシもやがて粉になって、強精剤か健康薬品になって生まれ代わるのね。

 
「マムシを傷付けると、人には聞こえない助けの声を出して仲間のマムシを呼び寄せると聞いたが・・」

 
「自分もそれを聞いた事があり、マムシを見つけると徹底的にイジメて仲間の助けを呼ばせるのだが、まだマムシが助けに現れたのを見た事なく、現れたら取っ捕まえようと待っているんだ。」と言うんですわ。(^_^;)σ

 おお〜ぃ・・マムシィ〜・・気ぃつけぇやぁ〜・・・・
 下手に助けに行ったら、粉にされちまうでぇ。!(^^)!宿毛付近

 猟をしているので、この辺の地理にも詳しく「今ノ山越え」のコースも知ってました。

 私は車でそこを通った事がありますが、あんまり大した事ねぇなぁ・・・と思い、まだ歩いてまへん。

 しかしダンナは、あのコースも昔からの遍路道で、猟の時、道の途中から少し下り所の滝で「行」をしてた人が居たと言います。

 ふぅ〜ん・・知らんかったなぁ・・道は車道だったから、新しく出来た道かと思ってたんだけど・・・

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