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 尺八を携え歩いた四国遍路  13 浮雲 延命寺付近   H16/1/1 UP
        
青木地蔵 卍54〜56  卍 龍泉寺  

 国道196号をテクテク歩いてると、国道付近に大き青木地蔵な石油コンビナートのような物が建っており、その近くに「青木地蔵」というのがあります。

 車の通りが激しい国道脇にしては、鬱蒼とした木々に囲まれた感じで、夜になるとオバケでも出るんじゃねえかと思うような所でしてなぁ。

 はい・・・知ってる人は知ってるかもしれまへんが、遍路仲間内では幽霊が出るという、言い伝え・ウワサ・伝説が誠しやかに流れており、そのためか今まで一度も休んだり泊まってる人は見まへんでした。

 この堂前に青木地蔵 線香立て有る線香立てが、珍しい獅子の形しており、しかも口から線香の煙りが出るような構造になってます。

 さすが瓦の生産地でんなぁ。
 もっとも、数本の線香の煙ぐらいでは、あんまり迫力がありまへんが・・・

 三巡目に来た時は、遍路が通夜堂内で一人昼寝しており、もう幽霊は出ないんでしょうか?

 そおでしょうなぁ・・・今までと違って国道付近の鬱蒼とした木が切り倒され、明るくなった感じがしますから、幽霊も居たたまれんようになっちまい、どっかへ行ってしもたかもしれまへん。
青木地蔵 境内
 二巡の時「星之浦道の駅」で越後屋がトイレすると言うもんだから、
「先にゆっくりと歩いてるから、追いついて来い」と言って先に進みました。

 ところがトイレが有った所は、旧道と国道の別れる付近でしてなぁ。

 旧道を500mほど歩いた所で、ふと・・あいつの事じゃから、ひょっとしたら国道を歩いて来るかもしれん。

 そいでもって「探したけど、おらんかった・・どこホッツキ歩いとる」とブツブツと文句を言うかもしれん・・と思い、平行に走ってる国道の角に立ち旧道も見える所で待ちました。

 暑い盛りで「早よ来ねぇか・・いつまで待たせるんじゃ、長いトイレやのおぅ」とブツブツ思ってると、旧道を二人連れの遍路が歩いて来ました。

 声を掛けて
「見るも不細工なオバハン遍路が、一人で歩いてなかったか?」と聞きましたが見なかったと言います。

亀岡 付近 しょうがねぇので「道の駅」まで戻り、トイレも探しても居ないし、旧道を通って行ったのを見逃したのだとわかり、旧道を進みました。

 越後屋にしてみれば、いつまでたってもσ(*_*)に追い付かんから、今頃、文句言いながら泣いとるかもしれんなぁ。

 その場でジィッ〜と待っててくれると、ええんだが・・・

 下手に探し回られると、行き違いになっちまい、お互い永遠に見つける事が出来なくなる恐れがあるかもしれん。

 まぁ・・そのような状態になっても、別にかまわんのじゃけどなぁ、σ(*_*)としては・・・

 他人様に聞かれたら、遍路しとる途中で行方不明になっちまい、夜も寝んと泣きながら一生懸命に探したけど見つからんかった・・と泣くマネしながら言えば、世間の同情をかうかもしれん。

 そしたら、これを機会に「新しい人生」を歩み出すキッカケになり、空に浮かぶ雲のように自由気ままな人生じゃあぁぁぁぁ〜・・・!(^^)! フアッハッハッハッハッ・・・
大西駅
 と思いつつ、しばらく歩いてると、向こうから車の助手席に乗せてもらって来る越後屋と出会いました。

 ハレッ?・・何で、あいつが車に乗ってるの?

 迷子になったのは勘のニブイ越後屋でも気付き始めた頃だろうけど、見つけ出すのがチト早過ぎるでぇ。

 この瞬間σ(*_*)の「新しい人生」が・・・・流れる浮雲のように遠くへ・・音も無く去って行く・・

 聞けば越後屋は「大西」付近まで歩いた所で、店から「カルト(お菓子の名前)」の接待を受けたそおです。

 その時ついでに
「ボオッ〜とした、トッツアン遍路が通らなかったか?」と聞くと店の人は、さっきから外を見ていたが、まだ遍路は通ってないと言い、始めてσ(*_*)が迷子になり、寂しさのあまり泣いとるかもしれんと心配し慌てだしたそおです。

 その心痛のあまり「ヨヨヨ・・・」と泣き崩れようとした時、先ほどσ(*_*)が声をかけた二人連れの遍路が通りかかりました。延命寺

 同じような事を聞くと
 
「確かにボオッ〜と口開けて、ヒマそうに待っとる遍路と話した」
 「あらあぁ〜・・まだそのまま、口空けて待っとるかもしれん」

 ウロたえ騒ぐ越後屋を、店の主人が憐れみ
「ええいぃ、落ち着けぇぇ!!」と一括し、叱咤激励しながら車に乗せて一緒に探しに来たらしいです。

 その店まで乗せてもらいσ(*_*)もカルトの接待を受け、先ほどの二人連れの遍路と話しをすると、あの時は気がつきませんでしたが、高知県の善楽寺へ行く途中に挨拶しながら追い抜いて行った遍路だとわかりました。

 いやぁ〜・・奇遇ですなぁ・・・こんな、みっともねぇ迷子の形で会うと思わなかった(^O^)ダハハ・・・

 二人連れが先に出発し、店の人にお礼の意味を込めて一曲吹きました。別宮大山祇神神社

 「延命寺」から今治市内に入り「南光坊」付近では、最初の人はチト迷うかもしれまへん。

 車遍路の時、途中で「二つ目の信号を右」と地元の人に聞いてたのですが、わからず、商店街のような所へ入り込んじゃって・・そこらを一回りしちゃいました。

 南光坊から泰山寺へ行く途中の道で、車遍路の夫婦連れがウロウロしながら
「南光坊は、どお行けば良いのじゃろおか・・」と聞いて来たので、車は特に迷う所のようです。

 南光坊の境内では2回野宿させてもらいました。

 寺にお願いしたらアッサリ了解してくれましたが、二度とも「遍路札を見せてくれ」と提出を求められましたので、たぶん旅行者ではなくホントに遍路しとるというのを確認したかったんでしょう。

 その時に以前書きましたが、夜の山門に在る四天王(この時は2体だけ)がライトアップされてるのを見て、ホンマに今にも動き出しそおな感じで幽玄の世界だと思いました。

   南光坊 野宿   南光坊 四天王  南光坊 四天王 

 泰山寺の境内はアッサリしとりますなぁ・・・作り直しとるからなのか、もおちっと緑の木が有ってもええと思うが・・・

 三巡の時、泰山寺鐘突堂の日陰になってるベンチに「よっこらしょ」と腰を下ろして休んでると、境内に車が入って来て、坊さんか先達かわからんようなカッコウしたジサマが降りて来ました。

 駐車場は、この下に有り、この境内まで車で来るとなると寺の人かな?と思ってると、
「歩きですか?・・はぁ・・御苦労さんで・・(^_^;)」とニコヤカ言い本堂へ行きました。泰山寺

 しばらくすると本堂の方から、オバハンが
「あのお〜・・これ貰ってええですか?」という声が聞こえます。

 それに答えてジサマが
「うん。ええよ。ちゃんと仏さんに断ってからなぁ。」と言ってます。

 ほほおぉぉ・・あのジサマは、錦札のジサマだったのか・・どおりで、それらしいカッコウしとったなぁ。

 さらに続けてジサマが
「裏を見なさい。○○回と書いてあるやろおぅ。」

 アチャアァァ〜〜・・あのジサマ、その一言が余計じゃろおがあぁぁ、言わにゃあいいのにぃ〜・・・・(-_-;)σ

 バサマ達は
「わぁ〜・・すごい・・」と言ってキャアキャア騒いでます。泰山寺 鐘楼

 はい、はい、ホンマにスゴイでんなぁ・・・・で・・錦札の回数だけギョウサン巡られて、何がわかり、何を得られたんでしゃろか?。

 ジサマは、年のせいか暑さのためか、大師堂の参拝し忘れちまい、そのまま車で行っちまいました。

 泰山寺「奥の院」である「龍泉寺」は、寺から300mほどの所に在り、入口付近で犬が吠えたので、一巡の時に寄ろうと思ったのですが止めました。

 二巡の時、犬は繋いであるじゃろおから噛み付かんだろおと思い、犬がギャンギャン近くで吠えるのをガマンして行くと、犬は境内に入ると黙ってしまいます。

 コンジョの無い犬やのおぅ・・最後まで職務に忠実に吠えまくれ。
 もっとも帰る時には、また吠えられたけど・・・。龍泉寺 鏝絵

 小さいお堂で「鏝絵」が飾ってあり新聞にも載ったと書いてあります。

 堂守の奥さんがコーヒーと菓子の接待をしてくれ、これまた上品な人で踊りの先生をやっとられた方らしく、さすがでんなぁ・・。

 三巡の時、堂前で参拝してると、後ろの離れた庭陰で手を合わせて聞いてくれてました。

 ううむぅぅ・・・合掌されながら聞かれるほどのモンでもねぇのに、心が痛むなぁ。

 ゴロ寝しながら、アクビをかみ殺しながらとか・・
 ホオ杖しながら聞いてくれる程度のモンなんだけど・・

 ところで、その時σ(*_*)らと同じく南光坊の境内で野宿していた3人連れの若い女遍路が、この奥の院に居ました。

 σ(*_*)らは逆打ちで仙遊寺を経てここまで来て、次の南光坊へ行く行程でしたが、彼女達の行程は余りにも遅すぎて、ホンマやったら仙遊寺付近で会ってるはずです。龍泉寺

 聞いてみると、一人は以前に遍路を経験しており、
「仙遊寺に通夜堂が在るのを知っており、今夜は仙遊寺の通夜堂で泊まる予定で、ここで時間調整しているんだ。」と明るく言います。

 これを聞いた時、正直言ってイヤな気分になりました。

 他の遍路は足を痛めながらも、今夜は通夜堂で宿泊させて貰えるだろおか・・と不安に思いながら歩いてるのに・・。

 彼女達は、始めから人の善意を完全に当てにして、泊めて貰えると確信し、お金を使わずに四国遍路を楽しもうとしているのが見え々です。

 住職さんが、その場に居たので黙ってましたが、こいつらは完全に「かよわい女」を武器にしとるヤツらだと思った。

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