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尺八を携え歩いた四国遍路 20問答 三角寺  H16/3/13  UP
   
卍65 三角寺  卍 常福寺(椿堂)

 逆打ちの時、三角寺へ上る途中の東屋で一休みしようと思ったら、若いアンチャン遍路の先客がおりました。

 挨拶して話してみると、言葉遣いや輪袈裟等を見ても普通の人とちがうと思い
「アンサン、坊さんじゃあないでっか?」と聞くと、「わかりますかあ〜?」と笑いながら認めます。三角寺へ

 アンチャンは巡っている時、坊さんとしてではなく、普通の一般の遍路として扱って欲しいので、坊さんのカッコウはしていないのだと言います・・・エライでんなぁ。

 このアンチャンが「庵の坊さん」と会った時、どんな印象を持つか聞いてみたくなり
 
「「庵の坊さん」に会いましたか? 本当の仏教ちゅうもんを教えてくれはったでぇ」

 「いえ、その道を通ってないので会っていません。

 本当の仏教とはですねぇ、先祖供養なんです。三角寺への遍路石

 49日からはじまり・・3回忌がどおたら・・最低13回忌まではやらんとアカン・・・その後は・・シノゴノ・・・・ウダウダ・・・・」

 はあぁ〜ん??・・この人、何言い始めるんじゃ??

 遍路しとる坊さんなら、葬式仏教から離れた本当の仏教の事を、話すと思っとったのにぃ・・

 これじゃ、そこらに掃いて捨てるほど居る葬式坊主と、何も変わらんでねぇか。

 
「・・それで普通は37回忌ぐらいまでやれば良く・・・グスグス・・ブツブツ・・」

 ふうぅ〜ん・・正式には百何回忌までやらにゃアカン言うとるのに、何で37回までで、ええんやろか?

 そんな、エエ加減なゴマカシも有りだったら、最初の1回忌だけでヤンピしても良いと言ってくれれば、一般庶民の皆の衆も喜ぶのにぃ。三角寺へ

 怒ったらアカン・・・感情を顔面に出さんように・・
 冷静に・・話ししないとね・・・。

 
「(精一杯、出来るだけ物静かに冷静に)
 お釈迦さまは、そのような法要とか供養をしろと、おっしゃったのですか?」



 「(一瞬の沈黙の後)・・・言ってません・・・」

 ほれ、見ろ・・そんな事を、言うはずがねえだろおがぁ。

 「本当の仏教とは、自分の心の垢を取り除く事じゃないですか?」

 「それは寺に居る私達がやる事であって、一般の人は、そんな事を考えなくても良く・・・・・ウジャ・ウジャ・・・どうたら、こうたら・・・」

 アンサン・・何言ってまんねん・・・三角寺

 「仏法を自分の物だけにしたらアカン、他の人々にも知らせよ」とお釈迦様も言っとるでしょうがぁ。

 それをしちゃうと「何とかちゅう罪だ」と書いてありましたでぇ。
 何という名前の罪だったか忘れっちまったが・・

 アンサンの言い方では、坊さんだけが本当の仏教を知っておれば良く、一般庶民に対しては、お釈迦さんが言いもしねぇ法要・供養をやっとれば、ええんじゃってわけなのね。

 あかん・・・ますます頭に血が上って来た・・心を落ち着けて・・
 あくまで静かに、お話しないとね・・・

 「あなたは、そのような事を言いますが、一般庶民の人達はアンサンが今言ったような葬式仏教の話しなんか、だれも聞きたいと思ってまへんでぇ。三角寺 境内

 皆、本当の仏教を知りたがってるんですよ。

 σ(*_*)は「庵の坊さん」の話を聞いた時、どおしても仏教の本質が知りたくて、次の日に再びその庵を訪ねて話しを聞きに戻りました。

 なんせ、今まで、そんな事を教えてくれた坊さんは、居まへんでしたからなぁ。

 今まで歩いてた人にも「庵の坊さん」と話しをしたか?と聞いてみると、σ(*_*)のように次の日にわざわざ戻って話しを聞きに戻った人もおるんです。

 先を急いでいる歩き遍路が、丸1日をつぶしてまで話を聞きに、次の日もう一度「戻る」という事は、どれほどの決心・決意が必要な事か、あなたも歩いて遍路しとる人なら、よぉ〜わかるでしょう。三角寺 三角の池

 あなたの言ってる葬式仏教の話を聞くために、わざわざ歩き遍路が1日つぶしてまで戻ると思いますか?

 そんな話を聞くため、だれも戻りゃせんでしょうが・・アホらしくて・・・」

 
「既成仏教を非難する事はだれでも出来ますが、それじゃあ、そおやって非難する人達は、どんな事を実際されてるかが問題です。」

 実は遍路の時ではありませんが、他の坊さんと同じような事を話した事があります。

 その時の坊さんの言い訳は、このアンチャンと全く同じ事を言い、変わりまへんでした。三角寺より「お小屋倉跡」

 口先だけでは、どんなキレイ事でも言えるが、実際は「どおなんじゃ」と言いたいんでしょうなぁ。

 このように話題の矛先を変えるやり方は、いつもアッパレ見事なくらい共通しとります。

 いかん・・ますます血が上って来た・・冷静に・冷静に・・・
 声を荒げんように、あくまで静かに言わんとね・・・

 「その庵の坊さんは、その寺に入った時から、檀家も持たず葬儀・法要は頼まれても一切やらないそうです。

 最初の頃、地元の人達からは、今までの既成仏教と違う 事を言い出すもんだから、もんのすごく反発を食ったそうです。

 そりゃあ、そおでしょうなぁ・・・三角寺より途中の休息所
 その寺には今までアンサンみたいな、葬儀・法要の事しか教えない坊さんしか来なかったんでしょうなぁ。

 しかし、時間をかけて地元の人達に話していると、やがて時々は食料持って来てくれたり話を聞きに来たりする人も居るそうです。

 どうです?・・・・そおいう坊さんも実際に居るんですよ。
 あなたに、できますか?」

 しばし沈黙・・

 「まぁ・・そおかもしれませんが・・ゴニョゴニョ・・・
 確かに東南アジアの坊さんが日本へ来たのを見て、日本の仏教界は恥ずかしいと思いました・・ボソボソ・・・。」


 ほれみろ、恥ずかしいと思うじゃろおうがぁ。

 「しかし・・・、話は変わりますが、巡っていて88箇所のお寺というもんは、もんのすごくお金が集まりますねぇ。
 そのお金を、もっと有意義な方向へ使ったらいいんですが・・・」
常福寺(椿堂)
 おぉぉ・・やっと話しが噛み合いそうになってきた。
 良かったのおぅ・・!(^^)!
 アンチャン、キツイ言い方してゴメンな。

 「例えば古い本堂も見受けられますから、それを新しく立て替えたり、もっと沢山のお堂を建て立派にしたりして・・・ああしたり・・・こおしたり・・・」

 はぁぁぁ〜ん?・・・アンサン、まだよぉ〜わかっとらんよおやなぁ〜・・

 寺の建物が、ディズニィ・ランドのようなデッカクて新しく立派になったら、仏教は栄えるんでっか?

 見てくれだけ立派な建物を仰山作ったら、人々は仏教への帰依が深まり、信心の足りんσ(*_*)みたいモンでも、信心が芽生え始めると思ってるんでっか?

 そおじゃないでしょうがぁ・・・

  アカン・・冷静に、静かに言わないとね・・
  興奮して、顔が引きつっとるかもしれんなぁ。椿堂

 「私は、そおいう物を作るよりも、この東屋のように小さくても良いから、だれでも自由に出入りする事ができ、今のように自由に仏教の話しが出来るような物を作った方が良いと思いますがねぇ。

 
寺とは、本来そおいう役目のための物じゃないんですか?」

と言った時に他の遍路が休みに来ました。

 他の人の前で、このような会話をするのはマズイだろおと思い、私の方から普通の世間話に変えて、その話しに関する事は止めました。

 すんまへん、また、どおしょうもねぇアホな事を書いちまって・・

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