HOME > 四国遍路記 > 愛媛(菩提の道場) > 21 響 鳴
尺八を携え歩いた四国遍路  21 仙龍寺  H16/3/24 UP
             
卍 仙龍寺

 三角寺の奥の院「仙龍寺」への遍路道を、いつか歩いて行きたかったので、三巡目に納経所で道を聞きました。

 本堂の付近から遍路道があり、鉄塔が建ってる付近で迷うかもしれないが、そこで遍路道を見つけると後は野仏が立っているので、それをたどれば行けると教えてくれます。

 教えられた本堂近くへ行くと、なるほど遍路札がぶら下がっている遍路道があります。仙龍寺へ 「峰の地蔵尊」

 しかし今回は十分に準備してなく、あんまり人が行ってない未知の遍路道を歩くのは不安なので、車道をゼンマイ採りながら仙龍寺へ向かって歩きました。

 ゼンマイを探しながらフラフラ歩いてると、向こうから原付バイクに乗ったトッツアンが話しかけて来て、
「御苦労さまです。私も今、地蔵堂へ行って来た所なんですよ」と言います。

 はて?・・地蔵堂なんて地図に載ってねえが・・・と思いましたが、
「はぁ、ご苦労様です」と言って別れました。

 少し広めの車道付近に出ると、付近に鉄塔が建っています。

 この付近に寺で聞いた遍路道が有るんかなぁと思いながら、フラフラ歩いてると、別れ道にトッツアンが言ってた「地蔵堂」への案内看板が出てました。

 「おぉぉ、これじゃ、これじゃ・・・!(^^)!」と喜んで行くと、道端にまだ新しい堂が有り「地蔵堂」の看板があります。仙龍寺 入口

 その堂の前面を突き切るように下へ降りる山道が有り、片方は仙龍寺へ、もう一方は雲辺寺へと書いてあり、それほど道は荒れてるようではなく、鯖大師の遍路札も掛かっていました。

 しかし、どおも位置的には地図に記載してある遍路道とはちがうようで、再び元の車道に戻りながらゼンマイを採って行きました。

 たぶん、あの道は仙龍寺付近の「川淵」あたりから登って来る道だと思い、何かで読んだのですが、仙龍寺から椿堂を経由せずに雲辺寺へ向かう道が有るらしく、その道かもしれまへん。

 ほとんど車の通らない道をフラフラ歩いてると湖水が見え始め、やがて仙龍寺に着きます。

 ここまでの間は、店も人家も全く無く、仙龍寺だけしかないので食料・水は調達しといた方がええでしょう。仙龍寺 境内

 寺の横を流れ落ちる谷川を横に見ながら坂道を上り、ここはホンマに世俗に毒されてまへんなぁ。
 トイレは有るけど、自販機もありまへん。

 夜なんか、サミシイやろおなぁ・・・
 真っ暗でオバケが出るかもしれんまへんでぇ。

 寺も古風な昔のまんまで、ちゃんと玄関で靴を脱いで入り、年代物の廊下を通って室内で参拝します。

 ほとんどの(と言うより今まで巡った全部の)寺のように、玄関先みたいところで参拝させないのがええですなぁ。仙龍寺 玄関内部より

 奥の畳を敷いた室内に入り、本尊さんの次に、岩に彫った祭壇前で尺八を吹き始めると、どこからともなく微かに
「ウゥ〜〜・オゥゥゥ〜ンゥゥ〜・・ビィオォオォ〜〜ォォォン〜〜〜・・・」という音が聞こえます。

 最初は、どこから聞こえるんじゃろおう?・・そいでもって何の音じゃろ?・・と不思議に思いながら吹いてました。

 やがて、ヒョッとすると・・おぉぉぉ・・・こ・これは・・神仏の霊が出現し始める前触れの音か・・・

 そおじゃあろおとも、こんだけ人里離れ、俗世のくだらん騒ぎなんか、どっかへ行っちまったような所に存在する古い寺だもん、神仏の霊が宿っていても不思議はねぇ。

 確か神仏が現れる時は、何らかの前触れの音が有るとも聞仙龍寺いとるし・・・それも有りうると思った瞬間、吹きながら汗ばみ鳥肌が立ちました。

 
「ビュ〜〜ン・・・」という微かな音は、吹き続けながらも、なおも曲にまとわりついて聞こえます。

 しかし、よぉ〜考えてみると、σ(*_*)のような信心の足りんモンに神仏が現れるはずがねぇなぁ。

 現れるとしたら、もっと信心深い人に現れるはずじゃ・・
 何故、σ(*_*)のようなモンに神仏が現れるのか・・・

 尺八を吹いてる音が、目前の岩穴と共鳴してるのか・・・・
 いや、それにしては穴は浅いようで響き具合がちがうような気がする。

 この微音にも心を傾けながら、ホンマに神仏が現れたのか否かを自問いしながら吹き続けました。

 そのうちに、フトすぐ側に有る蝋燭立ての箱が目に入り、「あぁ〜これかもしれん」と思いました。
仙龍寺 境内
 蝋燭立ては1m四方程の金属製で箱のような構造になっており、この箱の大きさが、尺八の吹く音の波動と一致し、共鳴して「うなり」を生じたよおです。

 終わった時、越後屋が
「何かビィーンという音が聞こえていたね。どこから聞こえたんだろ。」と言うので、蝋燭立てが共鳴してたようだと教えました。

 小さいウナリの音だったのでσ(*_*)にしか聞こえないと思ってましたが、離れた所でも聞こえてたようです。

 σ(*_*)は吹いてたので気が付きまへんでしたが
「曲より、ほんの一瞬だけ遅れて山彦とまではいかないが、曲に応じたウナリが生じてたようだ」と言います。

 今まで尺八を吹いて、付近の金属箱等が共鳴したのは、この寺だけです。

 神仏は目に見える形等で現れる事は無いと思ってる不信心者ですが、この現象が生じた時は、ほんまに「まさかっ!!・・神仏の霊が・・」と鳥肌が立ちました。

 後の四巡時に「星の岩屋」の滝裏で尺八を吹いていた時も、今回とちがう現象ですが「まさかっ!!」と思う事を体験しましたが、それも科学的に説明できる現象です。

 しかし科学的にその現象が説明できる事であっても、その珍しい一瞬の機会に出会え、その原因がわかったからと言って別にガッカリせず、素直に「あぁ〜・・そおいう事だったのか。良い体験をしたなぁ・・こんな経験は滅多に出来ないやろおなぁ」と思いました。仙龍寺 内部

 信心深い人なら、神仏が現れたと思うやろうけど・・。

 せっかく古い寺に入らせてもらえたので、トイレを借りに行く途中、見れる範囲で寺の中を見物すると、けっこう大きい寺で、昔は宿坊もやってたんでしょう。

 こおいう寺の宿坊なら、しばらく逗留したいたと思うんだが・・・

 窓から外の景色を見ると深山・谷川・木々の風景がピッタシ雰囲気に合っており、これがまたええんですわ。!(^^)!

         目次へ   
           home

四国遍路記/愛媛

関 連 ペ ー ジ
 四国遍路記 第二章 四国遍路記 第三章 小豆島遍路記 篠栗遍路記 
 当 H P   そ の 他 の ペ ー ジ
 熊野古道  西国霊場 木造校舎・廃校シリーズ  塩の道  イザベラ・バードの道 
尺八曲 音源  洋山流尺八  虚無僧寺訪問    遍路・野宿・車泊用具