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尺八を携え歩いた四国遍路 瀬戸内海を望む H16/9/9 UP
      
香西寺  一宮寺   田村神社  讃岐別院
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 根来寺から一宮寺へ行くには、番外「香西寺」経由と、車道を通って「鬼無」へ行く2コースあります。
「鬼無」へ
 一巡の時に香西寺経由コースを取り、根来寺から下りの遍路道を歩き「四国の道」と一致するようです。

 その時は朝から国分寺〜白峰寺〜根香寺と歩いたので、麓へ着いた頃には疲れが出てました。

 それから香西寺までも、どえれぇ距離が長く感じられて、やっと夕方5時近くに到着。

 秋の夕暮れは早く、暗くなった市内の道を「鬼無」へ向かってトボトボ歩いてると、越後屋が
「もうすぐ橋が有るんだね」と言います。

 えっ?!!・・橋なんか通らないでぇ・・・
 自販機の明かりを頼りに地図で確認すると、やはり橋は通りません。「鬼無」へ

 暗くなり標識が見えなくなったので、どうせ地図も見ないだろおと思い、リュックの中へ入れっちまってました。

 いつものように地図を確認せず、「だいたいこの方角じゃろおう」と予想を立てて歩いてたのだけど、やっぱし夜になると方向感覚が鈍ってくるんじゃなぁ。

 そこへ犬連れたオバハンが来たので、犬が吠えにゃええが・・と心配しながら「鬼無」への道を聞くと、「鬼無」へ

 「あんたぁ、どこの方向から来たの?、そりゃあ間違っとるわ。
 鬼無の方向はあっちやでえ・・・」

と、今来た道の90度右方向を指さします。

 はんらあぁ・・・完全に違っとる・・・信じられんくらいに・・・

 「今の道を戻って・・あの方向の道を・・・」
と教えてくれましたが、よぉ〜わかりまへん。

 しばらく戻ってウロウロして、また歩いてたオバハンに聞き・・あっ・・今度は犬を連れてまへんでした。

 ガソリンスタンドで聞き・・やっと「鬼無」へ向かう県道へたどりつきました。「鬼無」への遍路道

 暗くなっても歩き続けたのは、この時が初めてで、やっぱし明るいうちに歩くもんですなぁ。

 知らずに橋まで行っちまってたら、ショックと失望と疲れのため、泣きながら気絶したかもしれん。

 ホンマに一時は、どおなるかと思ったでぇ。

 二・三巡の時は根香寺より「鬼無」へ降りる車道コースを通りました。

 たまに車が通るだけの広い道を・・テクテク・・・・
 蜜柑畑の向こうに瀬戸内海が霞んで見えます。「鬼無」へ


 小学校の頃歌った「蜜柑の花が咲いているぅ〜・・」という歌は、こんなような風景やろおなぁ・・・

 途中より車道を離れ・・かなり急な遍路道を下り、車道を横切り「鬼無」へ・・

 この「鬼無」ちゅう所は、桃太郎伝説が有るんでんなぁ。

 鬼無駅の観光案内の看板を見ると、ジサマが山へ柴刈りに行った山や、バサマが洗濯に行った川や、雉・猿・犬にまつわる神社が実際に有り、看板を見ているだけでも飽きまへん。

 そのうちに行ってみようと思ってたが、とうとう行く機会が無かった。岩田神社

 「鬼無」から踏切を渡り、狭い路地を通って田園風景をテクテク・・・ここから一宮寺までは、よぉ〜迷う所らしいです。

 途中、河原の底にセメント道が有り、自動車も渡っており、すごいでんなぁ・・・

 よおぉしゃあぁ・・ここまで迷わずに来れたでぇ。
 車が走り廻ってる国道を突っ切り・・・

 もうすぐ一宮寺という付近で迷いました。

 近くの小さい工場で尋ねると、
 「どこの道でも行けますけどね・・
 お遍路さんは、あそこの道を、よぉ〜通ってますよ」


と教えてくれたので、そのよぉ〜通ってる道へ行ってみると、遍路石が有ったので、なんとか一宮寺へ着けました。


   岩田神社 付近     「一宮寺」へ


 一宮寺のすぐ隣に田村神社という大きな神社が有ります。

 一巡の時は、そのお宮の駐車場が車野宿するのに最適な場所だったのですが、二巡目に行った時は車が夜間駐車出来ないようになってました。

 田村神社で火災があり、本殿付近に有った殿堂が燃えたようで、それが原因なのか・・・

 それに伴い、今まで神社境内から一宮寺の山門前へ直通で行けたのに、なぜか塀を作られ遮られて行けなくなりました。

 三巡目は一宮寺の駐車場で野宿し、先客がいましたが遅いのでお互い軽く挨拶して休みました。

 翌朝、尺八吹いて参拝し終わると、その先客が
「昨日、白峰寺で尺八吹いてた人がおったが、あんたか?」と話掛けて来ました。

 「いえ、私は逆打ちなので、これから白峰へ行くのですが、どんな人でしたか?。田村神社
 聞いてみたかったなぁ。」

 「真っ白の遍路服を着て、足が速い人やったなぁ。もう屋島へ行ってるかもしれん。」
 「あらあぁ〜・・行き違いじゃなぁ」


 二巡の時も白峰寺で、他の遍路から
「尺八を吹いて遍路しとる人が居るというウワサを聞いたが、あんたか?」

と聞かれた事がありましたが、状況を聞いてみると私ではありませんでした。

 尺八吹きながら遍路する人は、自分だけじゃないようです。
 絶対数は、少ないかもしれんが・・。

 二巡時、屋島へ向かって高松市内をテクテク・・・

 途中で越後屋が、ガマンしていたトイレを借りようと、急いで個人病院の玄関へ入りました。

 病院の受付の人や、付近に居た看護婦さんが、その緊迫した慌てぶりを見て、急患と勘違いして
「どおしました?」と言いながら、付近に居た患者達と心配しながら、ドドォ〜ッと飛んで来て越後屋を取り囲んだそおです。一宮寺

 カワイソーな遍路が、急に具合が悪くなり、病院へ助けを求めに来たのだと勘違いして、病院中の人が集まったらしい。

 すんまへん、連れがお騒がせしまして・・・
 単に早くトイレを借りたかっただけなんです。
 ほんまに、すんまへん。

 そんな騒ぎになってるとも知らず、病院前の植え込みでボケエ〜ッと座って待ってると、通院に来たオバハンが話かけて来たので、越後屋が出て来るまで話をしてました。

 病院から20mほど歩いたところで、後から呼ぶ声が聞こえ、振り返るとさっきの通院のオバハンが一生懸命追いかけて来て、病院内の自販機から買って来たという缶コーヒーをくれました。

 すんまへん・・ほんまに・・・重ね重ね・・・
 病の身で通院しとるのに、たかがトイレ借りただけの、ワシらごとき者のために走らせてしもおて・・・。

 途中の栗林公園は、話の種に見たかったけど「ヤンピ」して、付近の「かわらまち駅」の屋上で買ってきた昼飯を食べました。

 屋上では、背広とかスーツとか上品な服装の人達が、歩きまわったり休んでいます。

 そこに小汚ねぇ遍路姿のワシらと、一人の浮浪者と思われるヒゲを生やしたジサマだけが、その場の雰囲気から、もんのすごく浮いた感じがします。

 場違いな雰囲気で、なあぁ〜んか居づらく、食事を終えたらサッサッと出ましたが、でも、あのジサマの眼は、優しそうな目しとったなぁ・・・話はしなかったけど・・・・

讃岐別院 関係寺の讃岐別院へ寄り、本堂内に入るとだれも居ないと思ってたら、入口付近に一人のジサマが机に座って番をしてました。

 尺八を吹いて参拝してる最中、ジサマの所で電話が鳴りはじめましたが、何回も呼出音が鳴っているのにジサマは電話を取ろうとしません。

 ついに電話の主が諦めたのか呼出音が切れ・・・・また再び鳴り始め・・・

 参拝が終わって、しばらくすると再び呼出音が・・・ジサマは、すぐに受話器を取りました。

 すんまへんねぇ・・・私の尺八が終わるのを、ジィッ〜と静かに待っていてくれたんですねぇ。
 かまわずに、受話器を取ってもらって良かったのに・・・

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