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  尺八を携え歩いた四国遍路 16 なみだ   H16.9.30 UP
         玉泉寺  霊之寺  長福寺  長尾寺
  

 長尾寺へ行く途中に玉泉寺というのがあります。

 たいていの人は、もうすぐ終わりじゃ・・・と、先を急ぎ、あまりこの寺に寄らないようです。
玉泉寺
 寺自体は小さく、障子が閉まってる本堂で参拝していると、寺の人がソオッーと障子戸を開けてくれ、終わったら茶菓子を出してくれました。

 すんまへんねぇ・・入れる賽銭が少ないのに・・・

 一巡の時は奥さんだけでしたが、二巡以後は住職さんがおられて、行く毎に必ず茶菓子を出して話し相手をしてくれます。

 もっとも、ここの住職さんは話好きのようでもありましたが・・・

 だいぶ遠回りで方向違いですが、途中に関係寺の「霊之寺」「長福寺」があります。

霊之寺 「霊之寺」は、朝8時頃行ったためか、ちょうどお勤めの前だったよおで、
「あっ、すんまへん。待ちます。」と言うと、先に参拝をさせてくれ、終わると供えてあった蜜柑をくれました。

 案内板を見ると、それほど大きくないと思った寺ですが、けっこう後ろの方にも何か有るよおです。
 行かなかったけど・・・・

 「長福寺」は、門付近を直す工事をしたのか、門の所で数人固まって話をしていました。

 歩いてこの二つの寺を巡ろうかと思ったのですが、長福寺から国道を志度まで歩いて戻るのが、ちとキツイ。

 地元の人にバスが有るかと聞くと、廃止されたらしく、この二つの寺は車で巡りました。

   長福寺    長福寺

 88箇所寺の「長尾寺」は広い境内が在りますが、木とか庭が在るわけでなく、なんとなくだだっ広いなぁ・・・という感じです。

 風が回り込んで尺八の歌口に当たり、正直言って吹きにくい箇所の一つです。長尾寺へ

 が・・そおいう吹きにくい箇所でも、最善の努力をして何とかせにゃならんのが、修行の一つでありましょう。

 いつも自分の都合の良い所ばっかし選んで、吹くというわけにもイカンからなぁ。

 一巡の時、本堂で参拝している中年の夫婦連れの横で参拝しました。

 夫婦連れは小汚い者が隣へ来て、いきなり尺八吹き始めたもんだから、ちとビックリしたようです。

 吹き終わって振り返ると、帰ったと思っていた夫婦連れが、並んでジイッ〜と立っており、奥さんがハンカチを手にギュッと握りしめ、目に一杯涙を溜めています。長尾寺

 それまで、σ(*_*)の尺八を聞いて涙を流してくれたのは、香園寺「奥の院」滝修行場のオバハン以来、これで二人目です。

 それを見た時、うぅむぅぅ・・・・自分の尺八に涙を流させる力が、ホンマに有るんじゃろおか・・と思ったのと同時に、

 尺八を聞いて流す涙は、どのような涙なのだろおか・・
 亡くなった身内の人を思い出したのだろおか・・・・

 尺八の曲は、聞く人が昔の懐かしい思い出や、故郷を想い出させるように・・・・と聞いた事があります。

 話しは少し逸れますが、私に尺八を教えてくれた師が、戦友会での追悼時に尺八を吹奏し、吹いている途中で次々に戦死した仲間が思い浮かび
「尺八を吹いると、涙が出てしかたがありませんでした・・・」と尺八の会報に書いてあるのを読んだ事があります。長尾寺

 師が追悼で吹いた曲と、私が本堂でいつも吹く曲とは違いますが、本堂で吹くその曲には途中より高音のメロディになる箇所があります。

 そして、なぜかその高音の箇所へ来ると、師の「涙が出てしかたがありませんでした。」という文面が頭を過ぎります。

 今の尺八を、だれに聞いて欲しいかというと、もう実現する事はかないませんが、やはり尺八を教えてくれた亡き師に一番聞いてもらいたかった。長尾寺

 大師堂へ行くのに夫婦連れに軽く会釈し擦れ違うと、後ろの方でご主人が
「見事な音だったなぁ・・」と奥さんに言ってるのが聞こえました。

 「見事な音」か・・今まで、このような誉め言葉は聞いた事がなかった。

 吹いた本人としては、今までと全然変わってなく、響きも普通だったんじゃけど・・・・。

 聞く人の心・雰囲気等によって、そのようにも聞こえるのでしょう。

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