HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・32 琴線
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琴線
子供達
松山市の53円明寺を過ぎると、国道196号線を海に沿って歩きます(一部山道も有りますが)。
はい・・建設省がワシらのように修行する人のために一生懸命考えて、わざわざ途中から歩道を反対側に取り付け、命がけで国道を横断しなけりゃアカン道で、ヘビの出る山の遍路道よりオトロシイ道です。
バス停にバサマと孫娘が座っており、そこを通り過ぎた時に、バサマが「あの、お人達はなぁ・・・歩きながらお寺を巡ってる、エラァ~イ人達なんだよ・・・」と、孫娘に説明しているのが聞こえました。
ウッ・・・心が痛むなぁ・・・・なあぁ~も知らない、いたいけな子供に・・・きっと孫娘がワシらを指差して、何かを尋ねたんでしょう。
そう言えば松山市内を歩いてた時に、お母さんと小さい子供が遊んでおり、子供がワシを見て「へんなオジサン」と言いました。
「そお~です。ワタシが、へんなオジサンです。(^O^)」と言って、「 へんなオジサン音頭」か「アキィ~ン体操」でもしてやりゃ、喜こんだかもしれんなぁ・・・今考えると・・・・・・・。
小さい町を歩いてると前方を、小学1年ほどの男の子と女の子が並んで歩いており、男の子が一生懸命、女の子に何かの話しを聞かせていました。
ええですのぉ・・幼なじみという関係になるのか・・・むかし、昔・・そんな事も有ったなぁ・・・小学2年ほどまで・・・。
あの時は、良かったけど・・・あれ以来、だんだん無くなって・・今じゃなぁ・・・きっとアホな事ばっかし、やってたからじゃろなぁ。
前を歩いてる小学生の話を、聞くともなしに聞いてると・・・・
男の子「・・・そいで、シュウマイとギョウザが合体して・・・」
うん?・・・中華料理の話か?・・・・
男の子「・・・・ギョウザが・・・・をやっつけるんだ・・・」
おぉぉ・・創作童話?を女の子に話して、気を引こうとしとるんだな・・・お主もやるのぉ・・・この、スケコマシが・・・(^^;)
その時、ふと女の子が振り返ったので、「こんにちわ」と言ったら、はにかみながら小さい声で「こんにちは」と返してくれ、男の子に後ろに変な人がいるよと突つきました。
しかし男の子は、そんな事を無視して、まだギョウザがどうの・・・と話の続きをしています。
女の子は男の子の話を聞いてないのか、チラッ・・・チラッと振り返り、その度、ワシは優しくニッコリ微笑んでやります。
別れ道に来た時、その女の子はワシに「さいならぁ」と微笑みながら大きい声で言いました。
男の子は振り返りもせず、まだ夢中で話をしており、たぶん・・まだギョウザの話をしているのでしょう。
フッフッフッ・・どおじゃぁ、ギョウザの話より、ワシの「微笑み返し」の方が勝ったぞ。
まだまだ若いモンと張り合っても、負けんわい。(^^;)カッカッカッ・・・・
遍照院
菊間町に「遍照院」という厄除けのお寺があり、境内にある店のバサマが、お茶とお菓子を出してくれました。
ワシがデジカメで境内の写真を撮ってる間、越後屋がバサマと話しており、寺を出発してから歩きながら
越「あのね・・バサマの話を聞いたんだけど、先日、若い一人歩きの女のお遍路さんが来たんだって。(^-^)」
で「ふぅ~ん・・お会いしたかったなぁ・・(-_-)デキルモンナラ・・」
越「○○県から来た人で、あのオバサンも綺麗な人だったと言うんだから、ホントにキレイな○○美人だったんやろうね。(^O^)ドオジャア」
で「ふぅ~ん・・是非お会いしたいなぁ・・・話の種にも・・・(=_=)ソリャア・・モウ・・ゼヒトモ・・」
越「で、自分の身長より大きい荷物背負って、34kだと言ってたかなぁ・・
全部、野宿してるんだって。(@_@)スゴイネー」
で「ふぅ~ん・・荷物持ってあげたいなぁ・・・お前のは、イヤじゃけど・・・(-_-;)」
越「で・・オバサンが、今まで歩いていて一番怖かったものは何かと聞いたら、犬も何も怖い物は無いけれど、だけど人間に会うのが一番怖いと言ってたんだって・・
若い娘で、人間に会うのが怖いと言うなんて・・・よっぽど、何か有ったんだろね・・・・。」
で「・・・ふぅ~ん・・そおじゃろおねぇ・・・」
越「オバサンも言ってたけど、お遍路の人の中でも、そのカッコウしているのを良い事に、悪い事する人も居るんだって。
そいで、お遍路してる人でも「ヨオォォ~シィ・・馬力出してアッという間に、四国を巡ってやるわい」という気持ちの人は途中で挫折する人が多く、ワタシラのように、ユックリ歩いてる人の方が最後まで巡る人が多いんだって・・・・」
00/10/31記載
編集後記(遍照院)
この記事には書きまへんでしたが、遍照院で尺八を吹き終わり振り返ると、店のバサマがσ(*_*)に向かって手を合わせて拝んでおり、「聞いていて、極楽に居るような思いをした」と言ってくれました。
遍路しながら尺八を吹き続けて以来、σ(*_*)が直接聞いた始めての最大の誉め言葉でした。
この頃から以後、度々お誉めの言葉を頂いたり、まだちょっと先ですがワシの吹奏を聴いて涙を流してくれる人も表れ、車遍路を含めると二巡近く吹き続けて、やっと他人様の琴線に少しは触れるようになったようです。
でも、これがただ単に寺を巡って吹き続けているだけだったら、琴線に触れる所まで行かなかったんじゃねぇかなぁ・・ある程度は上達するかもしれんが・・・。
今思っても「庵の坊さん」や「老遍路」等と出会って教えられた事(仏教の教義)が、吹奏するための精神というか心掛けに、もんのすごく大きく作用しているように思い、バサマの琴線に触れたのだと思う。
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