HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 5 オカリナ
夏の暑い盛り・・、仕事で室戸市内の狭い旧市内を車で走ってると、前方に白衣に笠を被った正式遍路ルックの人が一人で歩いてます。
おぉぉ・・・この暑いのに、よぉ~歩いてらっしゃる。
しかし、何か・・他の遍路と雰囲気がちがうなぁ・・・
あっ・・わかった、背中に結んだ紫色の風呂敷包みじゃ。
今時、風呂敷包みを背負って歩く遍路も珍しいなぁ、たいていの人はリュックなんじゃが・・・リュック買うお金が無かったんかな?
追い越し際に徐行して顔見てみよ・・おぉぉ・・若いネエチャンじゃねえか・・・!(^^)!
ん?・・・おぉぉ・・そう言えば、最近「風に抱かれて」というテレビ番組で、オカリナ吹いてるネエチャン遍路がおったが、そのネエチャンにちがいない。
車をかなり前方に停めて、持っていたデジカメを手に、モタモタしながら降りたとたんに横を通りすぎちゃった・・アララァァ・・・・。
見ればカメラスタッフも3・4人その付近を走り回っています。
よし、この様子なら昼頃には金剛頂寺で撮影するな。
トットと仕事を終えて、金剛頂寺で昼飯を兼ねた弁当食べながら見物しちゃおう。
昼時に金剛頂寺へ行ってみると、納経所付近の階段を降りて、こっちへ向かって来る所のシーンを撮影してました。
カメラスタッフに「写真を撮って良いか」と許可を求めると「後ろの方で静かにしてくれるなら良い」と了解してくれました。
2・3回、こっちへ向かって来るシーンを撮ってましたが、後日テレビを見るとカットされてた。
撮影が終わった後、畏れ多くも、もったいなくも「オカリナねーちゃん」に直にお話をして、お言葉を交じわす事ができました。
区切りであるが、遍路行程の道は全部歩いてるとの事。
年は若くも見えるし、それなりにも見えるし・・・それとなく「何年前からオカリナやってるんですか?」と遠回しに年齢を聞くと、敵も素早くこちらの意向を察知したらしく「小さい時から」と笑って答えます。
「その小さい時から、どれくらいやってるんですか?」と聞いても、笑ってガンとして口を割りません。
おのれぇぇ・・しぶとい女め・・・敵ながら天晴れなヤツじゃ。(^_^)v
しかし、思った以上に親しみを込めて丁寧に話し相手をしてくれ好感が持てました。
スタッフは撮影の後片づけも終わろうとしており、その頃に「私も実は歩いてるんですよ」と言って話しが盛り上がろうとした時、スタッフが呼びに来たので、そこでサヨナラでした。
あん時は、失礼になるかもしれんと遠慮して聞かなかったが、テレビの「風に抱かれて」を見るたびに、いつも紫の風呂敷包みを背負っており、あの包みには、いったい何が入ってるんじゃろおう・・・と気になって仕方がなかった。
今なら、図太く聞くんじゃけど・・・(^O^)
後日、この金剛頂寺・本堂で、尺八を吹いて参拝してる時に団体が来て参拝し始めました。
ワシの参拝が終わって振り返ると、団体の後ろの方に居たオバチャンの一人と目が合い、オバチャンは、他の人達にバレんようにように笑顔で軽く「パチパチ・・」と音の出ないように拍手の身振りをしてくれます。
あんらあぁぁ・・他の人達は先達に合わせて、よそ見もせんと一生懸命に拝んどる最中なのに・・・
こっちも思わずニッコリ笑ってしまい、会釈して本堂を後にしました。
あのオバチャンとワシだけの秘密です。(^O^)
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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