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H16.10.30 UP
大窪寺から1番「霊山寺」へ戻るコースは、たいていの人は切幡寺コースへ行くようですが、一巡時は白鳥道大阪越えコースを歩いてみました。
大窪寺を少し行った所より遍路道が有ったのですが、三巡時には県道工事のため遍路道への下り口がわからなくなっており、遍路道を通った経験が有ったので下り口がわかります。
しかし、遍路標識は工事中のためか設置されていなく、たぶん初めて歩く大部分の人はわからず、県道の車道を歩いて下りて行ったと思う。
遍路道の途中に「地蔵堂」という、崩れかかったような無人のお堂があり、丁度、一休みするには良い場所なので、いつも軒下の縁側を借りてしばし休息していました。
昔は人が住んでいたんでしょうが・・・
三巡時、地蔵堂で雨滴がポタリポタリ・・と落ちる軒下でボケェッ~と休んでいると、ワシで良かったら住み込んで、通る人にお茶でも入れてあげるんだけどなぁ・・・というノドカな思いをします。
一巡時、前山ダムを出発して女体山を越えて、大内ダムまで行く予定にしており、途中「宗心」付近の遍路石が「白鳥」方面と表示しているのを見ちまったもんだから、そっちじゃ・・・と思って歩いたら、どおも地図と違ってるよおです。
「下山」付近の三叉路の店で星越峠への道を尋ねると、今来た山方向の隣の道を指さされ、その方向へトボトボ歩いてると、やっと地図に記載されている三宝寺が有りました
三巡の時に確認すると、私の勘違いで「白鳥」方向でなく「興田寺」方向へ行かねばアカンかったよおで、なんせ白鳥越えだからと思い、ついその方向かと・・・2Kmほど遠回りしちゃったなぁ・・。
三宝寺近くのバス停内で休んでると、客を乗せたタクシーの運転手が珍しそうに、こちらを見て行きます。
どれ・・星越峠に取りかかるか・・・新しく舗装された車道を、ノロノロ・・・トボトボ・・・
実はこの時には、女体山越えをして距離もけっこう歩いたので、足の関節が痛くなっていました。
今までは、あんまり無理な距離を歩いた事がなく、せいぜい1日に20Km弱だったのですが、ここだけは車とバイクの置き具合から、少し無理な距離にしちまったのです。
越後屋も途中から具合が悪くなり「私を置いて、先に行って・・」と言い始め、他の場所・時だったら、喜んで置き去りにして捨てちゃうんだけど・・、
人家の無い場所で、夕暮れも迫り天候も悪くなりそうで、ここで言われるままに越後屋を捨てて行くと、世間からゴウゴウの非難を浴び、一生肩身の狭い思いをしなけりゃアカンなぁ・・と大部真剣に考え、そいでもって越後屋を、ここらに捨てて行くと、道を行く人の目障りになるだろおしぃ。
自分も、ゆっくりならば何とか休みながら歩く事が出来ますが、なんせ足の関節が痛いので急いで歩く事ができません。
その辺の微妙な判断と世間の非難をかわすために、やむを得ず走って来る車に手を上げて救いを求めました。
今まで車の接待の申し出が有った時は、丁寧にお断りしてたんですが、自分勝手でんなぁ・・・都合の良い時ばっかし、車を頼っちまって・・・・。
しかし、こおいう時に限って「なにを、手を上げとるんじゃあぁ~」という顔されて車は素通りして行きます。
やっぱりアカンか・・・少しづつ歩いてると、後から来たタクシーが止まり「乗っていかないか」と声を掛けてくれました。
このまま星越峠を歩いてると、バイクで車を取りに行くのが完全に暗くなっちまうから、越後屋をここでホンマに置き去りにして、捨てちまおうかと先程より、もっともっと真剣に思ってたんです。
良かったなぁ、そこらへゴミと一緒に捨てないで・・・(^O^)
話しをてみれば、先ほどバス停で休んでいた時、不思議そうな顔していったタクシーの運転手さんで、「ここはあんまり遍路は通らなく珍しいなぁ。逆打ちで大窪寺へ向かってる途中だろう」と思ったそうです。
これからの予定を聞くので、「大内ダムにバイクが置いてあり、前山ダムまでバイクで車を取りに行く予定です。」
「それなら遠回りになるけど、お接待で前山ダムまで行ってあげよう。」
「そ・・そんなもったいない、大内ダムだけでけっこうでごぜえますだ。」
「なに行ってまんねん。かまへんがなぁ・・・どうせワシの客は遍路の人ばっかりだから、それで儲けさせてもらってますから心配しなさんな。」
と言ってくれましたが、とても甘える気になれず、こおして乗せてもらえただけで、ありがたかったので、丁寧にお礼を言い大内ダムで降ろしてもらいました。
なんせ、もおちょっと遅かったら越後屋を置き去りにして捨てて行くとこだったからなぁ・・・危なかったなぁ・・・(^O^)。
大内ダムに着いた時、曇っていた空から、ちょうど雨が降り初めてきました。
ありがとうございました。
おかげさまで、ワシも肩身の狭い思いもせず、越後屋も一人ぽっちで不安なあまり、泣き崩れる事もなく・・・
大内ダムからは、ダムの横の急坂を下りると家の犬が吠え、三巡目の時も変わらず吠え、律儀でんなぁ・・・遍路が通るたびに吠えるんやろおなぁ。
興田寺は小学校前の大きい寺で、来た時には幟旗が一杯立っていました。
三巡時、早朝この興田寺に着いて参拝し終わり、時間調整でベンチに座って尺八を吹いてると境内を掃いてた人が出発間際に接待をくれました。
興田寺から、のどかな道をテクテク・・・・
東照寺へ着くと寺の祭事だったよおで、本堂でお札とか何かを売っており参拝客も次々と来てます。
入口には石臼の中に1円玉がたくさん入っており、杵で突くよおですが、何の云われがあるんでしょうか・・ きっと、突いたらお金が貯まるんだろなぁ・・・やらんかったけど・・・
参拝客とは場違いの風体なので、本堂で参拝した後、外の建物の軒下で休みました。
小さいながらも、キレイな庭でんなぁ・・・・箒の掃き目をキレイに立ててるのが良く、掃除した人の人柄が伺えます。
東海寺へ行くと工事中らしく、車で参拝に来た人が話かけて来て、車で何回も巡って掛け軸を何本も作ったと自慢気に言って見せます。
そんなに沢山の掛け軸を作って、どないするねん・・・と思ったけど黙ってた。
番外寺の数珠も作ったというので数珠を見せてもらうと、思ってたより安っぽくなく、キレイな数珠玉だったので、これを見たのをきっかけに、二巡目の時は番外をも含めて数珠玉を集めました。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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