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歩き遍路一巡・31 懺悔の道しるべ
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三坂峠を下りると松山市に入り、46浄瑠璃寺から53円明寺まで8つの寺が有ります。
46浄瑠璃寺で、歩き遍路の若いアンチャンと会い話をしました。
野宿を主にしており、洗濯物が溜まったり疲れた時には宿に泊まるようにして、今日は浄瑠璃寺の前に有る宿で、久々にフトンで寝れると言って喜んでました。
翌日、47八坂寺で、このアンチャンと会い「よく眠れましたか」と聞くと、場所が変わったので寝れなかったと言い、ワシらは寺でユックリ休み、歩くのも遅いので、アンチャンは次ぎの寺へ向かって先に出発しました。
ところが、次の48西林寺の境内で、そのアンチャンが出発の大きな荷物を担いで、まだ立って居るのです。
聞けば、この寺で団体参拝客に捕まっちまい、次から次ぎへと「歩いてるんか?」と聞かれ、その質問に応対して今まで居たとの事です。
あらぁ~ぁ・・アンチャンは早く交通量の多い松山市内を抜けて、静かな道を歩きたがっていたのになぁ。
このアンチャンは、これまたマジメな人で、参拝する時もリュックから輪袈裟を取り出し、きちんとしたカッコウで、丁寧にお経を唱えており、ワシらも見習わんとなぁ・・・・
輪袈裟も数珠も持っとらんしぃ・・まだ買う気は起きないけど・・・
昨日のワシらとの話の時にも、疲れてるのにイヤな顔一つせず丁寧に相手をしてくれました。
そんな優しい性格なので、団体の話相手もマジメにしており、ここで時間をくってしまったんでしょぅ。
昨日、話してる時に、犬に出会った時の事を聞いてみました。
で「歩いていて、犬に吠えられた時なんか、どうしてますか?」
アンチャン「それは、自分の方が聞きたいですよ、私も犬がキライで弱いんです。
吠えられたらジッーとしており、鎖で繋いであったら、ソオッーと通り抜けたり、
家の人が出て来て犬を止めるまで待ってたりします。」
で「やっぱしねぇ・・・・(;;)」
歩いてる人は皆さん、犬には悩んでるようです。
今までも何人かの若い歩き遍路のアンチャンと話しをしましたが、どの人も丁寧に話しをし、礼儀も正しかったです。
凶悪な犯罪を犯して世間を騒がす若人や、テレビで見るチャランポランに生きてる若い衆は、どこの世界かと思うほどでした。
江戸城内の幕府では、重臣達が寺子屋の生徒にボランティアを義務化させようとしています。
そんな事よりも、10日ほど歩き遍路をやらせた方が、よっぽど人生に何かを感じさせると思うけどなぁ・・・・しかも、それこそ2・3日野宿するのを義務化させて・・・・
(編集後記:この頃、政府が学校でボランティアを義務化させようとしていたようです。
実際に義務化されたのか、どうなったのか忘れました。
たぶん、今もって義務化されてないので、ウヤムヤになったのでしょう)
49浄土寺で、足の悪い地元のオバアサンが参拝しており、ワシらが次の寺へ行く途中で、道で迷ってると遠くから手で教えてくれました。
ありがとうごぜえます・・できる事なら、このオバアサンに奇跡を起こして、足を治してあげたいもんだと思った。
50繁多寺の山門前は駐車場になっており、山門に近づくと一人の坊さんが携帯簡易椅子に座ってました。
軽く「こんにちわ~」と軽く挨拶すると、アララ・・わざわざ立ち上がって、丁寧に合掌してくれました。
帰りにまた「ごきげんよう」と挨拶すると、やっぱし立ち上がって丁寧に礼を返してくれます。
やっぱす、聖職の坊さんはワシらとちがいますねぇ。
ワシなら、椅子に座ったまま、手を振る程度じゃろおけど(^^;ミナラワント・・・
しかし、この坊さんは何でこんな所に、ボォッーと座ってたんでしょう?
托鉢しとるんなら、もぉちょっと山門の人が歩く所で立っておれば良いのに、何も遠慮して車の陰で見えないような所に居らんと・・・
見れば、ワシと同じように気の弱そうな顔しとるしなぁ・・・・
犬でさえも、エラソーに山門の真ん中で、堂々と昼寝しとるでぇ・・(これは、ホントに寝てました)
51石手寺へ行く途中、八幡三嶋神社の三叉路付近のへんろ標識が、今来た方向を指して逆になっています。
迷ってると、「こっちですよ」と後ろから声を掛けられ、石手寺近くまで行くからと一緒に歩いてくれると言い、見れば、さきほど繁多寺境内のベンチで何か書いてた男の人です。
絵でも描いてるんかなと近寄ったら、隠すようにしたので近寄りませんでしたが・・
なかなか、話好きな人で「先ほどは、絵を描かれてたんですか?」と聞くと、四国88箇所の寺を背景にしたシリーズ物で、殺人事件の小説を書いており、この12月に「懺悔の道しるべ(だったかな?)」という題で、本が発売される予定で、名前は「しょうじ(だったと思う)」と言いました。
遍路道に絡むストリーにしてあるらしく、順次発売されるとの事でしたから、本屋で見つけたら、タダ読みするか買ってあげて下さい。(^^;)
石手寺が終わると、有名な道後温泉の前を通って52太山寺へ行きます。
道後温泉の写真を撮ってると、越後屋が「ほら・・あそこに・・明治の服着た女の人が・・・」と教えてくれ、見ると、「ハイカラさんが通る」のカッコウした女の人が三人向こうへ歩いて行きます。
「あっ・・あそこからも二人来たから、モデル頼んであげる」と言って頼んだら、アッサリ立ち止まって、ニッコリ微笑みピースサインまでしてくれました。!(^^)!
「ハイカラさんが通る」の写真を撮ったので、気を良くして歩いてたら、どうも道を間違えたようです。
そういえば、何かでこの道後温泉付近は、道を間違い易い所だと書いてあったように思います。
歩いてる道の両側には、なんと言って良いのか・・・そのぉ・・女の人が優しく接してくれるらしい「重役室」だとか「5000円ポッキリ」ちゅう店やら看板があちこちに立ってます。
試しに入ってみたかったんだけどなぁ・・何事も人生勉強じゃから・・・
「重役室」でなくても「部長室」でも・・なんなら「課長室」「係長室」でも、いいんだけど・・・
どおしても、あれだったら「給湯室」でも、「受付案内嬢控え室」でも・・・・・・
で・・店の前に立ってる呼び込みのアンチャンに、地図を見せて道を聞きました。
(ここら辺は、昼間でも呼び込みの人が立ってるんですねぇ(^^)
まさか、遍路姿のワシを店の中へ引きずり込まんでしょうから・・・
しかし、知らない他の人から見ると、お遍路さんが店の客引きと「高いの・・安いの・・」と言って、値段交渉をして揉めとるように見えたかもしれません。
00/10/25記載
繁多寺より石手寺まで同行してくれた、小説を書いてる男の人が言ってた「懺悔の道しるべ」という本を楽しみに待ってたんですが、書店では見つかりまへんでした。
試しに小説名の「懺悔の道しるべ」をネット検索してみると、HP「遊歩の広場」(第13話・ミステリー)にσ(*_*)と同じような体験した事がもっと詳しく記載してありました。
検索結果は沢山出てきましたが、該当する内容の物は、これ一つだけです。
体験内容が同じなので、そうそう・・そんな事も言ってたなぁ・・と想い出した。
この頃に歩き遍路した人の中には、同じように繁多寺でこの男の人と話した人が居るかもしれまへんねぇ。
ちなみにその数ヶ月後の事ですがσ(*_*)の息子も遍路した時、同じく繁多寺でこの男の人と会って話をして、ジュースを接待してくれたそうです。
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