HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・33 道
H20.4.19 UP
歩いてると車遍路の人から、たまに道を尋ねられる事があり、歩き遍路は、道については何でも知っとる、その道のプロと思われるのかもしれんけど・・・。
幸い以前に車遍路をしているので、どこら辺で車が迷うかわかりますので教えやすいのですが、歩きだけをやってる人は、歩きの遍路道と車の道が違ってるので、ちと教えにくいかもしれません。
今治市の55南光坊付近は、車遍路は迷いやすい箇所です。
南光坊より次の56泰山寺へ歩いてる途中、対面から来た車が停まり、泰山寺の道を聞かれました(おいおい、逆方向じゃないですか・・)。
70才くらいの夫婦連れで、寺巡りの道のポイントを記した略図の地図しか持っていませんでした。
そお、なんですよねぇ・・・・ワシも車遍路した時に同じようなの買ったけど、この略図の地図だけじゃあ、やっぱし迷うのですよねぇ。
「ひとり歩き」の本を持つか、現状と距離間が一致しとる地図でないと市内では迷うかもしれんなぁ・・・これは、今治市に限らんけど・・・。
61香園寺で車中泊して朝方起きると、同じ駐車場にアラレチャンのような顔した女の人が、一人で犬と一緒に車中泊したようです。
挨拶したら「横峰寺へ車で行きたいんだけど道がわからず、昨日は何回も迷って、とうとう行けず・・・」と言うので、道を教えてあげました。
アラレチャンの地図も、略図の地図でした。
ワシの持ってる地図でアラレチャンに説明してあげ、昨夜遅くに来てバタバタしたお詫びに接待で貰った柿をあげました。
ついでに連れの犬にも感心な事に吠えなかったので、ご褒美に同じく接待で貰ったセンベイをやりました。
おぉぉ・・カシコそうな犬だこと・・・(^^;ヨシヨシ・・。
話しを戻して・・歩いて60横峰寺へ行くには、二つのコースが有り、順番どおりに59国分寺から横峰寺の山へ行くのと、次の61香園寺側から山に登るコースと有ります。
で、たいていの人は香園寺側コースをとるようで、横峰寺で会った2組の歩きの人達は全て香園寺コースでした。
この理由としては、59国分寺から横峰寺までの距離が約25kmで、途中に宿泊するような所が無く(横峰寺では泊まれない)、香園寺には宿泊施設があるからのようです。
ワシたちは順番通りのコースで横峰寺へ向かい、麓の小松町「大頭」という所より、夕方4時近く小雨の中を山の中腹「湯浪」という所まで、早く着きたい一心で、休みもせず黙々と歩きました。
あっ・・別に温泉が有るわけではなく、言っちゃあ悪いけど・・過疎地のようです。
と・・そこへ上から降りて来た車が、ウィンカーを出して側に停まりました。
車の人「お遍路さん。
知ってると思うけど、今から行くと横峰寺には、宿泊施設が有りませんよ。」
で「あっ、はい。 知っております。
湯浪という所にオートバイを置いて有り、今日はそこまでのつもりですので。
ありがとうございます。」
と、親切に教えてくれる人が居ました。
以前に読んだ本で、このコースの道か、香園寺側のコースだったか忘れましたが、冬の終わり頃にオートバイで遍路した人が、5時の納経時間にやっと間に合って暗くなり始めた道を降りてると、雪の中を親子の二人連れが歩きながら寺に登って行った事が書いてありました。
寺には宿泊施設も無く、納経時間も過ぎており、ほんとにその人達は、どおしたのでしょう。
次の日、やっぱし小雨模様で、これは越後屋の日頃の行いが悪いからでしょう。
「湯浪」から、舗装されてる車道をエッチラ・オッチラ歩いて行きますと、「四国の道」の休息所が有ります。
昔は、ここまで車で来て、後はヒーコラ言いながら寺への道を2時間ほどかけて歩いたらしいです(今は別の林道コースで、寺の近くまで車で行けます。)
高い山への遍路道は真に自然の日本庭園で、人工的な庭園にはマネできん味わいがあります・・歩くのきついけど・・
道に沿って小さい川の流れが有り、水が苔むした岩にぶち当たって白く落ち・・・
霧がかかって杉木立は幽玄・静寂の世界だし・・・
越後屋は、ワシを置いて先に行くし・・・・
横峰寺には、この小雨の中を参拝客の団体さんも来ており、信仰心が厚いですなぁ・・・(^^;。
その団体を引率をしている僧衣の人とか、普通の車で来た僧衣の人は、ワシらのような歩き遍路と擦れ違う時、必ず相手から先に丁寧な礼をしてくれます。
これは、どこの寺で出会ってもそうでした。
すんませんねぇ、ホントは礼をされるほど信仰心が無く、ほんとは、ニセ者なので心が痛むなぁ・・・。
引率者以外の団体客は物珍し気に遠慮なくワシらをジロジロ見るか、ローソクや線香に火を点けたり、他の人としゃべったり笑ったりするのに忙しいけど・・・。
横峰寺から香園寺への下り道は10kmほどあり、この道を登ってくるのも大変だと思う。
ワシらは、下りるだけでしたが、けっこう膝関節が痛くなりましたから、香園寺コースの人は、登るのは息切れするでしょう。
降りる途中で「マツタケ」の匂いがしたので、越後屋と手分けして、そこらを探しました。
ちょうど「マツタケ」が生えそうな松が数本有るし・・・・しかし、見つけられず、時間があったら、必ず探し出してやるんだけどなぁ。
途中、香園寺の「奥の院」が有り、小さい川に赤い橋が架かっており、景色の良い所で、その橋を渡って川を少し逆登ると、滝修行場に出ます。
小さい滝の岩場の側に、剣を持って踊ってるようなカッコウした「なんとか童子」と、別の岩場に巻物を手にした「かんとか童子」が立っており、その中央の滝が流れ落ちる所に「不動明王」がガンバッています。
ここも、ええとこでしたねぇ・・・・1日中、ボォッーとしておりたい所でした。
滝の水を汲みに来る人もけっこう居ました。
コース的には、ワシらが登ったコースの方が、川の流れの変化等が楽しめると思いますが、宿泊地の心配を、しなきゃアカンけど・・・。
ところで家に帰ってから、室戸で70才ほどの一人歩きのお遍路さんと話しをしました。
お遍路「私は胃ガンの手術をして奇跡的に直り、それでも私の方が
先に逝くと思ってましたが、妻の方が先に逝きましてねぇ。
家に居ても、寂しくって・・・こうして、お遍路してるんです。
昨日も夫婦連れのお遍路さんと会って話しましたが、
リストラにあい失業保険もらって歩いてるというのを聞いて・・・
もお・・・可哀想で、かわいそうで・・・・。」
やっぱし、ワシらのようにボォッ~と歩いてるのと違って、皆さん何らかの心の重荷を背負って歩いてるようです。
00/11/04記載
編集後記
これには記載しませんでしたが、「香園寺・奥の院」で尺八を吹きました。
その時の様子は「第1章・愛媛・17心の内面」に記載してあります。
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