HOME > 遍路・巡礼 > 「秩父34観音霊場」目次 >37 水潜寺 (秩父華厳の滝)
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札立峠からは、ひたすら下り道で、しかも上る時とは違って、石がゴロゴロしており、こんな所を下りの勢いに乗って走ったら、転んじまって石にぶつかり痛いでしょうなぁ。
途中、上がって来る男性が一人おり、お互いに石だらけの足場が悪い道に気を取られており、全体を見る余裕が無く、近くに来るまで全く気が付きませんでした。
すぐ近くで、お互いに顔を見合わせ「あれっ?!・・なんで、こんな所に人が・・!!」という感じで、ビックリして軽く挨拶しました。
しばらく行くと道端に、最近建立さられたらしい新しい石仏があり、どうせ信心深い人が奉納したんだろおと思って行きかけたら、地蔵さんの袂に何か書いてあります。
何じゃろと思って読んでみると「おつかれさま水潜寺はすぐそこ」と書いてあり、地蔵さんが、すました顔して指差しておりました。
そのマジメな顔しながら指差し、袖に字句を書くという対比が面白く、思わず笑っちゃい、アイデア賞もんじゃなぁ、こおいう遊び心は大好きじゃ。!(^^)!
この地蔵さんの立ってる所から、ホンマに「すぐそこ」が秩父34観音霊場の34番札所「水潜寺」でした。
で、その付近に「熊に注意」と書いてあり、あぁぁぁぁっっっ・・・ゴォラアァァ・・そんな事、聞いてなかったぞおぉぉ・・・熊に会わなかったから、良かったようなもんの・・。
水潜寺の本堂は工事中らしく、ブルーシートで囲ってあり、そこら辺の詮索や事情は後で調べる事にして、なんせ腹が減ってるので、とりあえず境内のベンチに座り、リュックの中を掻き回してると、若い坊さんが出てきて話しかけて来ます。
あっ・・ワシ、腹減ってるので早く昼飯にありつきたいんだけど・・
「33番から来たのか・・・歩いて来たのか・・」等、話し好きなようです。
受け答えは越後屋にまかせて、ワシは昼飯代わりの餅を食べながら、横で間違った事を言わないかと聞いてました。
ベンチの目前に有る立派な建物に「讃佛堂」の額が掛かっており、工事中の仮本堂になってるのかと思ってたら、仮本堂は別の所に有りました。
「讃佛堂」は納経所も兼ねており、坊さんが仕事してる目の前で尺八吹くのも、気が引けるなぁ・・・と思って迷いましたが「讃佛堂」内に入りました。
堂内には、さっきの若い坊さんは、どっかへ遊びに行ったのか居なく、これ幸いと無人になった納経用机の前で尺八を吹奏して参拝しました。
参拝が終わったら、遊びに行ったはずの坊さんが側に居て、やっぱり話し掛けて来て「初めて尺八を吹いてるのを見ましたが、アゴを動かすだけで音が変わるんですねぇ」
おぉぉ・・この人、ちゃんと尺八の「メリ・カリ」しとるのを見ておったんやなぁ、そのうち堂内からオババも出て来て尺八を誉めてくれました。
ベンチで尺八の手入れをしてると越後屋が「あそこに「水潜り」という穴が有りまっせぇ。穴の下に水が流れており、中は狭くて入れそうもない」と言います。
σ(*_*)は、いつもツッカケを履いて歩いてるので、水に濡れても何ともありません。
体も痩せているので、入れるもんなら話しの種に入ってみたかったので、様子を見に「水潜りの岩屋」入口まで偵察に行きました。
岩屋を通る距離が長かったらコワイなぁ・・と思って、入口から奥を透かして覗いてみると、それほど遠くない所に、わずかな光りが見えたので・・あっ、これなら行けるかもしれん。
靴下を脱いで、作務衣のズボンを膝まで捲り上げ、財布やら貴重品が入ってるウェストポーチを越後屋に預け、裸足でツッカケという身軽なカッコウで「水潜りの岩屋」へ入ってみました。
足下に水が流れており、四つんばいになって真っ暗な穴を、オバケが出るじゃねぇか・・ここで岩が崩れて来たら、どうすべえ・・と心配しながら、鍾乳石のような岩肌を手探りで這い進みます。
光が見えた出口付近には石仏が有り、そこには水が滝のように滴り落ちて、なかなか凝った造りになってますなぁ・・・さすが水潜寺!!。
越後屋の所に戻って、「凄かったでぇ。洞窟内に滝があってのおぅ、その冷たい滝に打たれながら修行されとる石仏が有ったよ。そのお姿を見ると・・・常日頃の信心の足りなさを反省し、思わず涙が・・・(T_T)ウッウッウッ・・・」と、ウソ泣きしました。
すると越後屋は、自分モ見に行かゃ損だとばかしに「行く」と言うので、ツッカケを貸してやりながら「信心の足りんモンが入ると、岩が崩れて戻って来れないらしいでぇ」と、脅かしてやったが、「フン」と鼻先で笑って行きます。
後で調べると秩父34観音霊場巡りが終わったら、この「水潜りの岩屋」を潜って身を清め俗世間に戻るというのが習わしらしく、ワシは知らなかったので、身も清めず好奇心でやっちゃった。
さっきの若い坊さんが「お茶を用意してる」と声を掛けてくれたので、讃佛堂に入り御馳走になりました。
茶を飲んでると、坊さんのカッコウした人が納経しに来たので、茶をすすりながら黙って話しを聞いてると、九州から来て各霊場を巡り「お砂踏み」を作ってるらしい。
それを聞いて、あぁ・・そおいえば、この「水潜寺」は西国・板東・秩父の三観音霊場を合わせた「日本百観音結願寺」で、最後の寺だったのだと改めて気付きました。
信心が足りないモンだから、そんな事は全然気にしないで、コロッと忘れていましたが、信心深い人にとっては、この「水潜寺」は感慨深い所で、坊さんのカッコウしとる人の話しを聞いてると、そんな感激の思いが伝わって来ます。
茶を飲み終えて礼を言うと、バス時刻を親切に教えてくれましたが、この後も歩いて「秩父華厳の滝」へ行き、「満願の湯」まで行く予定だと答えました。
「秩父華厳の滝」は、それほど大きい滝ではないですが、滝らしい滝です。
滝壺付近の岸辺にアベックが肩を寄り添って座り、愛をささやいていたようなので、ジャマしちゃあ悪いと思い、ソオッーと後ろを歩いたがバレちゃった。
スマン・・ワシらに気を遣わず、そのまま愛のササヤキを続けてくれ・・ あれだったら、ワシらは居ないもんだと思ってチューしても、ええぞ・・。
「満願の湯」に向かって歩いてると、廃校になったような建物が見えたので、ちょうど休もうと思ったら車が停まり、運転席を見ると、先程の若い坊さんで「満願の湯」まで乗せてくれると言いましたが、廃校も見たかったので断りました。
廃校は「日野沢小学校」だったようで、職員室やら教室の中がガラス戸を通して見えます。
明治22年に開校して、平成14年に閉校したらしく、職員玄関前の所で、ドッカリと座って休みました。
雑草が生えかかっている校庭が主の居なくなった事を物語っており、こんな風景に居ると、昔の小学校時代を想い出しますなぁ。
秩父三十四観音霊場 完 引き続いて他の霊場巡りもご覧ください。
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