HOME > 遍路・巡礼 > 「越後33観音霊場」地図と目次 > 35 聖ケ鼻

    H20.4.15 巡礼     H21.12.5 UP


聖ケ鼻と「はっさき地蔵」/越後33観音霊場・只一人

聖ケ鼻

 「鉢崎」から「聖ケ鼻」への登り口には、「通行止」の看板が出ており、たぶん中越沖地震でやられた山肌の補修作業をしているのだろうと思い、車はダメかもしれんが歩いてなら、何とかなるんじゃねぇだろうか。 聖ケ鼻へ、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 作業のジャマになるようだったら引き返せば良いのだから・・と、自分勝手なワガママな事を考えつき「通行止」を無視して歩きました。

 重機が通ったらしく道は汚れており、山の斜面は修復工事の最中で、作業音も聞こえますが、歩いてる箇所には車の通りも作業員も見かけません。 聖ケ鼻より「鉢崎」を望む、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 「聖ケ鼻」へ行く途中で「鉢崎」の町並みを見ると、先程通った旧道が一直線になって見え、この風景は、よぉ~写真に載っていますねぇ。

 「聖ケ鼻」頂上近くのカーブを曲がると、目の前の道路が陥没・隆起しております。

 あらあぁぁ・・こりゃあぁ~・・車が通行止になるのは仕方がないわなぁ・・・でも歩くぶんには、それほど影響がねぇや米山灯台・聖ケ鼻、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 陥没・隆起のカーブ付近から、遠くに「牛ケ首」方面の岬が見え始め、広々とした360度まではとはいきませんが、海を主とする広大なるパノラマ景色・・ええですなぁと・・更に歩み進み上って行くと・・・

 ギヤャャャャャアァァァァァァァァァ~~・・・・!!!!

   聖ケ鼻・中越沖地震で崩れた道、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 道が数100mほどザックリ削られて、海まで土砂崩れしとるじゃねぇか!!、ボケエェェッツ~と歩いてたら、海まで転がり落ちたかもしれん。

 迂回して向こう側の道路へ、何とかたどり着けないかと・・しばし周囲を観察しましたが、行けそうにもなく、忍者部隊「月光」とか、レインジャー部隊ならば、何とか無理してでも向こう側へ、たどり着けるかもしれんが、トシ取ったσ(*_*)にはそんな事する元気はもう無かった。

 転がり落ちて新聞ザタにでもなったら、近所や親戚中から笑われるしぃ・・・子供達もアホな親を持ったと、肩身が狭い思いしながら、これからの長い人生を生きて行かにゃアカンだろおしぃ。

 せっかく、「聖ケ鼻」まで上がったのですが、泣きながら引き返す事にしました。

「はっさき地蔵」と犬

 しかし、麓の「鉢崎」の町並まで戻るのは、何とも腹立たしいので、何とか近道して国道へ出れんかと、「聖ケ鼻」付近の地図を親の仇のようにニラミ眺めると、国道近くに卍印があります。

 よっしゃあぁぁ・・まずは寺を目指してからの話じゃ・・と戻り始めました。

 「聖ケ鼻」へ上る時、麓の最初にあるカーブ付近に数基の墓を見つけていたので、墓が有るという事は、この付近に寺が有るはずじゃ・・まさか麓から、わざわざ上って来てまで墓を作らないじゃろお。

 ヒョットしたら、このカーブを曲がらず、真っ直ぐ行ける道が有るんじゃねぇかなぁ・・泥で汚れた鉄板が敷いてあったのは、工事車両置き場の道かと思ってたが道かもしれん。

 試しに鉄板を渡って行くと墓が有り、木立の向こう側に国道を走る車が見え、ワハハハ・・やったでぇ、どうじゃσ(*_*)の地図の読解力は・・。はっさき地蔵堂、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 墓と隣接して、こじんまりとした寺が有り、寄るつもりは無かったのですが、境内に案内看板が見えたので、何が書いてあるか、例によっての野次馬コンジョを出して見に行きました。

 そしたら、あぁたぁ・・・いきなり犬に吠えられましてなぁ、幸い繋いで有ったので、飛びかかって来まへんでしたが・・。

 犬は2匹居たのですが、もう一匹の犬は吠えようか、どうしょうか・・と迷ってる様子で結局吠えず、最初から吠えていた犬に「お前、吠えておれ。ワシは見てるけんね。」という感じでした。

 案内板を読んでる最中も「ギャンコラ・・ギャンコラ・・」と吠え続けますが、かまわずに最後まで読みました。

 「はっさき地蔵尊縁起」と書いてあり、昔この地より2kmほど西の海岸付近に数十体の地蔵さんが奉られておったそうで、ちなみに「鉢崎」の地名は「はっさき」と呼びます。

 その地蔵さん達は、ヒマなもんだから夜な夜なキレイどころを呼んで、飲めや歌えの宴会をしとったわけではなく、マジメに北国街道を通り過ぎる旅人達の安全を祈っておったよおです。

 ところが時代の波が押し寄せて、煙を吐く汽車が開通する計画があり、その線路が地蔵さん達が居る所に引っ掛かったんですわなぁ。

 そりゃあぁ・・地蔵さん達も自分達の居場所が無くなるので、鉢巻き締めて「立退料よこせ」「慰謝料出せ」と言いたかったんでしょぅが、さすがエライ地蔵さん達ですなぁ・・だれもモンクを言いまへんでした。

 岩に刻まれた地蔵さんは移転する事ができず、爆破されて粉々になり海中に沈まれたそうな・・・ナムナムナム・・・ 蓮光院、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 そしたら、あぁたぁ・・それ以後、工事中に事故が多発したので、工事が中止に追い込まれる状況に陥ったそうな。

 見たか聞いたか!!・・ガンコジジィやゴォツクババァ共・・地蔵サンの祟りじゃ・・オトロシィ事じゃ・・・ナムナムナム・・・

 ビックリした工事業者達は、散逸した地蔵さんを拾い集め、新たにお堂を建てて安置し、やっと無事工事が終わったそおで、そのお堂がこれらしい。

 しっかぁしぃ・・・犬が、やかましいなぁ・・・。

 普通なら、トットと寺を出て行くのじゃが、あんまりにもウルサク吠えるので、止せばええのに、犬に尺八を聞かせたら、どうするかな?とクダラン事を思い付きましてなぁ・・・ワハハハ・・・。はっさき地蔵堂で吠えていた犬、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 堂前で荷物を置き、尺八を吹いて参拝し始めました。

 そか・・σ(*_*)の尺八は、犬にとっては何でも無い雑音にしか聞こえんのか・・吠え方が全然変わらん。

 この一曲だけで止めればええのに、何を血迷ったのか、もうチット吹き聞かせたら、いかに犬と言えども、やがて仏心が芽生え慈悲心が現れるかもしれん・・と愚考し・・はい、正直言いまして、もうこおなりゃ意地ですがなぁ。

 二曲目になると、さすが犬も10分近く吠え続けていたので疲れと共に飽きて来たらしく、少し大人しくなり、義理でたまに吠えるだけになりました。

 尺八参拝が終わって、階段の所で尺八の手入れをしながら犬をジイッ~とニラミ付け、手入れが終わった後も、そのまま目を逸らさず犬をニランでいると、犬もいたたまれなくなったのか恥ずかしくなったのか、目をそらして他の所を向いたりして、さらに吠え方も少なくなりました。

 フッフッフッ・・どおじゃσ(*_*)の尺八ではアカンかったかもしれんが、眼力には畏れいったか・・なんちゅうても「寄らば斬る」という必殺の気迫でニランでやったからなぁ。 米山トンネル、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 犬にも少しはコンジョが残ってるらしく、横を向いたり、足で頭を掻きながら思い出したように吠えますが、あんまりσ(*_*)と目を合わせまへん。

 よし・・今日のところは、これ位でカンベンしてやるかと荷物を担いで寺の門まで行くと、また盛んに吠え始めたので、よっぽど走り戻って、犬の頭を杖でブン殴ってやろかと思った。

 国道の「米山トンネル」は歩道が有るが狭く、車もスピードを緩めず、すぐ側を通り抜け、その風圧で何度も笠が飛ばされそうになるオトロシイ所でした。
 


 鉢崎、越後33観音霊場・只一人←前頁「鉢崎」へ  次頁「笹竜胆」へ→笹竜胆、越後33観音霊場・只一人


 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます


以下、広告です。