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 藤原神社、「越後33観音霊場」只一人・紀行文 H21.5.16 巡礼   H22.6.5 UP


八海山麓、幻の霊水「雷電様の清水」/越後33観音霊場・只一人

幻の霊水

 越後三十三観音霊場巡りの道筋から言えば、「六日町」より真っ直ぐに「浦佐」へ行けば良いのですが、ちょいと寄り道をしました。

 八海山の麓に人知れず霊水「雷電様の清水」ちゅう、それはそれは霊験あらかたなる、畏れ多くも、もったいない「幻の霊水」が出ているというウワサが有りましてなぁ。三国川沿いの土手、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 越後33観音霊場巡りのために、この地域付近情報をネットで検索していた時、始めて「雷電様の清水」の存在を知りました。

 この清水は新潟県内の人でも、あんまり知ってる人は居なく、ホンマにごく一部の人しか知られていない隠れた名清水らしく、ネットを見ると霊能力が有る人が言うには、この「雷電様の清水」が有る場所は真に神域だと言ったらしい。

 ここで「雷電様の清水」を紹介しちゃうと、霊水を汲みにドッと人が来て、せっかく平和で静かに暮らしていた神霊も、その騒ぎでどっかへ行っちまうかもしれない。

 それでも人が滅多に訪れない「幻の清水?」を、こおいう機会に是非訪れてみたいと思ったのです。

地元でも

 三国橋を渡った土手で一休みをしてから、土手沿いに上流に向かって歩き、工場群の建物が立ち並ぶ道を突っ切って、「田崎」集落の手前付近に出ました。
       
 道端で家族とタンボ作業の話していたトッツアンに「「雷電様の清水」へは、どお行けば良いのでしょうか?」と尋ねました。

 最初「ん?」という顔をされたので「藤原神社の近くに有ると聞いてますが・・・」「法音寺」へ向かって、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 「あぁ・・「雷電清水」の事ですね。ううむぅ・・私は場所を知らないですが、父なら知っていると思います。」

 「あのおぉ・・地元の方でも「雷電清水」の場所はわからないのですか?」

 「年代によりますね。私のような年代(40才代)だと知りませんが、トシヨリなら知ってると思います。」

 おぉぉ・・さすが「幻の名水」「隠れた霊水」「伝説の清水」と言われるだけあって、やっぱり地元の人でも、場所が良くわからん所に有るらしい。

 うんうん、だれでも知っていて簡単に行けちゃったら「単なる清水」になっちゃって、アリガタミが無く、「幻」とか「隠れた」「伝説」というカッコイイ単語は付かないわなぁ。

 しかし、弱ったなぁ・・場所がわからないと、行けないんだが・・・ネットでも場所がわかりにくい所なので、とにかく「藤原神社」を目指せば良いとだけ書いてありました。

「藤原」集落

 気の毒に思った情け深いトッツアンは「「藤原」集落へ行けば、今はタンボの季節だろうから、だれか外に出て作業してると思い、そこで聞いてください。」と「藤原」集落へ行く道を丁寧に教えてくれました。

 礼を言って別れ、それから「藤原」集落へ行くまでの間、道端に居たオババ二人に「藤原神社」への道を尋ねました。「藤原」集落、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 「藤原」集落へ入り、集落が終わるかなぁ・・と思った頃に、右側の山へ行く狭い道が有り、残念ながらこの付近にはタンボが無く、農作業をしている人はいません。

 しかし感覚的にたぶんこの道を行くのじゃないかなぁ・・と思いながらその道を少し行くと、オバハンが畑作業をしていたので「雷電の清水」の事を尋ねました。

 「この道を、まっすぐ道なりに行けば、すぐに神社があり、それから更に行けば雷神清水が有る」と教えてくれ、オマケに「熊に気ぃつけなさい」とまで言われ、ここら付近は、そんなに熊が出る所なのか?

藤原神社と「雷電様の清水」

藤原神社、「越後33観音霊場」只一人・紀行文    藤原神社、「越後33観音霊場」只一人・紀行文  藤原神社、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 少し行くと小さい神社が有り、それが目標である藤原神社でした。

 国土地理院地図には、この藤原神社の鳥居マークが付いてないから、場所がわからんのですねぇ。

雷電様の清水へ、「越後33観音霊場」只一人・紀行文     藤原神社、「越後33観音霊場」只一人・紀行文   雷電様の清水へ・看板、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 藤原神社・境内は広く静かで、車で水を汲みに来る人のため、龍?の口から勢い良く清水がボコボと出ております。

 少し休んでから神社の横道へ出て、そこに「雷電様の水」の云われを書いた看板が立っており、横道を歩いて行くと、コンクリート道が砂利道になり、駐車場が有って車止めの柵がしてあります。

 車止め柵の近くに「立入禁止」と、やっぱし「熊に注意」の看板が出ており、よっぽど熊が出るんでしょうねぇ。
雷電様の清水・祠、「越後33観音霊場」只一人・紀行文    雷電様の清水、「越後33観音霊場」只一人・紀行文    雷電様の清水・滝、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 そんな看板を無視して草が生えてる山道を少し歩くと、大きな「トチの木」の下に小さい祠と水が岩肌を伝って流れています。

 「雷電様の清水」というのが、この岩肌を流れ落ちる水らしいが、「トチの木」の右側にも清水が出ているので、これも清水と言われれば、それらしく思える。

 写真を撮り終え、さあて帰ろうかなぁ・・と思ったら、越後屋が奥の防砂堤へ上がる小さい山道を上がって行きます。

 おいおい、どこへ行くんじゃ? 山奥へ入ると熊に食われるでぇ。

 越後屋はコロコロ太ってるから、熊も食い応えが有ると思っちゃうだろおしぃ・・と思ってたら、防砂堤の上で何か言ってます。

 「熊でも見たのか」と思いながら行ってみると、川の上流から数段に分かれ落ちる、小さい滝が有りました。 雷電様の清水・砂防堤の滝、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 岩肌を伝い落ちる清水より、この清々とした滝を「雷電清水」の水源伝説とした方が見応えが有るように思う。

 「おぉぉ・・・さすがは越後屋、よくぞ見つけた。でかした。」

 「ヒッヒッヒッ・・・おでぇかん様、欲が絡んで来ると、目ざとく見つけけるもんでごぜえます。 先程、トチの木の付近から、チラッと見えたんでさぁ。」

 「なんで面白くもない、防砂堤へ行くのかと思ってたんだ。」
 「ヘッヘッヘッ・・手前が行く所には、何かが有る所だと思ってくんなせぇ。」

 藤原神社へ戻って昼食にした後、越後屋が境内に出ている清水を飲んでたので感想を聞くと「普通の水だったなぁ」 藤原神社・清水、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 ええいぃ・・このバチ当たり目・・こおいう場合は義理でも「甘露、甘露・・」と言うもんじゃ。

 σ(*_*)も試しに飲んでみましたが、確かに普通の水と言えば、普通だった・・すんまへん。

 しかし、もんのすごく冷たい清水だったので、真夏の暑い日にこれを飲めば、義理ではなく「甘露、甘露」と言いながら生き返る思いがすると思います。

 ちなみに、この「雷電様清水」を水源として地酒「八海山」を作ってるそうです。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます


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