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   遍路笠、「越後33観音霊場」只一人・紀行文   H22.6.9 巡礼   H23.2.26 UP


スーパーにて遍路笠「迷故三界城」の解釈/越後33観音霊場・只一人

「柳原」付近、「越後33観音霊場」只一人・紀行文     「鳥坂大橋」付近、「越後33観音霊場」只一人・紀行文    胎内川、「越後33観音霊場」只一人・紀行文
中条・若松町付近、「越後33観音霊場」只一人・紀行文
 「平木田駅」より旧道をテクテク・・・やっぱり国道と違って車が走り回っておらず、ノドカに歩けますねぇ。

 胎内川に架かる「鳥坂大橋」を渡り、中条の市街へ入ると道端に「庚申」石がゴッテリ奉ってあり、最初に見た時は墓かと思い、たぶんこの付近に有ったのを集めて整理したのでしょう。

 中条駅まで、あと数100mなのだが疲れたので、道沿いに有るスーパー駐車場の日陰で、地ベタに座って腰を降ろして休みました。中条・庚申塚、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 もうすぐ昼なので、このままスーパで弁当でも買って食べるか、それとも駅まで行けば食堂の一つ位は有るだろおから、そこで久々に人間らしい食事をしようかと、スーパーの壁に寄り掛かりながら考えました。

 そんな事を思ってると、座ってる目の前の駐車枠に車が止まり、オバハンが降りて来て、そのままスーパーへ入って買い物するのだろおと思ったら、近づいて来て「どこか巡ってるのか?」と聞きます。

 おぉぉ・・それらしく見えるのかな。「越後三十三観音霊場を巡ってます。知ってますか?」中条・北本町付近、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 「知らんなぁ・・・(遍路笠を指して)この字(梵字)は、仏さんの字だとわかるが」

 おっ!!・・オバハン、梵字だとよお~知ってるなぁ。「笠に書いてある字は、何と書いてあるのかいな?」

 「あぁ~・・コホン。(遍路笠に書いてある字の該当箇所を指さしながら)これはですなぁ、迷うが故に三界に城有り(迷故三界城)」

 「おぉぉ・・そんなような風に書いてある。」 おっ!!・・・感心してくれたぞ、喜べ。!(^^)!

 「悟るが故に十方は空(悟故十方空)、本来は東西無し(本来無東西)、何処(いづこ)に南北が有るじゃろか(何処有南北)」

 どうじゃ、オバハンまいったか、ワッハハハッ・・・。(^_^)v

 「はりゃあぁぁ!!・・そいで、この意味は、どんなんですかいな?」

 うっ・・このオバハン、なかなかネバッて鋭い所を突いてきますなぁ・・最初の「迷うが故に・・」の所から解説すると、長くなりそうだし・・中条・スーパー、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 オバハンも真剣に聞いてくれるのなら話すが、買い物ついでのヒヤカシみたいな気もするので、後ろの半分2行だけ解説する事にしました。

 「うむうぅぅ・・わかり易く言うと、東西南北なんていう方角は、人間が勝手に、「ここは北、あそこは西」というように便宜上で決めた事です。

 例えて言うならば、世の中で生活していると、いろんな習慣・風習・迷信・しきたり等が有りますが、そおいう物も全て人間が勝手に作った物です。

 そして迷信は迷信を呼び、元の目的もわからなくなり、世間体や見栄を保つために、ますます迷信のドツボに入り込んじゃうのが世の常であります。

 そのため人間が最初に「良かれ」と思って作った風習・習慣・迷信・しきたり等が、今では逆に人を苦しめ、イヤな思いをさせたり、人知れず泣いている人が、どこかに居るかもしれません。中条・西町庚申塚、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 そんな人間が勝手に決めた迷信・風習等に惑わされないようにしなさいと言うのが「本来は東西なんて無い。何処に南北なんつう物が有るのか」となるわけです。

 世間で通用している風習・習慣等が本当に人のために役立って必要かどうかは、あぁたの心・・心眼で判断しなさい。


 世間で通用している外見・一般常識等で判断するのでは無く、そのような「こだわり」を捨て、自分の心底奥に潜んでいる仏の眼で物事を判断すれば悟りの地に入れる・・というような事かな。」

と、わかったような、わからんような解釈説明をしたけれど、アカンかったでしょうか?、仏教をやってるエライ方々。

 あんまりにも、それらしい事を自信を持ってエラソーにサラサラ・・と言っちまうもんだから、オバハンは一区切り毎に「はんりゃあぁぁ~・・」と、うなづいて感心してくれます。中条駅舎内、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 あんまりにも素直に感心してくれたので、σ(*_*)もついつい嬉しくなっちまい、記念に納札を渡すと「これ、どこに置いておけば、ええんのかいなぁ」

 うむうぅ・・そお言われてみれば、四国ならば玄関にでも貼っておくのだが、四国から遠く離れた人が見た事も無い納札を貰っても、その処置をどうすれば良いかわからんかもしれん。

 「仏壇か財布の中に入れておくか、要らなかったらゴミ箱に捨ててもええですよ」と言ったら納得して、スーパーへ買い物に行きました。

 駅前の食堂で昼食にするつもりで、ドッコイショと立ち上がり100mほど歩いたら、後ろから声がします。

 何かな?と思って振り返ると、先程のオバハンが車から降りて走り寄り、スーパーで買った赤飯パックをくれました。

 あんらあぁ・・あんないい加減な解説をしちまったけれど、σ(*_*)を仏教者か、そのスジの何かだと思って接待してくれたんですねぇ。中条駅、「越後33観音霊場」只一人・紀行文

 四国遍路の作法通り合掌して「南無大師遍照金剛」を三度唱えて、ありがたく頂きました。

 中条駅前に着いてサラッと見渡した限り、駅前には食堂らしい店は見当たらず、オバハンが赤飯をくれなかったら、腹を空かしながらトボトボと食堂を探しながら歩いたかもしれない。

 中条駅の待合室で貰った赤飯を食べてると、あのオバハンが観音様の化身に思えてきた。

 今日の野宿場所は「道の駅・加治川」にする事にして、これから行っても時間が余ります。

 久しぶりに日帰り温泉にでも入ろうと思い、駅舎内に有る観光案内所のネーチャンに「これから行く道筋の国道付近に、日帰り温泉が無いか」と尋ねました。

 ネーチャンは電話を掛けたりして一生懸命調べてくれ、金塚駅から少し入った所に「貝塚温泉」というのが有ると教えてくれました。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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