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 最明寺・杉並木、「越後33観音霊場・只一人」紀行文  H23.5.19 巡礼  H23.6.29 UP


「越後33観音霊場・只一人」紀行文・完了

ヒメサユリ

         ひめさゆり、「越後33観音霊場・只一人」紀行文       ひめさゆり、「越後33観音霊場・只一人」紀行文
 「森町」付近に橋が有り、この橋手前に横へ逸れる道が有るはずなんだが・・と思い、地図を見直した時に丁度店先に出ていたオバハンに聞くと、少し手前の古びた堂の横道を行くのだった。

 横道の坂を上っていると、民家の庭先にピンクの花が咲いており、どうもこれがウワサの「ヒメサユリ」らしい。長禅寺付近、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 黙って勝手にデジカメで撮っちゃいましたが、ピンクの花びらの百合なんて、なかなか珍しいでんなぁ。

 この付近にだけ咲いてる名物らしいく初めて見ました。

 「長禅寺」の道端に案内看板が出ており、寺の案内かと思ったら「高城城跡」の説明で寺の事は書いてありまへん。

 大きそうな寺でしたが、見所も無いようなので寄りませんでした。

谷川地蔵

 五十嵐川沿いの高台を歩いてると、谷間の所にコンクリ小屋が有ります。谷川地蔵、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 村の消防団の小屋か何かだと思って通り過ぎようと思いましたが、念のため野次馬コンジョ出して中を覗いてみると地蔵さんが奉ってあります。

 ほほおぉぉ・・普通ならば小屋なんか造らずに雨晒しにしておくようなモンですが、わざわざコンクリ小屋にしてまで奉ってある地蔵さんとは・・・

谷川地蔵、「越後33観音霊場・只一人」紀行文



 しかも、室内には幟やら折り鶴がゴッテリ奉ってあるので、それなりの名の有る信仰を集めているのだろおと思って戸を開けたら・・・

 キャアアァァ~!!・・・戸を開けると同時に、蛾が1匹、ヨタヨタと外へ逃れ出てきます。

 室内の幟には「南無谷川地蔵尊」と書いてあり、地蔵さんの上の額には由緒書きが入ってますが、よぉ~読めません。


 後で家に帰って読もうと思って写真に撮りましたが、フラッシュでガラス面が光ってたり、旧文字で書いて有るので、しかも分かり易く短く書いてあればええのに、長ったらしく難解に書いてあるので、解読するのをあきらめました。

「越後33観音霊場・只一人」紀行文



 最後の行に「安永4?年 森町別当 己心庵」と書いてあるのだけはわかりましたが、だれかこの縁起を知ってる人がいたら教えてね。

 実は最初「長谷川地蔵」だと思って検索したのですがヒットせず、もお一度写真をよぉ~見ると「谷川地蔵」でした。

 「谷川地蔵 下田」で検索すると、今度は「三条市指定史跡」関連に少し記載してありました。

 中に奉納してある物を見ると、この地蔵さんの存在を知ってる人からは、かなりの信仰を集めているように思います。

33番「最明寺」

  最明寺・山門、「越後33観音霊場・只一人」紀行文   最明寺・山門彫刻、「越後33観音霊場・只一人」紀行文
 「熊に注意」の看板を見ながら、しばらくテクテク歩いてると、道端に赤い幟が立っているのが見え、また地蔵さんかな?・・と思ったら、そこが目指す33番「最明寺」の入口でした。最明寺・山門彫刻、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 山門が有って仁王さんも番をしており、正面の龍の彫刻もなかなか良く、周囲にも数点、何の縁起かわからんが精巧な彫刻が有ります。

 山門を潜ると、すぐにザアッ~と杉並木の一本道が続いており、これまた情緒が有って良いですなぁ。(一番上の写真)最明寺・本堂、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 最近は手入れするのがたいへんで、味気ない風景になっちまうのが多いけれど、まだせめて越後三十三観音の結願寺だけでも、このような情景を残していてくれて良かったと、つくづく思う。

 これで越後三十三観音巡りは終わりなので、観音堂ではケジメとして暗譜している全曲吹くつもりでしたが、疲れていたので三曲だけ立って吹奏し、残る三曲は階段に座って境内に向かって吹奏しました。


 曲を吹きながら、やっぱり思い出しますねぇ。
 歩いていた時の数々の出会いや出来事が・・涙こそ流さなかったが・・。最明寺・観音堂、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 想い出す数々のその瞬間毎に「これで終わった」という気持ちと、懐かしくも名残り惜しいという複雑な気持ち。

 これを達成感というのでしょうか、この気持ちだけは歩いて巡った経験が有る人でないとわからんと思う。

 今まで会津・信濃霊場を巡りましたが、その時は自転車・車などを利用していたので、巡り終えた最後の寺では、そんなに感慨は無く、アッサリと「終わっちゃった」でした。

 しかし、四国遍路した時と同じように、やっぱり歩いて全てを巡るのは、車を利用した霊場巡りとは達成感が一味違います。

 あっ・・別に歩く方がエライとか、何とか・・どうとかと言うつもりは全然有りませんので、誤解無きように。
            最明寺・観音堂彫刻、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

八木神社

 最明寺を出て、近くにある日帰り温泉「いい湯らてい」で越後屋が待っているので、そこに向かって歩いてると「八木神社」が有りました。

八木神社・鳥居、「越後33観音霊場・只一人」紀行文



 明日にでもゆっくり参拝する予定にしていたのですが、鳥居に「八木神社例祭」の看板がたっており、今日が祭りのようです。

 祭りの日に通ったのも何かの縁と思い、ついでに参拝する事にしました。

 「御手洗」に水がドンドコと惜しみなく流れており、手を洗い・口をすすぎ・・、ペットボトルが空でノドが渇いていたので、ついでにゴクゴクと飲んだら冷たくて生き返ったあぁぁ~。八木神社・境内、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 もう夕方近くだったので、祭りは終わったようで人影も無く、それでも拝殿には、まだ灯りが点いており、せっかく来たので一曲吹きました。

 尺八を吹いてる時に後ろの方でだれか来たよおですが、終わった後、振り返るとだれもおらず、拝殿の灯りを消しに来たのでしょう。八木神社、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 拝殿脇に有る狛犬のシッポに藁帽子を被せてありました。

 参拝を終えて鳥居付近まで戻ると、地元のオバハン二人が参拝に来たのと出会ったので軽く挨拶して通り過ぎました。

 でもねぇ・・オバハン達も会釈を返してくれたのですが、その時に顔を見合わせて「ウフフ・・」と笑って行ったんです。

 そか、やっぱり小汚い変わったカッコウしとると、笑われる対象になるんですねぇ。

いい湯らてい

 「いい湯らてい」へ行く途中に「八木鼻」という絶壁が有り、ここにハヤブサが住んでるそうです。

八木ケ鼻、「越後33観音霊場・只一人」紀行文



 「いい湯らてい」に入って越後屋を捜してると、見知らぬオババが「奥さんは、今風呂に入ってますよ」と教えてくれました。

 何で知ってるのかと聞くと、風呂で一緒になり話しをした時に、笠を被って作務衣姿のカッコウしているのと待ち合わせてると言ったそうで、休息室からσ(*_*)が歩いてるのが見えたそうです。

 うんうん、笠を被って作務衣来てたら、そりゃあぁ~良い目印で目立ちますわなぁ。
 なんつうても、先程オバハン達に笑われたばっかりだもん。

 風呂から上がって来た越後屋に聞くと、先程の教えてくれたオババも四国を巡った事が有るそうです。

 それならば納札の意味も知ってるだろおからと、記念に納札をあげたら、えらい喜んでくれました。

「いい湯らてい」と八木ケ鼻



 「四国遍路はバス巡礼で、巡礼中はどこの何という寺へ行ったのか、どこをどのように行ったのか、さっぱりわからなかった。」

 そおでっしゃろなぁ、言っちゃあぁ悪いが、バス巡礼は「ただ単に巡った」という証だけの価値しかないもんねぇ。

 そこには、苦労や道中の心配事・考える事も無く、全て計画通りにお膳立てしてあり、何の苦労も無くボオッ~としていても終わっちゃうんだから、巡礼して何かを考えるキッカケになったとか、人生経験が変わったというような事なんか無いと思う。

 テレビでやってるバス巡礼で心が洗われた・・なんて、全部ウソッ。「八木ケ鼻橋」より、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 「越後三十三観音巡礼バスが有るのは知っている。
 自分も巡りたいと思ってるが、四国でのバス巡礼で懲りたので、バス巡礼だけはしたくない。

 自分で巡っても良いが、納経帳を作るのに人が住んでない寺が有ったり、お寺の中にはオカシナ寺が有ると聞いてる。」


 オカシナ寺・・つうのは、ネットで見ると2寺ばかり該当するようですが、σ(*_*)が巡った時には、そんなオカシナ事は言われ無かった。

 たぶん納経帳を作らなかったので、寺の坊さんと話す機会も少なかったからだと思うが、もしオカシナ事を言われたら、たぶん四国遍路で鍛えた論調で徹底的にやっつけてたと思う。(^O^)回向・最明寺、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 オババにもう一人の連れが居たので、その人にも納札を記念にあげたら「こんな大切な物を、どのように扱えばよいのか?」と聞いてきた。

 「いや・・べつにそんなに大切にされるほどの物でも無いので・・
 不要ならばゴミ箱に捨ててもらっても良いし、気が収まらないのであれば、どこかの神社・寺の賽銭箱に入れてください」


 「玄関の入口に貼っておくと魔除けになるし、財布に入れておくと自分を守ってくれる」

 おぉぉ・・さすがバス遍路と言え、四国遍路をしただけあってオババは、よぉ~知ってるなぁ。

 しかし、これによって何も知らない人に納札を渡すのも考えものだと思い、こちらとしては記念のつもりで気軽に渡しているが、貰う方としては見慣れない納札の取り扱いに困るようです。

 「越後三十三観音霊場記只一人」紀行文は、これにて完了しました。

     

  巡礼期間 :約3年半   平成19年10月6日~平成23年5月19日
  実巡礼日数:42日間   野宿:13日(他の泊は、車中泊or自宅)

 


青い山脈、「越後33観音霊場・只一人」紀行文←前頁「青い山脈」へ   「越後33観音霊場・只一人」完


 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「阿字観」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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