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尺八を携え歩いた西国霊場 H17.6.18 UP


「東谷」より三国山・七越峠へ/西国33観音霊場記

 フラフラと「東谷」のバス停まで行くと、さっき追い越して行ったバスが停まっており、バスの運転手に三国山峠を越える山道を聞きましたが「知らない」と言います。「東谷バス停」より集落を望む

 はらあぁ・・三国山峠はあんまり有名でないんやろおか・・・

 バス停にある観光案内図を見ると、「文蔵の滝」経由の車道は書いてありますが、持っている地図に載っている山道は書いてありまへん。

 それでも地図に記載されてる、道をエッチラ・オッチラ・・歩いて行くと、ホントなら谷筋あたりに山道が有るはずなんですが見当たりまへん。

 谷筋に築かれた防砂堤に梯子がありましたが・・まさか、それ上って行くんじゃないやろなぁ・・・

 もう少し行くと人家が有るので聞いてみるつもりで行きましたが、留守のようで人気が感じられず、あきらめてバス停まで戻り車道を歩く事にしました。

東谷 越後屋の後姿と柿の風景が良かったので写真を撮ってると、側の柿畑で手入れをしていたバサマが話し掛けて来て

 「あんたらぁ・・どこ行くの?何たら観音なら、もうすぐ先の道を右へ行くんだよ。」と言ってきます。

 近くの目標としている「定福寺」へ行くと言っても、「何?その寺?・・・」という感じでどこの寺かわからんらしく、地名の「西大久保」と言うとわかってくれました。

 あんまりと言うか、この「定福寺」は、ほとんど知られてないよおでんなぁ。

 「それなら左の方へ行けばよい。何たら観音は右だから・・」と、何たら観音を引き合いに出して盛んに同じ事ばっかり言います。

 よっぽど、何たら観音は御利益が有り、訪ねて行く人は多いんやろか?
「文蔵の滝」を過ぎた付近
 礼を言って別れると「歩いて行くんやて、ホンマにえらいねぇ・・」と連れのオバハンと話してるのが聞こえました。

 なだらかな坂道でしたが、バサマが教えてくれた分かれ道付近から、上り坂の角度がかなり急になってきます。

 もおちょっと緩やかだと思ってたのに、これじゃ地図に書いてあった山道を歩いてたら、這って歩くような急坂だったかもしれず、この車道を歩いて正解だったかもしれん。

 途中に「文蔵の滝」まで歩いて3分と書いてあったけど、キツクてとても見に行く元気はありまへん。

 どうせ、歩いてる途中の道端からでも、チラッと滝が見えるじゃろおう・・と思ってましたが、最後まで滝は見れませんでした。ショートカットした斜面

 その代わりに通り過ぎて行った車の助手席のオバハンが、σ(*_*)らを珍しい物でも見るように、窓に顔を近づけ指差して見ていきます。

 その頃から、あんまりの急坂が続くのでキツク、通り過ぎる車に乗せてもらえんかなぁ・・・と淡い期待を持っていたのですが、だれも声を掛けてくれまへん。

 だいぶ坂道を上がった所で白い車がσ(*_*)らを追い抜いて行き、少しして頭上の山道を通るのが見えました。

 それを見て車道をこのままマジメに歩くより、土手を這い上がって道をショートカットした方が早いと思い、斜面に生えてる小枝・草に掴まりながらヒーコラ言って上って上の車道に出て、少なくとも長い道を歩くよりも、だいぶ短縮出来たと思う。大久保 付近

 久々に人家が有る所へ来ましたが、それでも急坂なんだよねぇ、これが・・・

 車道を歩いてさえ「ヒーコラ・・」言うんだから、ホンマに地図に書いてあった山道だったら、どんな事になってるかわからんかったと思う。

 「定福寺」に着く少し前から霧雨となり、寺に着くと雨に代わり本降りになりました。

 寺の軒下で雨宿りしながら早い昼食にして、時刻はすでに11時近く。定福寺

 晴れていたら見晴らしが良い所なんやろおなぁ。

 軒下で落ちる雨滴を見ながら、昔の旅人も、こんな風に雨宿りをし早い昼飯にし、これから歩く天候の心配をしたんだろなぁ・・・きっと・・。

 雨は小降りになったり霧雨になったりします。

 雨が止むのを待っていても時間が過ぎるだけなので、雨具を掛けて出発し、それからも坂道を上がって行きます。

 地図の等高線を見ると、麓よりだいぶ緩やかになっていますが、やっぱし坂道で、舗装された車道は車が一台も通りまへん。定福寺よりの車道

 三叉路で、うっかり真っ直ぐ行きかけたら越後屋が、右の道だと教えてくれます。

 見れば三国峠の標識が立っており、道路の反対側に地蔵さんも立って「みぎまきお」と書いてあり、下ばっかり見ていたら、あきまへんなぁ。

 霧のかかった薄暗い七越峠で記念写真を撮り、この峠へは別の道からも歩いて来れるよおです。

三国山鉄塔近くの祠霧の三国山道三国山道

 再びテレンコ・テレンコ・・・と歩き、インターネットで調べた鉄塔に着き、一つだけかと思ったら三つぐらい鉄塔が有ります。

 鉄塔近くの「何とか龍神社」という標識の有るチッコイ祠の階段で一休みし、出発しようとした時に向こうから一人の若い男性が歩いて来ました。

 簡単な挨拶を交わし、この三国峠越えの行程で唯一歩いてる人との出会いでした。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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