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 尺八を携え歩いた西国33観音霊場記   17.6.14 UP


三国山越えの案内犬/西国33観音霊場・歩き巡礼記

 西国33観音霊場の4番札所「施福寺(槇尾寺)」へは三国山という山越えをし、山の向こう側へ降りるまでには、どおしても一泊しなければアカン所なのです。平野 付近、西国33観音霊場記

 この山越え行程をどのようにするか、けっこう悩みましてなぁ・・

 最初の日は、ほんとはJR「西笠田駅」で野宿したかったのだけど、全くのプラットホームだけの駅なので、施設やトイレが無いのがわかりました。

 ガッカリしながら夕闇迫る道をトボトボと近くの道の駅「紀ノ川」まで歩き、その東屋でテントを張りました。

 この「道の駅」は高野山の町石道へ行った時や、今までの熊野古道巡りの際に数回、車野宿した所なので、なんか懐かしさを覚えます。名手上 付近、西国33観音霊場記

 翌朝、5時頃起きてバタバタと片づけ、7時頃「道の駅 紀ノ川」を出発。

 国道にしては、狭い1車線ほどの480号線に出て、あまり途切れる事なく人家が有る道を歩き、きっと昔の街道筋だったんでしょうなぁ。

 「平野」付近の道端で、缶コーヒーを飲んでたトッツアンに軽く挨拶したら話し掛けてきました。

 「先日、東京から来た若い女の子が、あんたらと同じく三国山越えすると言って、ワシとこの作業場で野宿させてくれと言ってきた。

 若い娘が、そんな所で野宿させるのもアレなんで、作業小屋に泊めてやった。
 翌朝、車で三国峠の車で行ける所まで送ってやった。」

等と話してくれます。西国霊場記

 σ(*_*)らのように、歩いてる人は多いか?と聞くと「いねぇなぁ・・・」

 そやろおねぇ、西国33観音霊場は四国88箇所霊場ほど有名でないもんねぇ。

 「広口」付近で、道の横で遊んでた2匹の犬が、σ(*_*)らを見つけ、低くウナリ声をあげて近寄って来ます。

 あっ!!・・こらっ!!・・来るんじゃねぇ!! あっちへ行け!!・・シッシッ・・と思ったのですが犬は別に吠えるわけでもなく、後ろを付いてくるだけです。

 四国遍路をした時に、犬に後を見せたら襲って来ると聞いてたんで、後に回らせたくなかったんだけど、近くに人家が有るし、犬と闘う事態に陥った場合は、人家に救いを求めようと思いながらヒヤヒヤしして歩いてました。
案内犬2匹、西国33観音霊場記
 やがて犬は先になって歩き始め、1匹目の茶色の犬は盛んにアチコチでオシッコして縄張りを主張します。

 もう一匹の白い犬はシッポをピンと立てて先導し、たまに、こちらを振り返ってます。

 越後屋が「ひょっとしたら、ありは案内犬でねえじゃろおか」 「あんまり先導されたくないなぁ」

 越後屋と、ブツブツ言い合ってると、家の中から別の犬が出て来たので、おっ、ケンカするかな?と思ったんですが、近所の顔なじみの犬のよおで、今度は3匹して遊びながら先導案内します。案内犬2、西国33観音霊場記案内犬、西国33観音霊場記

 それを見てると他の犬が来た時には、何となくこの白い犬が守ってくれそうな気がして来ました。

 この白い犬が一番カシコそうで、ボス的な存在のよおにも見えます。

 疲れたのでJA入口の階段で休んでいると、遊びながら先を行っていた犬が、どおしたのか心配して戻って来てくれ、他の2匹の犬はトットと家へ帰ったが、白い犬だけは近寄って来ます。二ノ宮中学、西国33観音霊場記

 義理堅い犬でんなぁ、頼みもしねえのに案内してくれ、お別れのアイサツまでしに来てくれるなんて・・・あんがとね。

 しばらく側に居ましたが、やがて元の所へ戻って行き、σ(*_*)らも出発しました。

 もうすぐ中学校のある「二ノ宮」付近に来た時、民家から突然放し飼いの犬が吠えながら勢いよく出て来ました。

 おっ!!・・これは、さっきの案内犬グループと違い、闘う気力満点の犬じゃな。

 なぜか今回は「相手は1匹、よかろう、相手にしてやろおじゃねぇの」と思ったんです。

 体の正面に両手で杖を縦にして構えると(後で調べたら「なぎなた」の下段の構えに似た形)、犬もσ(*_*)のやる気を感じたのか、そこで立ち止まって吠えまくります。二ノ宮 付近、西国33観音霊場記

 ヌハハハハ(^O^)・・・よっしゃあぁぁ、スキが有ったら、どこからでも掛かって来い。

 今まで歩いていた時、数多くの犬から吠えられ続けながらも、ガマンして来た恨みを、今こそ倍にして返してやるでぇ(^O^)ダハハハ・・・

 そこへ犬の吠え声を聞いた飼い主のオバハンが、犬を叱りながら家から飛び出てきて、σ(*_*)と犬の間に入り、手を広げて犬を通せんぼします。

 愛犬を助けたい一心なのか、それともσ(*_*)が弱そうに見えて戦っても負けると思ったからなのか・・・

 しかたがない、飼い主も出て来た事だし、今日の所は飼い主に免じて見逃してやる、オヌシも運が良い犬よのおぅ・・フッフッフッ・・・

 と思い、構えを解いて歩き出しましたが、なおも犬は飼い主の間をすり抜けて向かってこようとするので、その度にオバハンは通せんぼし、σ(*_*)も杖を構えて犬を杖先で牽制しました。

西国霊場記   東谷への橋、西国33観音霊場記   東谷へ、西国33観音霊場記

 犬もよっぽど遍路のカッコウしとる人間が珍しく、ぜひσ(*_*)に試合を申し込み、一手指南を受けたかったんでしょうなぁ。

 σ(*_*)も、今までと違って犬に弱味を見せると付け上がると思い始めていたので、珍しく犬と真剣に闘ってみるつもりだったのだが・・・杖先で犬を牽制すると、それ以上、犬は近寄れないよおです。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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