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  遍照の響き 台風時の海、四国遍路 H15/3/8up


遍路における霊の話あれこれ

佛海庵

 伏越岬からゴロゴロ海岸を歩き、最初の集落「入木」まで自販機や店・人家は無いので、日干しになったり、行き倒れにならんように食料や水を持って行きなせぇよ。佛海庵、四国遍路

 「入木」付近の国道から少し入った所に「佛海庵」が有り、室内には畳が敷いてあります。

 国道から少し離れているのと案内看板が無いためか、知らずに行き過ぎちまい、訪れる遍路はあんまり居ないようでんなぁ。

 昔は人が住んでたそおですが、今は無人で地元の人が管理しているのか綺麗に掃除がしてあり、訪れた時は夏だったので網戸も張ってありますが、地形のためか、あんまり風が通らず蒸し暑いんだよねぇ。

 だれも来ないので畳に座って、しばらく尺八吹いてると、地元のオバチャンが数人集まり部屋で談笑し始めました。

 参拝に来たのだと思い、曲が終わった時「邪魔でしたら止めますが・・」と聞くと、「いや、まだ時間が有るから、ええですよ。」と言います。「野根」方向のゴロゴロ海岸、四国遍路

 近所の婦人会の寄り合いでもする予定で、だれかが来るのを待ってるんかな?

 お言葉に甘えて、そのまま吹き続けてると、そのだれかが来たらしく、オバチャンの一人が小さい杖に輪っかが付いた物を「ジャン・ジャン・・・」と拍子を取りながら鳴らし始め経みたいのを唱え始めました。

 ふぅ~ん・・待ってたのは行者さんだったのね・・・そのうち、オバチャンの背中付近を「ジャン・ジャン・・」で叩いたりして加持祈祷しはじめます。

 さすが、そこまでやられると、これ以上厚かましく尺八を吹き続けるわけにいかんので、その一曲終えて退散しました。

霊の存在

 話は変わりますが、某寺において本堂・境内・滝場の三箇所で尺八を吹き終わった時、住職が話かけて来ました。入木海岸、四国遍路

 少し住職と話しをしてから、「自分が遍路しているのは、尺八を吹きながら響きの良い場所を探し確認しているのであり、ここで感じた事を正直に言って良いのか、どおか・・・」と言いながら

 「実はこの寺の3箇所で吹いた時に、一番気分が乗らなかったのが本堂で、その次が今居るこの境内、一番響きが良かったのは滝場だった」と伝えました。

 「もっとも吹き始めた順序がそれだったので、最初は音の出足が悪く、だんだん慣れて音の出が良くなったのかもしれず、自分のウデを棚に上げてるのかもしれまへんが・・・」

と言うと、そりゃあ・・・住職さんは・・怒るでっしゃろおなぁ・・・

 畏れ多くも、もったいない本堂が一番悪いとは、どおいうこっちゃあぁぁ・・!!
 本尊サマを、なあぁ~んと心得る!!飛び石地蔵、四国遍路

 そりゃ、オメエのウデが悪いに決まっとろおがあぁぁ・・!!
 修行が足りん・・顔洗って出直して来い!!・・何を考えとるんじゃ。

と、ボコボコに叱られて、ドツカレると思ったのです・・・が・・・

 住職は「実は自分も本堂の中に居ると息苦しく、まだ悪い霊が本堂に沢山残っている。

 そのためお勤めをしていても、どうしても気分が悪い時が有り、その時は滝場へ行って滝に打たれたり海に入ったりして清める事がある。

 また境内も、今は少しは良くなったが、まだ悪いのが残っている。

 ここで清められる所は、滝場と観音堂と○○の3箇所だ」
と言われました。地蔵鼻、四国遍路

 ううむぅ・・住職の言う場所とピッタシ当たっちゃったなぁ。

 そおなると・・ワシも尺八を吹いて遍路して来たもんだから、霊を感じる力が付いて来たんじゃろおか?・・・・それとも、単なる偶然の一致か・・・・こっちにしとこ・・・(^_^;)

 私は、霊の存在をまだ信じきっておりません。

 霊を話題にすると怪しげな方向へ行く可能性が有りますが、永年遍路をしてる人や寺の人にも霊の存在について聞いた事があります。

 たいていの人は背定し、中には自分は見えると言う人もいます。

 職業遍路Kさんは、「あちこちに見える。見えない方が、いらん心配せんで幸せだ。」「霊は遊んで欲しくて出てくるのだ」とも言います。

 で・・「遍路しとると霊力は付くのか?」と聞くと「やり方による」と言い、どんなやり方すりば霊力が付くのか聞き忘れました・・聞いておけば良かったなぁ。入木海岸、四国遍路

 家を回って托鉢してるという職業遍路Kさんは、家で加持祈祷をしてくれと頼まれる事が有ると要望に応じてやっており、バサマが便秘しとるというので加持してやったら自分が家を出た後、すぐに便意をもよおした・・と言うので、

 「それは自己暗示で、治ったんじゃねぇかと思うんですが・・」
 「そおじゃ。自己暗示じゃ。ワシは天下の詐欺師と言われとる・・・・・ハッハッハッ・・・・」と大声で笑います。

 しかし、自己暗示をかけて治すにしても、それなりの風格・自信・話術・技術を持ち、相手から、「この人なら永年修行さりた遍路サマだから必ずや治してくれるかもしんねぇ」という絶対の信用力がねぇとアカンから、やっぱり詐欺師の性質も必要なんじゃろおなぁ。台風の海、四国遍路

 ある僧職を持ってる人と話した時、 テレビで、よぉ~やっとる、何やらの祟りでキツネだかが憑いとる・・というのは「科学力で直せないものが1割、医者などの医療で治るものが2割、その他はすべて自己暗示で治る」と言います。

 また、自分は霊能力が有るという遍路と話した時は「人を見ればどこが悪いかすぐにわかる」と言いましたが、その時一緒に居た越後屋が、頭が痛く気分が悪かったのに、見抜けなかったんだよねぇ・・・具合が悪い目前の人間と話しとるのに・・・

 それにその遍路と話していて、今ひとつ仏教や霊の事について突っ込んだ事を聞くと、アヤフヤな所が有ったもんだから、「自分は霊能力者だ」と自ら言う人は信用してまへん。

 まだ自分で自己暗示だと認め、詐欺師じゃあ・・と笑う職業遍路Kさんの方が親しみもてます。

 一巡の時「庵の坊さん」に「尺八の音は、その場の空気を浄化(綺麗に)すると聞いた事が有る」と言うと、「ワッハッハッハッ・・・そんな事は無い。」と即座に否定されました。

 「庵の坊さん」は、有名な某所は人々の欲望の念や願いが渦巻いており、中に入っただけで息苦しさを感じると言いましたが、私もそこで尺八を吹いてみましたが、普通だったけどなぁ・・・・・。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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