HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 7 山そして海へ
H15/4/13up
神峯寺は、高い山に有りましてなぁ・・・けっこう急坂なんですわ。
麓のキレイな小川に沿って、車道をしばらく歩くと、やがて車道ながらも急坂のU字カーブやらS字カーブになります。
かなり登って、ボチボチ頂上付近かなぁ・・と思う頃に遍路道が有りS字カーブの車道を数カ所突っ切るように、真っ直ぐ登るような山道です。
やっと神峯寺の駐車場に着いたと喜んだら・・アキマヘンでぇ・・
そこから、もおチット急な坂道が、まだ有りましてなぁ・・でもまぁ・・駐車場からの眺めは下界を見下ろせて良い所でっせぇ。
神峯寺・山門を入ると境内には長い階段を有り、そこを上がって本堂へ行きます。
なんせ山の上なもんで、少しづつでも登ったり上がったりしないとね。
神峯寺境内の庭は、いつ来ても綺麗に手入れされております。
本堂よりさらに上に神社があり・・・いえ、そんなに遠い所でなく、すぐ真上です。
地元以外の人は、ほとんど訪れないようですが、けっこう古い神社で石垣も古びており、なかなか情緒のある所で、こういう場所が好きやなぁ。
さらにその山の上には、この世に異変が有ると「光る石」が有るそおですが、そのうち行く機会もあるだろお・・と思っとるうちに、ついに行かんかったなぁ。
三巡目の時、小雨模様だったので、しばらく神峯寺・納経所近くの接待小屋?へ断りもなく入って雨宿りし、ボケエ~ッと雨が止むのを待ってました。
初めは遠慮して、上がり間口に腰掛けてましたが、床の間に観音様?の掛け軸があり、その前に花も生けてあり落ち着いた風情です。
時間もある事だし・・・そのうち図々しく黙って上がり込み、その前でしばらく尺八を吹いてました。
ええなぁ・・・こんな空間・・・静かだし・・・
ここで尺八吹いとる生活を、毎日ずう~っと送れたらいいなぁ・・
寺の本尊さんの前で吹くより、よっぽど無心になれる。
しばらく接待小屋のベンチでモタモタしとると、接待所から「お茶をあげましょうか?」と声を掛けてくれました。
すんまへんねぇ・・・納経帳もしなく、小銭の賽銭しか入れてないのに・・はい、でもありがたく頂きました。
ここの鐘突堂脇に名水が惜しみもなく湧き出ており、地元からこの水を汲みに来る人も居ます。
神峯寺を降りて、国道をテクテクとしばらく行くとやがて「大山岬・道の駅」に着きます。
地図には載ってなく案内看板も無いのですが、そのほんの少し手前の道(たぶん旧国道)を海側へ行くと「地蔵洞」が有ります。
地蔵洞の上が国道なので、たいていの人は知らずに通り過ぎちゃうんだろおなぁ。
でも、そこには岩の洞窟があり、そんなに大きくはないんですが、たぶんお大師さまが修行されてた時代に、名も知られない人が、この洞窟でも修行されてたのでしょう。
ひょっとしたら、お大師様も、ここで修行されたかもしれまへん・・文献には出てないけど・・・・
この洞窟より少し旧国道を行くと、単なる岩の窪みとも見える浅い洞窟が有り、洞窟内部は人の手が入っておらず、ゴミが捨ててあり雑草も生えてますが、内へ入ると広く、この洞や隣の地蔵洞・・室戸の「みくろ洞」も、きっと昔はこのような洞窟だったと想像されます。
「みくろ洞」なんか地面が歩きやすいように、コンクリート打っちゃってたので、単なる広い大きな洞窟・・という感じだけになっちゃったが・・・。
地蔵洞の奥に小さい石仏が奉って有り、構造的にも響きが良いのではと思い尺八を吹いてみると、うん、なかなか良いなぁ・・・。
洞窟に入る前にウロついてた黒い小さい野良犬が、尺八吹いてる私の足下に入り込んだり、擦り寄ったり、かまって欲しそうにまとわり付きます。
そのうち5・6人ほどの団体が来たのが気配でわかり、チリ~ンという鈴の音やコソコソと「御詠歌と合わせりゃいいねぇ・・」と言う声も聞こえます。
やがて静かになったので団体も帰ったのだと思い、曲が終わって振り返ると、すぐ後ろに遍路姿の団体がズラッ~と立ち並んでました。
ビックリしちゃったなぁ・・もうだれも居ないと思ってたのに・・・すんまへんねぇ、終わるまで静かに待っててくれてたのね。
思わず「ども・・失礼いたしました」と言って頭下げてコソコソ出て来ちゃった。
地蔵洞から「道の駅」へ向かって歩いてると、さっきの野良犬が猛烈な勢いで追いかけて来てジャレつきます。
弱ったなぁ・・犬にやる食べ物も持ってないし・・・野良犬なのに腹減って倒れそうな感じが全然せず、先になり後になりジャレ付きながら、元気良く走り回って付いてきます。
ちなみに越後屋の方へは行かず、ワシの事・・よっぽど気にいってくれたんやろか?(^_^;)
このまま、付いて来られたら困るなぁ・・と思ってましたが「道の駅」付近までが犬の縄張りのよおで、どっかへ行ってしまいました。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
以下、広告です。