HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 11 高 知
更新up H15/5/14
国分寺から善楽寺へ行く2通りのコースは逢追峠で合致し、国道をそのまま行きます。
峠といっても、そんなにヒーコラ言いながら登るような坂ではなく緩やかな坂なので安心してくんなせぇ。
下り坂をテクテク歩くと左下に墓地がありますので、その中を通って行き、途中「お遍路さんが通る道です。キレイにしましょう」と墓地利用者へ書いた小さい立て札が有ります。
住宅街を通り抜け再び、国道にぶつかりますが、この付近から寺へ行く道がわかりにくいんでよねぇ。
車遍路したので、だいたいの位置がわかってるんですが、歩き用の道がどこにあるのか、よぉ~わからんのです。
一巡時は、そのまま国道を左へ行き、昼飯時だから腹も減ったので、その辺の小さい食堂に入り食事がてら聞こうと店へ入ると「これから出かけるんで、今日は休みです。」とつれない返事。
そいじゃ寺へは、どのように行けば良いか?と聞くと「どこからでも行けますけどねぇ・・そこの細い道を入っていったら着きますよ」
礼を言って、教えられた人家の密集しとる細い道を入って行くと、人家の庭先みたい所を通り、一宮神社参道にやっと出ました。
他の遍路にも聞くと、やっぱり迷うらしく、人の庭先を「すんまへん・・すんまへん・・ほんまに、すんまへん・・」と、ひたすら謝り続けながらたどり着いたと言います。
正解の道は、とにかく国道の向こう側へ渡り、その右へ数m先へ行くと人家が密集しとる中を車1台が通れるほどの細い道があります。
国道を渡る前の位置から見ると、対面にやや長い生垣が有るもんだから道が隠れており、まさかそこに道が有ると思わんので、たいていの人が道に迷っちゃうよおです。
車遍路でこの善楽寺へ来た時、5・6人の人が駐車場にたむろしており、バスでも待ってるんかと思ってたら、若いネエチャンが「お接待させてください」と言いながら菓子袋をくれました。
あんらあぁ~・・すんまへんねぇ・・・始めての「お接待」なので、車で巡っていても「お接待」を受けても、ええんやろか、全然苦労も何もしてないのにぃ・・・と正直、そん時は思っちまったなぁ・・でも、礼を言って受け取ったけど・・・。
そしたら頭を丸めた尼さんがリンゴ2個持って来て、やっぱり「お接待させてください」と言います。
「いや、たった今、もらいましたので・・・ありがとうごぜえます」と言ったけれど、「いや、かまわんから・・・」と、リンゴをくれました。
ワシ・・女性からモテるんやろか? σ(^_^;) ダハハ・・
他の車遍路の人なんか、接待を受けたのでお返しに、お金を渡そうとすると「そおいうんでなく・・・」言いあってるのが聞こえ、その人は「お接待」の風習を知らんかったらしい。
隣の広大な敷地に「一宮神社」が有り、聞く所によると参道の大きな山門は善楽寺のじゃなくて、一宮神社のらしいですなぁ。
次の竹林寺へ行くのに、高知市内の安楽寺を経由して行く人もおり、その人達は、たいていその夜は市内で宿泊するようです。
竹林寺への登り口は、安楽寺経由と、最短距離コースの2通りありましてなぁ。
1巡目は最短コースで行き、登り口の小さい酒屋脇の人家の密集した小道を行って山道に入り、やがて墓場の中を通って行きます。
それらしい山道を歩いて行くと、やがて公園みたい所へ出ますが、そのまま気にせんで標識に従って歩けばいいのです。
それでも、ここはどこじゃろ?と不安に思いながら行くと「植物園」内だとわかります。
なぜなら入場料を取る「関所」へ出ちまうんだから・・・。
その関所受付の人相風体を見定める人に
「すんまへん。遍路しとるモンですが迷ったらしく、断りもなく勝手に植物園に入りこんじめえました。
関所手形の持ち合わが無く・・関所破りは重罪と聞いており・・
このまんま・・冷てぇ石の牢屋に入れらりっちまうと・・・
国に残して来たカカァと3人の子供達が、腹をすかしてオラの帰りを、今か・・今かと・・・口を空けながら待っており・・・、
おでぇかんさまぁ~・・なにとぞお慈悲を・・・・おいくらでしょうか?」と泣くマネすると
「はい、どうぞ通って下さい」と親切にアッサリ言ってくれます。
ここの「関所」は親切でんなぁ・・はいタダでした。
別に泣くマネしなくても、遍路で通る人はタダのようです。
このコースは植物園の中を突っ切り、目の前に有る竹林寺へ行くようです。
三巡の逆打ちの時は、一巡コースの逆を行き、植物園の受付で「遍路しとるモンですが通らせてくんなせぇ」と言うと、やっぱりアッサリ「どうぞ」と通してくれました。
しかし、その後がアカンかったなぁ。
2年前に通った道なんだけど・・途中から、どうも道がちがうなぁ・・こんな風景じゃなかったぞ・・分かれ道が有り、その道へも少し行きましたが遍路札が有りません。
迷った時の鉄則で、覚えの有る所まで戻りましたが、どおしてもわかりません。
ひょっとしたら、この土手を上がる道じゃねえかなぁ・・と思う所が一箇所有ったんですが・・・
まぁいいや・・麓までたいした距離じゃねえし、この道も車道のようだから、どっかの麓に降りるだろうと思って、そのまま道を下り、麓の人家の犬に吠えられながら、どえらい遠回りしました。
二巡目の時は、安楽寺コースの高知市内から車道を通って登るコースを行きました。
そしたら、車道を少し行った所に急カーブが有りましてなぁ・・・そのカーブの所に、いかにも遍路道らしい小道があるんです。
これが寺へ行く遍路道やろか?・・・と迷いながらも少し行きましたが、遍路札を注意しながら探しても無いので違うと判断し、再び車道に戻りました。
次のカーブを曲がると、立派な遍路標識が有り、そしてやっぱり墓の近くを通り竹林寺の裏門に着きます。
竹林寺の庭園は見応えが有ると聞いてたので、拝観料を払って見てきました。
なかなか良い庭で池を眺める時、少し下がって見ると池の上に建物が建っているように見えるとテープの説明が有りました。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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