HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 高知-19 仏 縁
H15/7/25 UP
七子峠へは「そえみみず越え」の他に「奥大阪越え」も有ります。
「奥大阪越え」は、久礼町内を突っ切って郊外から川沿いに沿って進み、広い車道をテクテク・・・ほとんど車は通らず、ええでんなぁ。
「そえみみず越え」の印象があるので、この車道もいつか登り坂になるじゃろおなぁ・・と思ってましたが、田園風景から山沿の風景へ入ってもズウッッッッ~と平坦な道です。
この道の突き詰めた最後の集落と思われる所で、車道から畦道より少し広い道を行きますが、これもキツイ事はなく、途中に「七子峠」へ行く「四国の道」の看板があり、その山道を行きます。
登り口からの山道は、今まで平坦な道を楽して歩いてきたもんだから、それなりの傾斜があります。
しばらく登ると途中に小さい滝というか・・水の流れ落ちてる所があり一休みしました。
そしたら、あぁたぁ・・今登ってきた麓の山道からエンジン音が聞こえ始め、何じゃろと思ってると自動二輪のバイクが2台登って来ましてなぁ。
はらあぁぁぁ・・人がやっと通れるような狭い山道を・・・
よぉまぁ・・・バイクに乗って来はったわ・・・物好きな・・
途中で、つづれ折れの道もあったろうに、コンジョ出してはるなぁ・・・と思いながら、ヨロヨロと走り去るバイクを見送りました。
しばらく休んで、ボチボチ出発しようかな・・と思ってたら、さっきのバイクが戻って来て、小川の付近で転びそうになりながら去って行きます。
山道にバイクの轍の跡が残っており、しばらく行くと「くの字」に急に曲がる所で滑った跡があります。
あんらあぁぁ・・・さっき休んでた時「ブウァア~ン、ウアァ~ァン・・」とエンジンの大きい唸り声が聞こえたと思ったのは、きっとここで転んだのやろねぇ。
ガソリンの臭いもしてたので、転んだ時にチビットこぼれたのかもしれん。
その先の道にはバイクの轍跡が無かったので、バイクの人達は、きっとあそこで諦めて引き返したのでしょう。
しばらく行くと、丸太で土留めした階段が現れ、この階段と登り上がる最後の箇所が、もんの凄くキツク・・・なんせ、今まで楽して登って来たもんだから、峠の中腹より峠まで一気に登って行く感じです。
山道は、それほどでもなかったのですが、この階段の所にはマイッちまった。
バイクの人達も、バイクで上れんかったろおなぁ・・・良かったねぇ、引き返して・・・
この最後の階段箇所さえガマンすれば、「そえみみず峠」「国道」を通るよりも、この「奥大阪越え」の方が楽な気がしますが、いかがでっしゃろおう。
階段を上りきると七子峠の見晴らし台の所へ出てきます。
そこからの見晴らしが、これまたもんの凄く良く、今まで通って来た奥大阪越えの山谷が見渡せまっせぇ。
岩本寺の手前に「あぐり窪川」という「道の駅」があり、一巡の時に歩いた時は冷たい雨が降っており、雨具を着ていても濡れちゃったなぁ。
「道の駅」の東屋で雨宿りしようと思いましたが、風雨のため座るベンチもビショ濡れ・・。
それでも雨が直接当たらないだけでもええか・・・と雨具のまま座り「寒いのおぅ・・」と言って休んでると、男の歩き遍路が来たので席を勧めて少し話をし、こちらが先に出発しました。
お互い区切り打ちで一期一会、この遍路とは二度と再会しないと思ってたのです。
しかし、区切り打ちしながら数ヶ月後、雲辺寺の遍路道で一緒になったグループと一息を入れて休んだ時に「そえみみず峠」の話しになりました。
どのコースを通ったかと話していると越後屋が「あっ・・この人・・道の駅で休んでた人じゃないの」と言い始め、相手も「どうも話していると、時期的にも良く似ているし、そおではないかなぁ・・と自分もそう思ってた」と言います。
奇遇ですなぁ・・お互いに打ち合わせした訳でもないのに、こおいう事もあるんですねぇ。
この時も納札の交換をせず、名前も聞きませんでしたが九州・福岡から来たと言ってました。
二巡時の早朝、岩本寺へ行く途中、少し遠回りになりますが高岡神社へ行きました。
標識に従ってテクテク・・・・T字路で、たぶんこの大きい橋を渡るのじゃろおけど、標識が見あたりまへん。
橋から真直ぐな一本道、その先に神社の森らしいのが有るので行ってみると正解でした。
神社が一つかと思ってたら、広い敷地に・・と言っても小さい山のようですが、五つ神社が有るようでんなぁ・・・3カ所しか行かなかったけど。
田園に囲まれた静かな場所で、高岡神社もそれぞれ、それなりの大きさでした。
帰りに橋を渡り先ほどのT字路で、もう一度標識を探すとガドレール際の草むらの中に、遍路看板が落ちてました。
きっとガドレールに縛ってあったのですが、永年風雨にさらされて杭の下部が腐って倒れたのでしょう。
岩本寺へは8時頃に着いて本堂で尺八参拝してると、20人ぐらいの団体が入って来て参拝しました。
実はこの団体の一人の老婦人が、後日、地元新聞の投稿コラムの欄に「尺八のお遍路さん」という題で投書されたようです。
岩本寺での参拝した時期・出来事的にも合致しており、そいでもって尺八吹いてる者は、そんなに居ないので、たぶん私の事でしょう。
投稿内容は「岩本寺へ早朝、団体遍路で参拝しに行くと、どこからともなく尺八の音が聞こえ、その事を仲間と話しながら本堂に入ると、片隅で一人の遍路が静かに尺八を吹いていた。
尺八の音と共に経を唱えて気分良く参拝でき、今回のお四国では一生忘れない気持ちだ」
という主旨で、最後に
「・・今日はどこの札所でお唱えしているだろうか。
それぞれに苦しいことを胸に秘めてのお四国です。
岩本寺でのたった十分ぐらいのことでしたが、あれが極楽ということではなかろうかと、あらためてお大師様にお礼を申し上げております。」
と締めくくってありました。
はい、おばあちゃん・・・今も区切りながらですが吹いて巡ってますよ。(^_-)
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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