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安和から七子峠へ行く途中に、焼坂峠越えがあります。
人によっては、次の「そえみみず峠」越えの方が有名なので難所と思ってる人が多いようですが、「そえみみず峠」は、思ってるほどキツクなく、オトロシイ所ではありまへん。
むしろ、この焼坂峠越えの方が距離は短いですがキツク感じました。
なんせ途中に鎖を這わせてある所が在り、それに掴まって登った所が有りましたからなぁ。
でも焼き坂峠頂上からの下りは、ゆったりとした道で、なかなか気分の良いええ道でっせえ。
この「焼坂峠」「そえみみず峠」の山越えを避けて国道を通るという事もできますが、国道だけは止めといた方がええです。
この国道区間は完全に車専用の道なので
車が轟音を撒き散らして、カーブを曲がるし・・主要道路なので通行量も多いし・・、
歩道もないし・・・トンネル内は暗くて、幾つもあるし・・・
途中に民家・売店は無いし・・休む所も無いし・・・
と、いくつも「し・・」が付く所なんで、国道を歩くのは止めといた方が良いです。
他の人にどのルートを通るか尋ねると、半数の人が国道を通ると答え、残りはたいてい「そえみみず峠」と答えるので「ここの国道だけは止めといた方がええでっせぇ。そえみみず峠か奥大阪越えにしなされ」と勧めています。
しかし、ここへ来るまで歩いて来た国道状況の経験から大丈夫と判断され、半信半疑の目で見られるんですよねぇ・・・ワシって信用されないのね・・・
でも、ワシらも一巡の時は事情を知らないもんだから「そえみみず峠」という名に恐れをなし、どうしょうかと迷ったのは確かです。
その時は小雨が降っており、草刈り奉仕の事も書いてあるので、どんな草深いオトロシイ所か・・
遭難して新聞にでも出ちまったら、どおすべぇ・・・と思いましたからなぁ。
でも、でえじょうぶ・・三巡の逆打ちの時、地元のオバハン達が健康と散歩がてら、ダベリながら歩いてるのに出逢いましたから。
峠道なので登りは有りますが、今までの遍路道のようなもんで、心配するほどの事ではありません。
なんせ、昔は馬も通ったよおですが、馬も大変でしたろうになぁ、汗を拭く事もできず。
道を歩いてる時に、たまに歌謡曲や尺八曲のフレーズを思い浮かべる事がありますが、さすがに山の遍路道では歌謡曲よりも尺八曲の方が合いますねぇ。
家で尺八を吹いてる時も、たまに遍路して巡ってた時の風景が思い浮かび、この曲を吹いていた時は、あんな所で、あのような事が有ったとか・・とか・・
寺で吹き始めた最初の頃は、目を開けていましたと・・言っても、半眼という感じですが・・・でも、目からは、どおしても「色」の情報が直接に入りまんなぁ。
般若心経に「眼耳鼻舌身意」と書いて有りますが、これは「色」の情報の入り易い順番を表しているそおで、いい加減に適当な順番で付けた「当て字」では無いらしいです。
その中でも「眼」だけは五感の中で、唯一自分の意志で「色」の情報をシャットアウト出来るものらしいです。
その事を知ってはいましたが、眼をしっかり開けてこそ修行じゃ・・・それに惑わさたらアカン・・・と思っていたんです。
しかし、いつとはなしに、吹いてる時には自然に目を閉じるようになりました。
「眼」を閉じても次に書いてある「耳」等から「色」の情報が入りますが、これは仕方ありまへん。
某寺の坊さんに「悟りとは、どんな事か? 悟ったら、どおなり、どんな状態になるのか?」と尋ねた事があり「何があっても動じなく、何に対してもこだわらなくなる。それが悟った時の状態だ。」と答えてくれました。
皆の衆、悟っちまったら、どこに有るかわからん極楽へ行けたり、光輝く仏さんに会えたり、蓮の花の上に座れるのと違いまっせぇ。!(^^)!
目を閉じて尺八を吹いて曲にのめり込んでる時でも、耳から周囲の状況が入ります。
しかし、その状況がわかるという意味あいだけで、軽く「そんな状況なのか・・」と受け止め、それに対して、どうしょう・こうしょう・・と以前ほど、そんなに真剣に考えず、流れにまかせようという風になりました。
最初の頃は、もんのすごく周囲が気になって、しょうがなかったけれど・・・ワシ・・悟ったんやろか?・・それとも単なる慣れか?(^O^)
吹いてる曲想の一つに、「人々は何ゆえ憎しみ・・・はたまた、これほど苦しんでるのに、なぜ神仏は助けてくれないのか」という、どうしょうもない怒りや不満を、神仏へぶつけると言うか・・・怨嗟の思いを込める・・・・そんな曲想のフレーズが有ります。
もっとも、そのフレーズの正式な解釈がわかりませんので、CDを聞いて自分勝手に感じ想像したものなので「このような表現なのかなぁ・・」と思っとるだけであり、ほんとは違うのかもしれまへん。
今もこのフレーズの表現が、どおしても出来まへん。
修行が足りず苦労もしなく、楽な方へばっかし行っとるからやろなぁ。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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