HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 高知-21 挫 折
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今まで山の中を歩いてましたが、土佐佐賀からは久しぶりに海沿いを歩き、「これが太平洋じゃあぁぁ~!!・・」という風景がドッカ~アァ~ンと表れます。
「白浜」付近を歩いてると、消防署の人が堤防沿いに何往復もして走って体を鍛えており、たいへんでんなぁ・・・・暑いのに・・
久々の海の景色をボケェッ~と眺めてると飽きず、特にこの白浜海岸線は砂浜が有り、岩も有って変化にとんでおり、ええ景色の所です。
「灘」の小さい公園に東屋の休憩所があるので一休みし、椅子に座って昼飯を食べながら目前にある公園の小山を見ました。
何でこんな所に、何のへんてつも無い、面白くもないような小山を作ったんじゃろ?
工事で余った土砂を捨てる所が無いので、こ有り井川こに積み重ねといたのかなぁ・・と思ってましたが、どおも鯨の形をイメージしとるようです。
そこからは国道の「井の岬トンネル」を通って行くのですが、この休息所より海沿いに岬をグルッと廻って「有井川」へ行く事も出来ます。
トンネルが出来る前は、きっとその海沿いの道を通ったのでしょうなぁ・・車幅ぐらいの道で、景色もええでっせぇ・・・
なお地図の駅が「JR東大方駅」となってますが、それは誤記で「有井川」が正しいです。
しばらく行くと広い砂浜の海岸が見え、遠くに足摺岬が霞んでるのが見えると、よぉ~まぁ、ここまで歩いて来たもんじゃと感激にひたります。
他の遍路に聞くと、たまに高知県の室戸付近で、ぼちぼち歩くのがイヤになる人もおるよおです。
あの辺は、単調な海岸線で、しかも国道ばっかしだから面白くなく、飽きが来て時間的にも里心が付き、家で寝転がって楽な生活が懐かしくなったりする頃です。
そいでもって高知市へ来ちまうと・・・、
久々の大都会で、ネオンは輝いてるわ・・(^_^)v
キレイなネエチャンは居るわ・・・(^O^)
パチンコ屋は有るわ・・!(^^)!
おまけに交通の便も良いもんだから、ついついフラフラと挫折して帰っちまう・・・という人もいるようです。
まぁ・・・無理しなくて帰られてもいいけど・・・もったいない。
二巡の時、神峯寺付近で話した遍路が、「何のため歩いてるんだろ・・・もう、イヤになって、わからんようになった」と当初の目標ちゅうか、目的を忘れっちまって、今にも帰りそうな事を言います。
「今が一番ツラくて、そう思う頃です。 ガマンして足摺岬まで歩いてみなせぇ。
足摺まで行けば、必ず何かがチビッとわかりますよ。」
「ほんとに、わかりますかねぇ・・(不安そうな顔して)」
「でぇじょうぶ。安心しなせぇ、私もそうだったから。
愛媛県に入る頃には、あぁたぁが遍路しようと思った何かが、きっとわかりかけて来ます。
無理して先を急ぐ事なく、ゆっくり歩いてみなさい。」
と無責任にも、煽り立て叱咤激励しちまったが、あの遍路は、ここから遙かに望む足摺岬を見ただろおか・・・ここから足摺岬を見る事もなく、途中で挫折した人も居るだろおなぁ。
「入野分岐」は松原のある大規模公園で数匹のニワトリが遊んでおり、放し飼いなのか、だれかに捨てられちまったけど、図太く生き抜いとるのか、わかりまへん。
この大規模公園を海岸沿いに行くと、すぐに馬の牧場?があります。
普通ならば高原あたりに馬が居ても不思議はありまへんが、ここは海の近くだし海水浴でもするんか?と思ってると、ホンマに海水浴させるためらしいです。
競走馬を休養させるらしいですなぁ、そいでもって海を泳がせるらしいです。
二巡の時、馬の手綱を持った太ったトッツアンと行き違い少し話しましたが、シャツ等が濡れてポタポタと滴が落ちていたので、馬と一緒に海水浴したのでしょう。
後日、あのトッツアンが馬と一緒に海に入り泳いでるのがテレビで放映されてました
以前は淋しげな寂れた道でしたが、三巡目に行ったら立派な道に変わっており、入野松原の道もすっすり整備されちまってました。
「双海」分岐にはコンクリートブロックで出来たバス停があり、たいていの遍路は「やれやれ・・」と、このバス停で休んだ事でしょう。
二巡の時に休んでると近所のバサマが来て寿司パックを接待してくれました。
聞けば、ここで野宿した人も居るようですが、チッコイ百足がカサカサと遊び回っており、目立たないように住んでるようなので、ここで野宿する人は気ぃつけなさい。
この「双海」より「四万十大橋」と「下田」の渡し船コースに分かれ、1・2巡の時は「四万十大橋」コースを歩き、三巡逆打ちの時は「下田」コースを歩きました。
「四万十大橋」コースは、いずれも真夏のアッチイ時期で「ヒーコラ・・」言いながら歩きました。
一巡の時は四万十川畔に有る東屋へやっとたどり着くと、リュックやら何かワケわからんモンが所狭しと一杯広げて干してあります。
人影が見あたらず、なんじゃこれは・・だれかが捨てていったゴミか?・・・と失礼な事を思い浮かべてると、やがて二人連れのアンチャンが来ました。
聞けば、最初は知り合いでもなんでもなかったのですが、お互い逆打ちしていて何回も会っており、今晩はここで一緒に野宿すると言います。
「おぉぉ・・スゴイでんなぁ・・・逆打ちは大変でしょう。」
「そおでもなく、道を間違ったら戻るなり、道を探せば済む事・・・」と軽く言います。
テレビドラマでの遍路の逆打ちは、もんのすごくタイヘンそうな設定になってますが、後日、私も逆打ちしましたが、それほど大変だとは思いませんでした。
入口や曲がり角を忘れる事もありましたが、一度通った所は所々見覚えが有り、まぁ・・・1年くらいのギャップしか、なかったからかもしれまへんが・・・。
でも一度通った所を歩くと、休んだ場所とか何かの出来事が有った場所は、よぉ~覚えてまんなぁ。
どんな、くだらん些細な事でも・・・(^_^;)
特にその場所で、だれかと出会い話した時なんかは、そこへ来るまで完全に忘れていたのに、その場所へ来たとたんに次々とその時の情景が必ず想い出されます・・・不思議なもんでんなぁ。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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