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  遍照の響き 三原村へ、四国遍路 H15/9/13 UP


本尊を拝みたくない不信人者と螺旋状の悟り

三原村へ

三原村へ、四国遍路 三原村へ、四国遍路 三原村へ、四国遍路
 下ノ加江川に沿う三原村方面への道は、車1台が通れるような車道ですが、ほとんど車も通らず、もちろん歩いてる人とも滅多に出会いまへん。

 しかし、私は遍路道の中でも、一番好きな道の一つなんです。三原村へ、四国遍路

 川に沿う静かな道は、やがて杉木立などの山に入り、次々と表れる山々が深山に入って行くように景色に変化します。

 目障りなCMの看板が一つも見当たらなく・・なあぁ~んか・・昔の風景そのまんまという感じがしましてなぁ、住んでる人は、大変かもしれまへんが・・・

 一巡の時、この閑散たる道を越後屋にワシの杖を持たせて先に行かせ、しばらく尺八を吹きながらゆっくり歩きました。

 ええでんなぁ・・・こんな生活・・ズウッ~としたいなぁ・・(^_^)v

螺旋状

三原村へ、四国遍路  三原村へ、四国遍路  三原村へ、四国遍路
 遍路して巡っていても、今もって信心が足りんもんだから、どおしても本尊さんや仏像を心底から拝む気にはならんのです。

 単なる芸術品・もしくはその物体というようにしか思えんず、まぁ・・・他人の前では、不敬な事はしておりまへんが・・・三原村へ、四国遍路

 三巡時、某寺の住職にその事を話ました。

 「自分は、寺の本堂・大師堂で尺八を吹いているが、それは行き掛かりでやってるだけであり、正直言うと堂内の本尊さんや大師像の前で、信仰心が有って吹きたくて吹いてるのではない。

 その場所の響き具合がどおだろおか・・というのを単に確かめているだけである。

 もっと本音を言えば、本堂・大師堂よりも境内の静かな所とか自然の所で吹きたい。」


 そしたら住職さんは
 「な・・なにを言うか・・・このバチ当たり目が!!
 畏れ多くも、もったいない御本尊サマの御前を・・・」
と怒鳴られるのが普通でしょうが、この住職はワシの言い分を聞いた後三原村へ、四国遍路

 「悟って行く時の行程は、螺旋状のようにグルグルと回りながら少しづつ上がって行く。
 あんたは、その螺旋を一つ、一周した上の段階へ行ってるのだ。」


 ゲッ!!・・・σ(*_*)・・悟りとか、そんな大それた事なんか、これっぽっちも思ってなく、σ(*_*)の考えの間違ってる所を、ガツーンと正して欲しかったんだけどなぁ。

 「あぁたが言われるように、なにも本堂等で吹く事は無い・・かと言って、最初に本堂等で吹きもせずに境内等で吹いちゃうと、他の人がそれを見ていた時「なんじゃアイツは・・・」と思うだろう。」

 「へい・・そおなんですわねぇ。」

 「まぁ・・本堂などで吹くのは形式的と言えば形式的かもしれんが、今まで通りの、あんたのやり方で良いから、そのままやり続けなさい。」 と言ってくれました。三原村へ、四国遍路

 この住職さんは、通りすがりの遍路が自由に書きこめる雑記帳を作っており、ある遍路の長々とした理屈っぽい書き込みの問いかけに対し「すでに悟われてしまっている本尊様に向かって、何故お経を唱えるのですか?考えてみてください。」という主旨の答えを書いてました。

 これと関連するかわかりまへんが、ある人が「某寺の本堂へ入った時から息苦しく、経を唱えるのもやっとで、もうあの寺の本堂へは行きたくない」と「老遍路」に言うと、その時の状況を聞き

 「今度その寺へ行った時、その堂の本尊の裏へ回り、裏からただ単に合掌してみなさい。
 経を唱えずとも良い。何も願わなくても良い。 何も考えず、裏からただ合掌するだけで良い。」


と教えてくれ、その人は裏から本尊に向かって合掌すると、以前のような息苦しさも何事もなく、すんなり合掌出来たそおです。

 何も前からばっかり拝まんでも良いよおでんぁ・・・(^O^)

三原村

 やがて山の風景が「三原村」集落に入ると、店の近くに立っている大木が見え始め、看板と碑があり、読んでみると平家の落人がここら辺に住みついたようでんなぁ。三原村・たぶの木、四国遍路

 一巡時は夏の暑い盛りだったので、店で100円の氷水を買ってガリガリッと囓ると・・・・テテテッ・・・余りの冷たさに頭が痛い・・・でも暑さは引いて行った。

 この時はバイクを置かせてもらってたので、その日の行程をそこで終えるつもりでしたが、思ったより早く着き、まだ時間もあったので、もう少し歩こうとバイクを押しながら歩きました。

 途中でそれを見た村人が、ガソリンが無くなって押しているのだと思って声を掛けてくれ、もう少し先に自分の家が有るから、そこでガソリンを分けてくれると親切に言ってくれます。三原村より、四国遍路

 丁寧に礼を言い、こおいう事情で押しているのだと説明し、バイクをノロノロ押しながら歩いてると、やがて村外れに小さい神社が有りトイレもあったので、そこでその日は終わりにしました。

 翌日、三原村を過ぎると、やがて牧場があり牛さんがヒマそうに突っ立っており、σ(*_*)もヒマだったので、ウシさんに手を振ってあげました。

 ウシも、あの人間は何をアホな事やっとんじゃ・・という目で見てくれ、その中でも子牛だけは最後まで見送ってくれました。

 親ウシは、いい加減アホらしくなってソッポむいたのに・・子牛は素直じゃのおぅ・・ヨカッタ・・よかった・・・・


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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