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H16/2/7 UP横峰寺よりの遍路道・展望、四国遍路


尺八「心の内面」に気付く

横峰寺より

横峰寺よりの遍路道、四国遍路 横峰寺よりの遍路道、四国遍路 横峰寺よりの遍路道、四国遍路
 横峰寺から香園寺への遍路道は、最初は車用の道を降りますが、少し降りた途中より車道横に有る階段へ入り、いかにも遍路道という風情の山道を歩きます。

 この道を香園寺側から上がる時は、ヒーコラ言いながら上がるのでキツサがあり、景色を眺める余裕なんか無いかもしれまへん。

 しかし、横峰寺側からの下り道は、自然にゆっくりと歩けるので、遍路道から風景が見下ろせ、いかにも高い山へ上ったんだと満足感を味わえます。
横峰寺よりの遍路道・展望、四国遍路 横峰寺よりの遍路道、四国遍路 横峰寺よりの遍路道、四国遍路

香園寺・奥の院

 遍路道を降りると、やがて舗装道路にぶつかり、その道を香園寺へ向かってテクテクと歩くと、途中に香園寺「奥の院」が有ります。横峰寺よりの遍路道、四国遍路

 舗装道路から外れるように「奥の院」へ向かって少し行くと、谷川に赤い橋が架かっている道と二手に分かれ、橋を渡ると小さい滝が有る行場に着きます。

 滝が見える手前に、ちゃんと小さい小屋があり、そこで行をする人は着替えたりするんでしょうなぁ。

 小さい滝の上には不動明王と二人の何とか童子が配置されており、名水なのか御利益が有るためか、地元の人がけっこう水を汲みに来ていました。

 一巡の時、時間があったので、着替え小屋近くにあった椅子に座り、滝を見ながら尺八を吹いてました。

 水を汲みに来る人がたまに側を通りますが、あんまり気にならず、その頃になると尺八を吹くのに少し度胸も付いて来たんでしょう。

 そのうち中年の夫婦連れが水を汲みに来て、オバハンの方は信心深いのか、ちゃんと滝の側に設置されている蝋燭立ての蝋燭に火をつけ賽銭も入れ、滝に向かって手を合わせ大声で経を唱え始めます。横峰寺よりの遍路道、四国遍路

 でも、トッツアンの方はσ(*_*)と同じく信心が足りんのか、滝側で水を汲むとトットと帰っちゃっいましたが、オバハンの方は経が終わっても動かず、そのままの姿勢で滝に向かって手を合わせてたたずんでおります。

 曲を吹きながら見るともなしに見てましたが、えれぇ~熱心に拝んどるなぁ。

 よっぽど何かあったんやろか・・・その曲が終わって時間があるので、もう数曲吹いて終わりにしました。

 先ほどの信心深いオバハンも拝み終わったのか、こちらへ戻って来ます。

 椅子に座って尺八の手入れをしていると、オバハンが通り過ぎる時に「尺八を聞いていて、涙が出てしかたがなかった。」と言うので、見上げるとオバハンの目は真っ赤です。香園寺「奥の院」・滝、四国遍路

 遍路してσ(*_*)の尺八を聞き、涙が出たと言ってくれた一番最初の人が、このオバハンでした。

 自分の吹く尺八に涙を流させる力があるなんて事は、それまで全く思った事も有りまへん。

 そおいう事象が起きるのは、その道のプロ級の人でないとアカンと思ってたので、それを聞いた時は何かの間違いでは?と思っちまった。

 なんせ、その時に吹いた数曲は、まだ暗譜してない未完成の曲だったので楽譜見ながら吹いており、ほんまに練習のつもりだったのです。

心の内面

 尺八界のある人から「本曲は、自分本人の曲である」という言葉を聞きました。

 洋楽と違って「本曲」は、ある程度まで自分が感じるまま、思うがまま吹奏する自由さがあり、人によって同じ曲を吹奏しても、ずいぶん曲想が違う感じがします。

 それ故に、自分の心の内面をどんなに隠していても、聞く人が聞けば、心の内を手に取るように見られてしまうらしく、オトロシイでんなぁ・・・。

 しかし、このオバハンの涙を流してくれたという事実を初めて目の前で見た事により、今まで頭の中でしか理解できていなかった、尺八を吹く人の「心の内面」という意味がわかりました。香園寺へ、四国遍路

 以後は遍路しながら「尺八を吹くと、聞く人に自分の心の内面が出て来る」という事を真剣に考えるようになりました。

 まだ書いてまへんが、同じく一巡時の長尾寺で、涙を流して聞いてくれた中年夫婦の奥さんの涙を見た時には、さらに尺八を吹く時に「心の内面」を深く考えるきっかけになったのも確かです。

 最近になって、ようやく「庵の坊さん」に「頭で考えるな。心で考えろ。」とドヤシつけられた意味がわかり、「本曲を吹くと自分の心の内面が見えて来る・・・・」という意味も少しだけど実感してきました。

 二巡の時、この「奥の院」入口付近の道端でテント張って野宿しましたが、付近には灯りも無く真っ暗で、車も通らず静かすぎるほどで、チト怖かったなあ。
 


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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