HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 4 正 見
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弥谷寺へは、車の交通量が多い国道脇をテクテク・・・
途中「妙音寺」というのが有り、音楽とも縁が有るような名前の寺なので寄ってみました。
「山門が壊れるかもしれんから注意せい」と書いて有る山門を通り、あんまり遍路も来ないような小さい寺でしたが、境内には綺麗な椿の花が咲いてます。
弥谷寺から逆打ちして遍路道より少し外れた所に某駅があり、その駅を目指して歩いてる途中に野菜等の「無人販売所」が有りました。
そのような無人販売所とは知らず、何の施設やろおぅ・・と思いながら「疲れたなぁ・・ジュースでも買おう」と思って入って見ると、ロッカーのような物がズラッ~と並んでます。
はて?なんじゃろぉう?コインランドリーかな?と思い、ロッカーを見ると箱が幾つも有り、扉の説明書を読めば、100円入れると箱の扉が開いて中の品物が取れるシステムで、ようやく無人販売所だとわかりました。
品物を見ると値段的にも安い・・と思いながら見て回っていると、どこから湧いて出て来たのか、トッツアンが現れて「どおです?ええでしょう。 こおいう無人販売は、ここにしか無いんですぜぇ。」と自慢気に話し掛けて来ました。
「はぁ・・安くて、ええですなぁ。地元に有ったら絶対に買いに来るんだけどなぁ。」
「そおでしょう。 ところがねぇ・・さっぱり人が来ないんですわ。」
そおやろおねぇ・・σ(*_*)もこれが店どころか、農協の物置かと思って入ったんじゃから、そりゃあぁ~他の人も、わからんのも無理ないと思う。
トッツアンは、この店の品物が産地直送で、いかに安くて新鮮なのだと説明しますが、地元の人間でないワシに説明されてもなぁ・・それよりも、ジュースを飲みたいんだけど・・
あんまり真剣に力説するので
「あのおぅ・・おでぇかん様ぁ~・・失礼ながら、この店を見て私が思ってる事を言って良ろしいでしょうか?
怒らないでくんなせぇ。
正直言いますと、ここが店なのか農協の建物なのか、さっぱりわかりまへんでした。スンマヘン・・」
「だって車道の所に看板は出てるし、店の壁にも食料品の絵とか、無人販売とかデッカク書いて有るから、わかるでしょうが。(-_-;)σ ナニ ミトンジャ」
「しかし・・・おでぇかん様ぁ~・・・・それは、おでぇかん様だけの感覚でごぜえますだ。
お客である村人や町の衆から見たら、どのように見えるでっしゃろか。?
たとえば道端の看板・・・これ・・車を運転していて、何が書いてあるかわかると思いまっか?
何か書いて有るのはわかっても、何が書いてあるかを読むヒマもなく、通り過ぎっちまいますぜぇ
それと入口壁に書いてある絵・・ぎょうさん、魚やら野菜やら肉やら書いて有りまんなぁ。」
「そや・・これを見たら食料品を売ってると、わかるでっしゃろがぁ。」
「あのぉ・・おでぇかん様の気持ちは痛いほど、この越後屋にも、よぉ~わかります・・へい。
しかし、あんまりにも絵が一杯ゴチャゴチャ書いてあって、よおわかりまへんなぁ。
そのため「無人販売」の字が絵に埋もれて、溺れちまっている感じがします。
もおちっと、絵の種類を少なく、字を大きくしてアピールした方が、ええと思いますだ。」
「これ・・・描くのに金を掛けたんやけどなぁ。(T_T) ナク・・」
「それとねぇ、販売しとるロッカーの位置が悪いですわ。
車道から見てもロッカーの正面が見えず、何が置いてあるか、わかりまへんでぇ。
車道からロッカーの中身が見えるようにしないと・・」
「そんなの、この駐車場の中に入ったら、わかるでしょうが。ナニ イッテマンネン」
「おでぇかん様ぁ・・だから、それは自分だけの独りよがりの感覚でごぜえますだ。
もっと村の衆の立場を考えて、ネングを取り立てるようにしないと・・
車道から見て何を売ってるのか、わかりもしないのに、村の衆はわざわざ駐車場へ入って来て確かめますやろおか?」
「このロッカーも、けっこう金掛けたんやけどなぁ。(T_T) フタタビ ナク」
「おでぇかん様は、四国で始めての無人販売だと言ってましたが、実は他にも無人販売やってる所があるんですよ。
高知県の国道沿いに、リンゴ箱のような所に野菜入れて、ビンとか小箱に100円入れるのが有りましてなぁ。
品物が置いてある箱の中身は、全部車道側に面しており、車の中からでも品物が何か?というのがわかるので、一度、御視察に行ってみなせぇ。」
「うむぅぅぅ・・・」
と入れ知恵らしきものをして、ジュースを飲むのも忘れて別れましたが、今度行った時まで、あの無人販売所は有るやろか?・・あのままだと間違いなくツブレてると思う。
自分の考えが理屈を付けて絶対に正しいと思っていても、部外者が見ると「おかしい」思う事が、よぉ~けい有り、仏教の「八正道」の中に「正見」という言葉があります。
世の中を見渡すと、昔から伝わる常識・当たり前と思われ、それが正しいと思われている事でも、ひょっとしたら、それは間違っており、そのため人知れず苦しみ悩んでる人々が居るかもしれまへん。
ワシも含めてですが、ホンマに物事の本質を見抜き、正しく見とるんやろか?
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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