HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路二巡・17 片鱗
H20.9.21 UP
団体さんが、先達さんに率いられてお経を唱えてます。
はよ終わらんかなぁ~・・・と口開けて待っており、やっと終わりました。
団体さんは、ゾロゾロと次ぎの大師堂へ移動しますが、10人ほど残ったオバハン達は、まだウロウロしてます。
なんじゃ?・・入れ歯でも落としたんか?・・
皆、もう行ったぞ・・・と思ってると、御詠歌を詠い始めました。
今まで、オバハン達の御詠歌の合唱?は、何度か聞いた事があり、これは、これでなかなかエエモンです。
年はとっても、オバハンも女性ですわなぁ・・ソプラノで綺麗に聞こえます。
が・・・この時、たった一人だけですが、それこそテープでも流してるんか?と思うほどの声で詠ってました。
御詠歌やってるグループのだれかが、節回しを、よぉ~わからんので、テープ流しながら詠ってるんかと本気で思いました。
しかし、そのグループの中の、だれか一人が詠ってたんです。
マイクやスピーカも無いのに、境内中に響くような透る声で・・・
合唱や楽器やってる人なら、わかると思いますが、腹の底から声を出してました。
初めてだったなぁ・・・あんな素晴らしい御詠歌聞いたのは・・・
極楽の天女さんも、あんな風に詠うんだろおなぁ・・・
別の寺では読経が聞こえました。
そりゃあ・・寺ですから、いくらでも経を唱えるのは聞こえますわなぁ、ボソボソ小声で言うのやら、節をつけて唱えるのやら・・・
しかし、この時に聞いた読経は、声明・・・というのか・・・いかにも永年修行を積んだ、年期の入った坊さんのような読経で、とてもシロウトとは思えません。
深い霧の中から聞こえてくるような低い声で、それでいながら重圧感の有るというか、落ち着きの有るというか・・・なんちゅうて表現して良いかわからんような・・・
今まで、数々の読経を聞くとは無しに聞きましたが、何となく重みが無く、義理で唱えてるように感じでした。
これじゃあ、アリガタみも少ないんでねぇかと、いらん余計な心配しとったです。
しかし、これは本物の声明・・・聞いてると反省努力しようかなぁ・・・という気持ちになります。
見渡しても、さっき話しをした歩きの若いアンチャンが参拝しとるだけです。
まさかなぁ・・あの20代のアンチャンがなぁ・・・と思い参拝し、σ(*_*)らが大師堂で参拝し終わるのを待って、あのアンチャンが大師堂で参拝し始め、読経の主は、やはり、あのアンチャンでした。
戻って来た時に聞いてみると、やっぱし僧籍に入った事があったそうです。
どちらの人も、名前を聞かなかったですけれど、遍路していると世に隠れた、知られざる人の優れた片鱗を見ることがあります。
01/11/19記載
上記の「御詠歌」「読経」の詳細については、第一章「愛媛 11 賛美歌」・「愛媛 7 加持力」に記載してあります。
実はあのときに御詠歌が、あんまりにも素晴らしかったので、尺八と合わせてみるとどうかなぁ・・と思って、大師堂でオバハン達が再び御詠歌を詠うのを、わざわざ待って尺八を吹いてみました。
普通ならば他人が参拝している時は尺八を控えるのですが、この時はどうしてもチィッと試してみたかったんですなぁ。
で・・その結果は?・・・というと・・・全然アカンかったです。(^O^) ダハハハ・・
御詠歌の音の高さと尺八の音の高さが合わず、もんのすごくオンチに聞こえ、尺八が御詠歌のジャマをしているように聞こえました。
途中で気づいて、アチャアァァ・・失敗したなぁ・・と思いましたが、途中で止めるわけにもいかず、そのまま吹き通しましたが、あのオバハン達に悪い事しちまったと今も反省しとります。
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