HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 高知-20 祈 り
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三巡逆打ちの時、市ノ瀬付近を歩いてると向こうから薄汚れたカッコウの二人連れの遍路が来て、一人は足を痛めているのかキツそうに歩いてます。
挨拶しながら、なにげなく「足が痛そうですねえ」と声を掛けると、「連れがカゼひいており、自分達は3日も食事してなく水だけで過ごして来た」と言います。
見ればかなり年季の入った白衣に経文みたいのが一杯書いてあり、カゼひいとるという連れは80才ぐらいのジサマです。
うむぅ・・そりゃあ気の毒に・・ワシラは、着く所へ行けば飯を食えるんじゃから・・と思い、
「私の後ろから、やっぱり逆打ちしとる遍路が歩いてる来ると思うが、もし良かったら、その人にも少し分けてやってください」と言いながら、持っていた食料を全部渡しました。
ほんとは、その逆打ちしていた遍路を追い越した時にも挨拶したのですが、無愛想に軽くうなづくだけなので、話したくないのだと思ってそのまま追い越したのです・・で、失礼ながら、やっぱし薄汚れたカッコウでした。
食料を渡すと経文・白衣の人は、赤色の納札をくれたので、見ると高野山の寺名と名前が書いてあります。
それを見た時に、本か何かで、この人の紹介記事を読んだような気がするなぁ・・・と思いましたが、あえて確認せずに別れました。
国道の某所を歩いてる時、脇道の側にA4大のベニヤ板で作った立看板を偶然見つけ、何が書いてあるんだろと好奇心で読んでみると
「私は長い間病んでましたが 川奥のお宮の東の神様にお参りして お助けをお願いして治りました。
みな様もお参りして お願いしたらどおでしょう」とマジックで書いてあります。
近くの昼食にした店で「あの付近に神社か祠が有るのか?」と尋ねると、最初は「有ったかなぁ・・」という感じでしたが、そのうち「そお言えば小さい祠が田圃の中にあったなぁ・・・」と言い、あんまり地元でも知られてないようです。
そやろねぇ、あの立看板は最近立てたようで新しかったもんなぁ。
それに、もっと大きい看板にしないと、たいていの人は見逃すでぇ。
あれを最初見た時は、正直言うと「ゴミ捨てるな」という看板かと思っちゃったもんねぇ。
もっとも、あんまり有名になり過ぎちゃうと
人がワンサカと押し掛け、お守り売り場は出来るわ・・
土産物屋が立ち並ぶわ・・
駐車場で車をぶつけるわ・・・
納経所での順番争いをするわ・・・
子供は泣くわ・・
犬は吠えるわ・・
となっちゃったら神社に住んでる霊も、イヤになってどっかへ逃げちゃうだろおしぃ・・今のままヒッソリと目立たない方が良いかもしれまへんなぁ。
看板を見た時、そこからどれくらいの距離がわからなかったので行きませんでしたが、聞けばそれほど遠くないようなので次回は行ってみようかな。
この看板を立てた人は、きっと真剣に神仏に祈りすがったのでしょう。
私は「庵の坊さん」から祈りについて聞いていたので、巡っていても何の願いも祈りもしません。
その事を某寺の坊さんに言うと「ううむぅ・・もったいない、ほんとうは祈った方が良いのだけどなぁ・・」と言われた事があり、これは今後の私の課題だと思います。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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