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巡礼日 2014.11.21 掲載日 2015.3.26
「南伊豆歩道」のキツイ坂を上がり、「アァレェ~・・」と言うような、滑って海に落ちそうな所も何カ所か有って車道に出ました。
「千畳敷」の標識が有りましたが、だいぶ下まで降りなくてはアカンようで、往復すると今度は上がりがキツクそうであり、時間も足りなくなりそうなのでヤンピ。
昔はそこから遊歩道が有ったらしいが「通行不可」となっており、舗装道路をテクテク・・と歩きましたが、これがまた長かった。
途中チラッと「千畳敷」が見えましたが、木枝が茂っており全体が見えず、チビッと伐採してくれたら良い景色が見れると思うのだが惜しい。
車道から「南伊豆歩道」への標識が有り、ここも竹が茂り過ぎて、せっかくの景色が見れず、ひじょうにモッタイナイ・・再び惜しい。
南伊豆歩道は「入間」漁港に出て、「伊豆国横道33観音霊場」の30番札所「海蔵寺」へ向かって適当に歩いたら、いつものように狭い道に入り込んじゃい、素直に漁港から広い道を歩いて来れば良かった。
札所「海蔵寺」もすぐにわかり、越後屋に「先に行ってるように・・」と言い、σ(*_*)はバス停の場所を探しに行き、これもすぐにわかりました。
しかし・・バス時刻を見ると2時50分頃に出ますが、それを逃すと4時過ぎまで無い。
しかも・・しかもですよ・・・行き先が「中木」で、車を置いてる「下賀茂」行きではありまへん。
あちゃあぁ~・・今から「中木」まで歩くとなると5時頃になり、途中で疲れのため遭難しちゃい死んじゃうかもしれん。
これが夏のように日中の時間が長い時ならば、コンジョ出して歩くのですが、今の時期は一番日が短く、日没は4時半頃で暗くなります。
間違いであってくれ・・夢なら覚めて・・・と思いながら、近くの車に居た人にバスの事を聞くと、地元の人では無く、それでも親切に知り合いだという近所のオバハンに聞いてあげると連れて行ってくれました。
オバハンが言うには、ここ「入間」から「下賀茂」へ直接行くバスは無く、「中木」からしか出ないと言います。
よっぽど車の人に、「下賀茂」方面へ行くならば乗せて行ってくれないか・・と頼もうかと思いましたが、札所「海蔵寺」での参拝時間を待ってもらうのは気が引けます。
二人に礼を言ってると、越後屋が「いつまで待っても来ない」とモンク言いながら来ました。
ええいいっ・・うるせぇ・・こっちは、「下賀茂」まで帰れるか、どうかの瀬戸際で、泣こうか、どうしょうかと迷ってる時なのにぃ・・・
越後屋に事情を言うと「それなら、そのバスに乗って、とにかく「中木」へ行き、時間がかかっても「下賀茂」へ行って、車でもう一度この札所「海蔵寺」へ来たら良い」と提案します。
あっ!!・・おぉぉ!!・・エライッ!!・・その手が有ったか!!、改めて惚れ直し・・・・は、しなかったが・・・
今までモンクしか言わなかった越後屋が、初めて良い事を言い、バス出発時刻まで15分ほど有り、ぎりぎりセーフ。
もう少し遅く着いてたならば、4時過ぎまで待たねばアカン所だった。
やがて、だれも乗ってないバスが来て、運ちゃんに聞くと「そのまま乗っていれば、中木経由で下賀茂へ行く。」と教えてくれ、ホッ・・・助かったぁ。
バスを降りる時にも、「道の駅へは、川沿いの桜並木を通って行けば少し近い」と教えてくれました。
バスに乗りやっと「道の駅」の有る「下賀茂」に着き、置いてた車に乗り込んで、再び「入間」に有る「伊豆国横道33観音霊場」の30番札所「海蔵寺」へ着いた時には夕暮れが近づいてます。
「海蔵寺」山門へ行く途中に四角の洞窟が有り、野次馬コンジョ出して入ったみましたが、石仏と墓らしい物が数体置いてありますが、よぉ~、わからんので、だれか知っていたら教えてね。
参道を歩くと脇の草むらに、やたらと座って手を合わせているバサマの石像が置いてあります。
その一体毎に、ヨメにイジメられたバサマが、そこに埋まってる等の、カワイソーなバサマ伝説でもあるのでしょうか?
札所「海蔵寺」本堂入の口正面に大きい天狗の面が飾ってあり、もおチット埃を払っておけば見栄えがするのにぃ。
縁側には、古そうな色が剥げちまった「ブンブク茶釜」の置物が置いてあるのか・・捨ててあるのか・・
「海蔵寺」本堂の戸が開いたので入ってみると、物を一杯広げて有る中に、ジサマ住職が座り机の前に居ました。
挨拶して、参道のバサマの石像の事を聞いてみると「お多福」で住職奥さんが信仰しているらしく、賽銭箱の横にもチッコイ「お多福」さんが手を合わせて座っており、その説明が長々~・・と有ったが、区切りの良い所を狙って尺八参拝をしました。
尺八参拝が終わると住職が「夕暮れの風景と尺八の音は、良いですなぁ」と誉めてくれ、「自分も尺八をやったが挫折した」と言います。
ほほおぉぉ・・尺八をやる住職は、たいてい臨済宗関係の人が多いのだが、この寺もそうなのかな?、これを書いてる時に調べて見ると、やっぱりそうでした。
聞いてみると尺八を挫折したのは、あまり音が出来なかったためらしい。
ううむぅぅ~・・だれかに教わるか、教えてくれる人が居なかったのならば、もおちっとガマンして尺八を吹き続けていれば良かったのにぃ。
その後、由良・興国寺、国泰寺、東福寺等の話から普化宗の話になり、さすが尺八を挫折しても、よぉ~知っており、よっぽど虚無僧尺八が好きだったんでしょう。
「あんまり知られていない、普化と禅の話しが有ってなぁ・・」と言い始めます。
おぉぉ!!・・・世に知られていない逸話でも聞かせてもらえるのか、さすが寺関係の人は違うなぁ。
と・・思ったら「棺桶に入ったら居なくなっており、その時に尺八の音が聞こえてきた・・」という話で、虚無僧尺八をやってる人ならば、たいてい知っている程度の話でした。
もっとも、今まで遍路・巡礼で数知れずの坊さん達と尺八の話をした事が有りますが、そこまで知っている人は居なく、この住職はよっぽど虚無僧に興味が有ったのでしょう。
札所「海蔵寺」を出ると、「入間」集落は夕日が沈む黄昏時でした。(一番上の写真)
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