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巡礼日 2014.11.24 掲載日 2015.4.20
自転車に乗って下田市内に入りましたが、40年前は、こんな広い一直線の道は無かったような気がするのだが・・・
「文化会館」を通り過ぎ・・「伊豆国横道33観音霊場」の24番札所「泰平寺」はこの辺だが・・と思って人に聞くと、すぐ近くの石畳が敷いてある道だと教えてくれました。
おぉぉ・・確かに石畳が敷いて有り、知らん人が見れば高級住宅へ行くような感じで、突き当たりは塀で囲まれた現代的な建物です。
どこに寺が有るんじゃ?と思い、塀を見るとどう見てもお金持ちの住宅を思わせ、アヤシイモンを寄せ付けない雰囲気を漂わせています。
越後屋が「この寺では参拝したくない、なんだか拒絶しているようだ。」と言い、まぁ・・確かに白壁で囲まれて、扉もキッチリ閉まっていれば、そんな風にも思うわなぁ。
「シュロの木」付近に通用口?が有り、そこの扉に「観光及び一般の方へ」の看板が有り、早い話が「檀家以外の一般客は断る」と書いてあります。
へえぇぇ・・こおいう事を、はっきり書いて参拝客を拒否する寺も珍しいなぁ。
当然σ(*_*)らは、信心の足りん一般客なのだから頼んでもアカンと思い、「朱印はインターホンで・・」と書いてあるが朱印もしてないし、わざわざ頭を下げて頼んでまで中へ入りたいとは思わない。
「泰平寺」通用口の所に、金ピカのチッコイ観音さんと賽銭箱が有ったので、一般客は、ここで参拝するのね・・と思い、納札を取り出して参拝準備をしました。
それを見た越後屋が「こんな所で、参拝するのか・・」と不満顔で、省略してトットと次へ行きたそうに言います。
「そんな所でも、こんな所でも「中に入るな・・」と拒絶するならば、意地でも入らずに外の門前で参拝するんじゃ。」
実は以前から拒絶されて入れない寺が有った場合は、その門前で尺八を吹いて、寺の姿勢を問うつもりでしたが、幸い?今までそのような寺は有りませんでした。
ホントの事を言うと西国霊場のように拝観料を取る寺で、そのようにしてやりたかったのだがなぁ・・
そんな事を言い合ってると、坊さんが出て来て「二人だけなら、中へ入っても良いです。」と言い、あらっ・・ケンカしてるのが、中まで聞こえたかな・・・(-_-;)
でも、一般人はアカンのじゃないの?・・と思ったが、せっかく言ってくれたので、お言葉に甘えて入りました。
σ(*_*)が納札を手に持っていたもんだから「千社札を貼ったらダメです。」と言うので「いえ・・これは納札です。」と答えたが、千社札と納札の違いがわからんようでした。
「泰平寺」内に入ると現代的な建物が有り、これのどこが寺?・・という感じで、どちらかと言うと「現代美術館」と言った方が分かり易い。
真ん中の建物まで案内され、ガラス戸前の賽銭箱で参拝準備を始めると、越後屋が読経し始めたので、坊さんが安心したのかパンフレットを持って来ました。
両手で尺八を捧げ上げて参拝しようとした時、ガラス戸の後ろに立ってる坊さんが写っており、こいつは、これから何をイカガワシイ事を始めるのか・・と、心配してるようです。
よっしゃあぁ・・それならば、ひとつ坊さんの度肝を抜いたろ。(^_-)
尺八を吹き始めると、周囲がコンクリ・ガラスなもんだから、もんのすごく響きが良かった。(^O^)
参拝が終わると「ここで初めて、尺八を吹いた人を見た。」と坊さんが話しかけて来ました。
尺八を入れてる袋が、千社札を高い所に貼る道具だと思い、貼られないように監視してたらしい。
「何とか寺で法要があった時にも、尺八を聞いた。」
「臨済宗か?」 「そうだ」
「臨済宗には尺八を吹く坊さんが、たまに居ますね。 「泰平寺」は新しいようだが、いつ立て替えたのですか」 「4年前」
「こんな事を言ってはアレですが、「泰平寺」をこのような現代的な建物にしたら檀家からモンクが出ませんでしたか?」
「モンク言うのは50歳代の人で、他はモンク言わない。
自分は建築家なので、臨済宗の形式にのっとり、このようにした。 そのかわり無駄を省き、瓦の飾りもない。」
言われて見ると、屋根はシンプルで無駄な飾りが無く、普通ならばデカイ鬼瓦でも乗せる所だが・・
「右建物(客殿)の壁には、般若心経が波間に浮かぶようになっている。」
ほほおぉぉ・・どんな様子なんだろ・・気弱な性格なので見たかったけれど言わなかった。
「左のチッコイ堂(釈迦堂)に本尊さんが有るので、中を覗いて見てください。」
あんまり仏さんには興味が無いのだが、せっかく言ってくれたので義理で覗いてみました。
ところが、真ん中の本尊さんなんかは、どうでも良かったが、壁に描いてある「椿の花」が浮き出てるように見え、あっ!!・・と驚いた。
ホンマは写真を撮りたかったのだがなぁ・・やっぱり気弱な性格なので言わなかった。
これを書いてる時に調べると、ブログに掲載されていました。
ブログの写真では室内の照明が点いてますが、σ(*_*)が見たのは照明が無く室内は薄暗かったのですが、それでも、それはそれとしての味わいが有りスゴイ作品でした。
個人的感想を言えば、照明が無い方が良いかもしれん。
「この寺は、観光客には来てもらいたくない。 あなた方のように、参拝する人とか檀家以外は拒絶します。(キッパリ)」
あっ・・やっぱり聞こえてたんだ・・
「観光寺にすると、タバコの吸い殻を捨てられたり、ウルサクされたりして、そんな事に煩わされたく無い。」
うむう・・気持ちは、よぉ~わかりますが・・・それにしても「椿の花」が、あまり世に知られず埋もれてしまうのは惜しい。
「この寺の落成式なんかも、やりたくなかったのだが仕方なくやった。」
ある意味、既成仏教とは離れた、四国の庵の坊さんと同じような感じを受けました。
「何で建築家になったのですか?」
「「坊主でも手に職を持っていた方が良い」と言われたから・・」
礼を言って自転車の所へ戻ると、坊さんが追い掛けて来て、ジュース2本を差し入れてくれました。
よっぽど尺八を吹いて参拝したのが、気に入ってくれたのでしょう。
観光客拒絶・・近代的建物の寺・・・よっぽど信念を持った気骨の有る人でないと出来ないと思う。
σ(*_*)のように気弱な性格で、情に流され易い人物ではアカンじゃろなぁ。
次の札所へ行くのに川の有る道を行き、今は土産物屋が立ち並んで居ますが、昔は飲み屋街の通りで良く来ました。
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