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 柿崎付近より米山方面、「越後33観音霊場・只一人」紀行文 H20.4.15 巡礼     H21.11.11 UP


柿崎駅でニセ坊さんの説法/越後33観音霊場・只一人

ニセ坊さん

「江島新田」付近、「越後33観音霊場・只一人」紀行文柿崎、「越後33観音霊場・只一人」紀行文信越本線と日本海・柿崎、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 「柿崎」へ向かってテクテクテク・・・朝の通勤のためか車の通りが多く、歩道が無いので車が来たら道端に避けて通り過ぎるのを待ちます。

 「柿崎」に入り国道8号線を通り過ぎて歩いてると、向こう側を自転車を押して歩いて来たジサマが、わざわざ近寄って来て「あんたぁは、坊さんか? 修行しなすってるんかね?」と聞いてきます。

 うむうぅ・・よくぞ見破った・・ジサマ!!、さすが年の甲羅を重ねているだけある。(^O^) ワッハッハッハッ・・

 作務衣を着て杖を持ち、笠にワケのわからん字が書いてあるのを見れば、そこらの農作業用の笠とは違うからなぁ。

 「巡礼みたいもんです」と答えて、これから行く越後33観音霊場の札所「大清水」へ行く道を聞くと、「「竹鼻」より100m程行った所に車幅の道が有る」と教えてくれました。

 σ(*_*)としては、地図で見当をつけている道が昔から有る道なのかを確認したかったんだけれど、そんな難しい事をジサマに聞いてもわからんじゃろおしぃ。柿崎橋、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 地図見せても、なおさらわからんじゃろおと思い、それ以上聞くのは止めました。

 「大清水へ行くなら、国道を行った方が近いんでねぇかなぁ」
 「いえ、柿崎駅で一休みするつもりなので・・」と言って別れました。

 しっかぁしぃ・・ここら付近の人は、よぉ~坊さんと間違えてくれるなぁ・・ニセ坊主なのにぃ。(^O^)

 柿崎駅へ行く途中、久々の海岸風景・・・

黒川神社・柿崎、「越後33観音霊場・只一人」紀行文彫刻・黒川神社・柿崎、「越後33観音霊場・只一人」紀行文 彫刻、黒川神社・柿崎、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 「柿崎橋」付近にチッコイ「黒川神社」が有り、通り過ぎるつもりでしたが、本殿の欄間に彫刻がしてあるのが見えたので寄ってみました。

 欄間の彫刻は、だれだか知らんジジイが、エラソーに松の根本に腰掛けており、その足下で靴を差し出してる武人?の図柄です。

 モウロクしたジジイが靴が脱げちまったので、通りかかった若いアンチャンに「靴を拾え」と言いつけ、アンチャンは何をエラソーに、このクソジジイが・・と思ったのですが、その日は「敬老の日」だったので、仕方なく拾ってやったのだと思う・・たぶん・・。

柿崎駅にて

 柿崎駅のベンチで一休みしていると「やっ・・道に迷われたんか?」と声を掛けられ、見れば先程の自転車を押していたジサマで、家で着替えたのかヨソ行きの背広を着ています。柿崎駅、「越後33観音霊場・只一人」紀行文

 話し好きなジサマで、σ(*_*)の前でウンコ座りしながら、北海道へ連絡船に乗って行った話しをし始め、聞き取りにくいので、よぉ~わからんが「うん、うん」と適当に頷いて聞いてるフリをしました。

托鉢

 そのうちに、話しが飛んで
 「長野駅前で黒衣を着た坊さんが雨に打たれながら托鉢しており、カワイソーなので100円やったら、何か聞き取れない言葉を言う。

 「今何と言ったんですか?」と聞き返すと「あなたに良い事が有りますように・・」と言うんですがなぁ。

 自分は坊さんに「良い事」が有るようにと100円やったのに、反対に自分の方に「良い事がありますように」と言うとは・・あんなエライ考え方(他人のために祈るという考え)は、自分には出来ない。たいしたもんだ。」
と盛んに感心してます。

 うむ・・托鉢とは、本来そおいうモンなのだが・・・と思ったが、ジサマは感心しとる世界にドップリと酔ってるので黙っていた。

月輪観

 それから話しがまた逸れて「名古屋の空海さんが居る寺に泊まって・・どうのこうの・・」と言い始めます。

 はて?名古屋に「空海」に関する、何か遺跡みたモンが有ったかなぁ?・・と思い、「それ、ひょっとしたら高野山でないでっか?」と言ったら「おぉぉ・・そおじゃ、そおじゃ・・」と笑いながらあっさり認めました。

 「そいで高野山の宿坊に泊まったら、あそこの坊さん達は月を拝むのじゃなぁ。」

 ん?・・月を拝む?・・枯れススキとダンゴを飾ってか? 十五夜のウサギさんでもあるまいし・・あぁ、そか・・それは「月輪観」の事じゃろなぁ・・と思ったので

 「たぶんそれは「月輪観(がちりんかん)」という瞑想法で、別に月を拝んでいた訳では無いと思いますよ。

 真言密教の瞑想法には、それと並ぶ「阿字観」と言う瞑想法が有るのです。」

と、ちと難しい単語を混ぜて少し説明したら、ジサマは「はんりゃあぁ~!!・・」と驚いた顔をしました。

 坊さんでも無いのに、小汚いカッコイした得体の知れん者が、何かややこしい、それらしい専門的な事を、まさかサラサラと言うとは思わなかったんでしょうなぁ。

四国の逆打ち

 それからは急に言葉が改まり
 「あんさん、四国を巡られたというなら、ちいっと教えてほしいんじゃが、「逆打ち」という言葉が有るが、あれはどおいう事か教えてくんなせぇ。 テレビドラマなんか見ていても、よぉ~わからん。」

 「四国を巡る時、一番から二番というように番号が大きくなるように巡るのを「順打ち」と言いましてなぁ、それとは逆に88番、87番というように数字が小さくなるように巡るのを「逆打ち」と言います。

 そいで、これにはカワイソーな言い伝えが有りましてなぁ・・

 かいつまんで話すと、昔、弘法大師さんにイジワルしちまった人が、反省して謝ろおと思って四国を何回も巡ったのですが、なかなか大師さんに会えまへん。

 最後に「逆打ち」して、ある所で死ぬ間際に、やっと大師さんと会う事が出来ました。

 そおいう意味合いで「逆打ち」すれば願いが叶うとか、「順打ち」3回巡ったのと同じ功徳が有るという言い伝えが有ります。」


と、だいぶ省略して話すと、ジサマは永年の疑問が解けたよおで、これまた「はりゃあぁ~・・!!」という顔して口を開けて聞いてました。

 ぼちぼち出発したいんだけどなぁ・・と思ってるんですが、ジサマはウンコ座りしながら話しかけて来ます。

 丁度、汽車が来たので「列車が来ましたよ。私もこれで出発しますので・・」と言うと、「いや汽車に乗りに来たのではない」と言ってから、挨拶して駅舎の外へ出て行きました。

 あのジサマは、何しに駅に来たのじゃろ?σ(*_*)と話しをするために来たのかな?

「大清水」への道

 駅員に越後33観音霊場の札所「大清水」への旧道を聞くと「子供の頃、遠足で行った事があり舗装されてる道だった」と言います。

 地図に実線と破線の道が有り、たぶん破線の道が旧道だと思っていたので、地図を示して確認すると「さあぁ~・・地図では、どの線の道かわからんなぁ。」と言うので、しょうがない、実際に現地へ行って判断するしかないか。
 


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「阿字観」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます


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