H21.8.20 巡礼 H22.12.19 UP
弥彦神社近くの競輪場を通り、「金池」集落の旧道へ入ると「北国街道」の立杭が有り、側に地蔵さん小屋があります。
2体の地蔵さんの一つ(左側)が、赤い布で頬被りしてるように見えて思わず笑っちまった。
地蔵さんの対面側道路に、パイプから水が惜し気もなくドンドコ流れ出ており、たぶん飲めるだろおと思って飲んでみると冷たいですねぇ、昔の旅人も、この水を飲んだのでしょうか。
「石瀬」集落を過ぎる頃、道端に見事な古杉が1本立っており、杉の根本に案内看板が有ったので、道から少し離れていましたが、わざわざ見に行くと、「石瀬の一本杉」と銘打ってあります。
それによると「お杉とお松のお伊勢参り」という伝説があったらしく、帰ってネットで調べてみました。
むぅかあしぃ・・むかしぃ・・・越後の国、石瀬村に「お杉」「お松」という、それはそれは美しい娘がおり、ある時二人そろって伊勢参りに行きました。
が・・初めて旅をしたもんだから、全く計画性が無く、嬉しさと珍しさが複雑にミックスした気持ちにより、疲れたと言っては近くの茶店に入り込んで一番高いデザートを注文したり・・
昼食時には名物の伊勢エビの痛快丸かじりとか、ウニの天こ盛り丼とか、松茸の姿焼き等のように、どこぞのテレビ局が旅特集でやりそうな事をキャッキャッと言いながら、やっちまい・・
だいたい、あぁたぁ~・・ああいうのは芸人がタダで食わせてもらえるからやってるんですぜぇ。自腹を切ってまで、あんな料理を食うとは、とても思えん。
せっかく遠くまで来たんだから旅の恥は掻き捨てとばかりに、夜遅くまで一流の旅籠で飲めや歌えやのドンチャン騒ぎ・・・
そりゃあぁ・・そんな旅していれば、たちまち路銀が無くなりますわなぁ、気持ちは痛いほどわかるが・・・
σ(*_*)なんか老後の生活の事も考えて旅をする時は、なるべく路銀を使わないように野宿したり、コンビニ弁当やスーパーの半額を狙って巡礼しとるんだから。
出立の朝、二人は旅籠の主人に「すんまへん、ほんのちぃ~とばかり路銀が足りません(ほんとは、ほとんど無い)、ご主人が越後へ来られた時にお返ししますから宿料を待ってもらえませんか。」とお願いして、人目もはばからず「ワアァァ~ッ・・・」と二人して手を取り合って泣くマネをしました。
気の弱い旅籠の主人は、その光景を事情を知らない人が見ると、きっと旅籠のゴー欲主人が娘達をいじめて、どこかに売り飛ばそうとしており、娘達がイヤがって泣いてるのだと思われる・・・と妄想が湧き出してオロオロしましてなぁ。
ほんとは代官所に訴えて、無銭飲食で突き出してやりたかったのですが、ついつい気弱な性格から心にも無く「ええですよ」と言っちまったんです。
やはり女の涙は強いですねぇ・・σ(*_*)が泣くマネしても「アホが何をしとるんか」と笑われるだけでっしゃろなぁ。
はい・・当然その後、旅籠のオカミサンから、主人はキツ~ク叱られてドツキ倒されました。 カワイソーですねぇ。
翌年、旅籠の主人が越後の国へ行く用事が有り、石瀬村を通った時にフトその事を思い出して娘の家を尋ねましたが、村人に聞いても「そんな娘達はいませんでぇ」と言うではありまへんか。
あちゃあぁぁ~・・あの娘達は、やっぱし寸借詐欺だったのか。娘の色香に惑わされて信じたコンジョ無しのσ(*_*)が悪かった・・帰れば、またカカアにドツキ倒される。
いっそ旅籠の主人の地位を捨て、このまま遍路・巡礼の旅に出て世俗と離れたた生活をしながら、どこかで野垂死のおか・・と思い、村はずれの老松の下に座って世の無情さを感じていました。
ふと松の枝を見ると、宿代のお金がぶら下がっているではありまへんか。
村人に、その事を話すと「それはきっと老松と老杉の精が抜け出して、お伊勢参りしたのだろう。その宿代は代官所に届けずに貰っておきなさい。大丈夫、黙っていてやっから・・」
と、概略このような伝説らしく、カカアにも叱られず、メデタシ・メデタシ・・・なおこの伝説内容には、一部σ(*_*)の思い違いが有るかもしれまへんので悪しからず。
それと伝説の老松は、少し離れた所に有ったらしいが明治の頃に枯れちゃったらしいです。
すぐ近くに「おすぎはし」が有り、欄干にこの付近では珍しい道祖神が飾ってあるなぁ・・と思ったら道祖神ではなく、どおやら「お杉・お松」を表しているようでした。
「岩室」集落に着く頃には少し疲れており、高級そうな温泉ホテル前を通りながら、こんな豪華なホテルには、たぶん泊まる事はないだろなぁと思った。
休む所を探しながら歩きましたが適当な場所が無く、自販機で缶ジュースを買い、そこらで腰掛けて休みたかったのですが見渡しても無く、自販機の側で休むのも気が引けるしぃ。
少し戻って高級そうな和風旅館入口の道端に座り込んでジュースを飲みながら休みましたが、地べたに座りながら、前に空缶を置けば通りすがりの人が10円玉でも入れてくれるような、ミットもない姿だろなぁ・・・と思った。
ふと側の門石を見ると「北国街道」「明治天皇御宿泊所」と書いてあり、世が世なれば小汚いジジイが地べたに座って休むと叱られるような所だったよおで、幸いだれからも叱られなかった。
「岩室」集落の旧道を歩いてると道端に地蔵さんの小屋が有り、道路の反対側に「霊雁の湯 源泉公園」の看板がありましたが、公園というよりも、どこかのホテルの裏口のような感じもします。
それでも公園となってるからには入っても良いじゃろう・・叱られたら出ればいいんじゃ・・と中に入ると、ベンチがあり側に小屋がありました。
小屋の中に水が溜まっていましたが、見るとあんまりキレイでなく水垢が付いてるようで、温泉らしい湯気も出てなかったので手を入れて水温は確かめなかった。
これが源泉?と思ったが、一応水溜まりの後ろに注連縄が張ってあり、水溜まりの付近に雁の置物も二羽置いてあります。
最初は雁だなんて思わず、ガチョウかアヒルだと思ってたんですが、案内看板を思い出すと雁なんでしょう。
そお言えば町の側溝に鳥の絵がデザインしてあったが、あれは鴨ではなく雁だったんですね。
そおそお、ここの伝説は、庄屋さんの夢枕に老人が立ち、「村外れの老松下に霊泉が有り、これに浴すると、どんなに病気も治る」いうので探してみると、傷ついた雁が一羽入浴してたそうです。
そいで、さっそく庄屋さんがこの雁を取っ捕まえて、食っちまった・・・というような事をしなかったのが、この伝説の庄屋さんのエライ所で、涙を誘うハイライトです。
伝説では雁が一羽だけれど、置物とかでは二羽だが・・まぁ、それでもいいですわねぇ。
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