HOME > 遍路・巡礼 > 西国33観音霊場「地図と目次」 > 6 仲間意識 (5番 葛井寺)
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西国33観音霊場の4番札所「施福寺」麓の公園・東屋で野宿した場所を早朝引き払い、車道をテクテク歩いてると横に川が流れており、澄んだ水に小魚も泳いでいます。
そのうち住宅街に来たなぁと思ってると、「咳の地蔵」が人家に挟まれて建っていおり、どんな云われが有るのかわからんが・・
歩いてる途中、原付バイクに乗った坊さんがワシらを見て、軽く会釈をしてくれます。
ほほおぉぉ・・さすが坊さん、ワシらのカッコウ見て遍路とわかるんやなぁ。
こんな道をよくバスが通り抜けるなぁと思う、狭い道を歩いてると、バス停「槇尾山口」が有り一休み。
バスの行き先を確かめたいので反対側のバス停で立ち話をしてたバサマに近寄ると「来た、来た・・」というように、こちらを見ながら互いにコソコソ言い合ってます。
やっぱし遍路姿が珍しいので、ウワサをしとったんやろおなぁ。
「河内長野駅へ行くバス停はどこでしょうか?」と聞くと、それでも「ここからバスに乗って、4つ目の横山高校バス停で乗り換えた方が良い」と親切に教えてくれました。
しかし、このバサマ達は親切心がバケツで汲み出すほど有り余ってるのか、それとも、こいつは一回ぐらい教えてもわからんヤツと思ったのか、何回も交互に同じ事を言って教えてくれます。
いいかげん何度も同じ御教示を聞かされてる時に、丁度バサマ達が乗るバスが来たので礼を言って別れました。
バスを見送った後、バス停が4つ程度の距離ならば、たかが知れてると思い、せっかく教えてくれたバサマには悪いが歩いて行きました。
槇尾中学付近を歩いてると、さすが都会の中を遍路姿で歩くのは恥ずかしいですなぁ。
行き過ぎる車の人や、信号待ちで停まってる車の中からは、必ず全員こっちをジロジロ見て行きます。
特に信号待ちの車は、ヒマつぶしに見物するのには丁度良いもんだから注目のマト・・・σ(*_*)らは、見せ物か・・・(T_T)
ほれ見てみぃ、あいつら案山子みたいな笠をかぶり、変わったカッコウして歩いてるでぇ・・と笑いながら見てたやろおなぁ。
そんな視線を浴びながら歩いてると、後から呼び止める声が聞こえます。
立ち止まって振り向くと、一人のトッツアンが近づいて来て小銭を出して「お接待します。私も家内と四国を歩きました。貴方達の通り過ぎる姿を見て急いで来たのです。」と言うではありまへんか。
うむむっ・・たった今、場違いのカッコウして恥ずかしい思いをしとったのに、四国とは遠く離れたこの地で、ワシらの遍路姿を見て声を掛け、接待してくれる人が、まさか居るとは思わなかった。
トッツアンはσ(*_*)らの遍路姿を見て、四国を歩き遍路をした者同士という仲間意識により声を掛けてくれのんでしょう。
σ(*_*)も、どこか他の地で遍路姿で歩いてる人を見たならば、同じ遍路道を楽しみ、苦しみ歩いた同じ仲間として、このトッツアンのように車を止めてでも接待すると思う。
礼儀としての「南無大師遍照金剛」を3回唱えて接待を受け、少し話しをして別れました。
バスに乗らずに恥ずかしい思いをしながら、歩いてここを通ったのも、このトッツアンと「出会うための縁」だったのかもしれません。
好奇心の視線にさらされてる中、このトッツアンとの出会いは、接待の有無よりも、「こんな都会のど真ん中でも、わかってくれる人が居た」という事の方がもんのすごく嬉しかった。
横山高校バス停ではバスが出た後だったので、次のバスまで45分ほど有りました。
近くの日陰で荷物を置いて休んでると、やっぱりバスに乗る予定のジサマが来て話し掛けて来ました。
口に入歯が入ってないのか聞き取りにくかったが、話としては、さすがトシヨリ・・人生訓として良い話しをしてくれます。
バスに乗って別れる時も、ジサマは愛想良く声を掛けて降りて行きました。
河内長野駅から葛井寺まで鉄道で行き、狭い商店街に有る、やっぱし狭い食堂で昼食にしました。
その商店街のアーケードを抜けると、すぐに西国33観音霊場の5番札所「葛井寺」の山門が横に有ります。
たぶん正門じゃねぇだろおなぁ・・と思いながらも、そこから入っちゃったら、やっぱし裏門だった。
藤棚のベンチに荷物を置いて一休み。
本堂では白衣を着た一人のバサマが正座して伏し拝み、一生懸命祈っているので少し離れて尺八参拝しました。
大師堂でも参拝し終ると、先程の白衣を着たバサマが、やっぱり地べたに座って参拝しており、よっぽど強い願い事なんやろおなぁ
四国88箇所霊場では、たまに見た事が有るけど、西国33観音霊場でこのように一生懸命祈ってる人は見なかった。
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