HOME > 遍路・巡礼 > 西国33観音霊場「地図と目次」 > 7 愛別離苦 壺坂寺(南法華寺)
H17.7.23 UP
西国33観音霊場の6番札所「壺坂寺」へ車で行き、車道の途中より山道を歩いて寺へ行ける道が有るので、車道が少し広くなってる所に車を置いて歩きました。
山道を歩いてると何人か下りて来る人もおり、服装などからハイキングコースのようになってる気もします。
山道を上がって見晴らしが良いと思った所が駐車場で、もう夕方に近かったためか、ほとんど車はいません。
ハデな極彩色の寺が有り、拝観料を取られて、おまけに車で来た人は駐車料金も取られるようです。
壺坂寺の規模は大きいようですが、建物の色を新しく塗ってあるためか、なんかあんまりアリガタ~イ気持ちがしないんだよねえ。
本堂に入り、デカイ仏さんが置いてある所で番をしている坊さんが、σ(*_*)らの姿を見るとすぐに仏さんの説明をしてくれました。
しかし、信心が足りないσ(*_*)としては、仏さんの云われや功徳を聞いても、あんまり・・いや全く関心が無く、それよりもここは構造的に響きが良さそうだなと思いながら、聞いてるフリして寺内をジロジロ見渡してました。
ようやく坊さんの説明が一区切りついたところで、「ここで尺八吹いても良いですか」と聞くと、「はんっ?」て顔されます。
坊さんは、これから先、この仏さんの涙が出るほどのアリガタ~イ話を、もっともっと詳しく一生懸命、時間をかけて説明したそうな顔してたんだけど了解してくれました。
すんまへんねぇ、なんせ信心が足りんモンが言う事なんで・・・はい、やっぱし尺八の響きは良かったです。
この壺坂寺の縁起は、浄瑠璃にもなったカワイソーで有名な「沢市・お里」の話、「壺坂寺霊験記」の舞台寺らしいですが、σ(*_*)は学が無いモンだから、この壺坂寺へ来るまで何の話しか全然知らんかった。
境内の側に深い杉林が有り、その谷へ「沢市」が身を投げた所だと看板に書いて有り、おおぉぉぉ・・・こんな深い谷に飛び込んじゃったら、そりゃあぁ助からんわなぁ。
そおすっと、あの付近で観音様が現れたのかな・・とか・・・「お里」さんも夜中に麓から毎晩ここまで参拝しに来るのも、たいへんじゃったろおになぁ。
境内を回り納経所近くに薬湯が有って、タダだったので2杯飲んじゃった。
この壺坂寺には何でか知りまへんが、愛嬌の有る鬼のマスコットに置いてあり土産としても売っており、よっぽど買おうかと思ったんだけど、買わずじまいでした。
帰り際、拝観料徴収所のオバハンに奈良市内で車野宿ができそうな所を聞いたら親切に教えてくれます。
その教えてくれてる最中に、さっきから走り回ってる壺坂寺の犬が、σ(*_*)の後ろから腰に飛びかかって来ます。
そりゃあぁぁ・・ビックリしちゃいますわねぇ・・そおじゃなくても、犬を見ると、こいつは噛み付くんじゃねぇかと常に疑いの目で見てる人間なんだから・・。
思わず横手刀で振り払い、倒れたところへ即座に足刀のケリを入れて留めをさし「どおじゃ、まいったか」と残心を示そうか・・と思いましたが、別に噛みつきに来たのでありまへん。
ジャレて遊んで欲しがってるよおなので、そのまま腰にしがみつかせながら説明を聞き終わり、礼を言う頃には腰にしがみついてた犬も、再びそこらを駆けずり回り始めてます。
山道を降りながら車へ戻る途中、越後屋が先程、壺坂寺の人から聞いた、この犬の事を話してくれました。
この犬はオスの野良犬でしたが、この壺坂寺で飼われ始め、ある時に懐妊しているメス野良犬が壺坂寺へ来て、やがて結婚したそおです。
早い話が、子持ちの若い犬をヨメさんにしたのですなぁ。
しかし、幸せな結婚生活も長くは続かず、カワイソーな事に、そのうちにメス犬が死んじゃったらしいです。
そしたら、このオス犬は、ジィッ~と死んだメス犬の側を離れず、ゴハンも食べずに何日もの間、どうしてもその場所を動こうとしなかったそおです。
犬にも人間と同じように、「愛別離苦」という、愛するものとの別れる苦しみが有るのかもしれまへん。
書けばわずか数行の話ですが、この話しを聞いた時、この犬に「愛情」ちゅうもんを教えられたような気がしました。
σ(*_*)は、この犬に負けとるんじゃねぇやろか・・・・・・。
以下、広告です。