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 尺八を携え歩いた西国霊場 H17.8.20 UP


石山寺での尺八と「掛け軸」/西国33観音霊場記

 西国33観音霊場の13番札所「石山寺」駐車場も金を取ると聞いてたので、途中に有る高速道路付近のスーパー駐車場へ買い物客風を装って止めておきました。石山寺 山門

 さすがにスーパーから、笠を被り杖を持って歩くと、こいつらは買い物もしねぇのに車を置くだけだ・・・と、すぐにバレちまうので、いかにも買い物しますという風をよそおい、地図と尺八だけを持って寺まで歩きました。

 13番「石山寺」は大きい寺でんなぁ。

 山門に拝観料の徴収所が無かったので、タダかと思ったら途中の参道の所でしっかり拝観料を取ります・・・そおやろおねぇ。

 もし四国88箇所の寺が拝観料を取るようになったら、たぶん寺へ行く人も少なくなっちまい、四国遍路も今ほど流行しないやろおなぁ。石山寺境内

 少なくともσ(*_*)は拝観料を取る寺へは、一度だけなら仕方なく行くが、以後二度と行かない。

 石山寺の境内の石は、日本庭園らしくうまく配置されてます。

 本堂で尺八を吹いて参拝し終わり、堂内のベンチへ戻って尺八の手入れしようとすると納経所のバサマが、さっきからこちらを見てます。

 目が合った時に、チラッと頭を下げて礼をしたように見えたので、σ(*_*)も座ったまま黙礼しました。

 すると、やがてバサマが納経所から出て来て、σ(*_*)が尺八の手入れをしとるベンチまで来るじゃありまへんか。石山寺 境内

 あちゃあぁぁ~・・これは断りも無しに本堂内で勝手に尺八吹いたもんだから、叱られるんかな・・と思ってると「良い音色を聞かせてもらいました。」と丁寧に礼を言ってくれます。

 今まで尺八を吹いた寺は数多く有れど、わざわざ礼を言いに来てくれた寺は、何カ所有ったろうか・・。

 本堂を出る時に、納経所へ行ってお誉めに対する礼を言うと「ホントに良かった。 尺八を聞きながら、このまま曲が終わらなければ良いなぁ・・と思い、あのままズウッ~と、いつまでも聞いていたかった。」

 「ありがとうございます。次に大師堂で吹きますが、ここまで聞こえれば良いですね。」

 「ほんと、聞こえると良いわねぇ。」などと話して別れました。「源氏の間」 紫式部

 本堂脇に金網が張ってあり、仁王さんでも立っているのかと思って中を覗いてみると、「源氏の間」といって紫式部が、ここで庭を眺めながら源氏物語を書いたらしいです。

 どうせなら、もおちょっと今風な美人の人形を置いとけばえかったのになぁ。

 金網の中に入っているから、座敷牢に入れられてるお姫様という印象がする。石山寺 境内

 「石山寺」の広大な境内を見物して、「大師堂」で尺八を吹きましたが、本堂からだいぶ離れていおり、さっきのバサマに聞こえたかな?・・屋外で吹いたためか、今一つ出来が悪かったけど・・・・。

 「石山寺」を出て駐車場近くで一休みしていると、どっかで見た人が駐車場から来て、おぉぉ・・あれは今朝、10番「三室戸寺」で会ったトッツアンではねぇか。

 声を掛けて一緒に休みながら話をすると、あれから醍醐寺へ行き、11番「上醍醐寺」もすぐだと言うので行って来たが、山登りはキツかったと言います。

 話しをしてると最近奥さんを亡くし、生前に西国33観音霊場巡りを一緒に行きたがっていたので、その供養のため掛軸を作ってるんだと言いながら見せてくれます。石山寺 大師堂

 後で越後屋に聞くと、10番「三室戸寺」でトッアンが経を詠んでた時、奥さんの写真を前に置いてるのを見ていたので知っていたらしく、あの時、一緒に参拝したがσ(*_*)は知らんかったなぁ。

 なんせ参拝の時は目をつぶって、呼吸を整えてから尺八を吹き始めるので、周りで何をしとるのかさっぱりわからん。

 物静かな優しそうなトッツアンで、奥さんを愛しとったんやろおねぇ、奥さんも幸せやったやろおなぁ。

 こんな場合、ありきたりの慰めの言葉なんか掛けられまへんわねぇ。

 言うと、なんか白々しい気がするし・・・ただ黙って頷きながら、話しを聞いてあげるだけです。石山寺「月見亭」

 西国33観音霊場がダメだという意味ではありまへんが、「四国88箇所霊場も良いですよ」と勧めてみました。

 今は単に「掛軸の完成」だけを目標としているようですが、それが完成して目標が達成できた時、その後をどうするのか・・・

 心の空洞を整理するなら、歩いて四国遍路をすると何かが、わかって来ますよ・・・

という事を暗に含めて勧めたのですが、「ううむぅ・・」と言い、まだ仕事を持っており時間の余裕が無く、そこまでの決心はつかなかったよおです。

 このトッツアンとは、もう一度会いました。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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