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 尺八を携え歩いた遍路 H17.8.27 UP


「三井寺(園城寺)」の案内人/尺八を携えた西国33観音霊場記

 西国33観音霊場の14番札所「三井寺(園城寺)」も駐車料金を取るわ・・拝観料を取るわ・・の寺なのを知っていたので、前持って調べておいた運動場・駐車場へ車を置いて札所寺まで歩きました。三井寺 山門

 西国33観音霊場を巡っていると、駐車料金だけでもバカになりまへんからなぁ。

 本日巡った札所寺分の駐車料金だけでも、クルクル寿司1回分は食えたかもしれん。

 山門へ行くと、見知らぬジサマが「案内しましょうか?」と近寄って来たので、今流行の老人ボランティアと思い「それじゃあ、お願いします」と頼むと、仏像・建物・仏教関係等を詳しく説明してくれます、さすがでんなぁ。
三井寺 金堂
 金堂で、仏教の本質的な事や三密・即身生仏などを説明するのを黙って聞いてました。

 うんうん・・だいたい仏教の本質的な事を言うとる・・本を読んで独学したと言っとるが、ここまで説明できるとは、たいしたもんだわ。

 これが葬式・供養こそ仏教の本質で大切な事だなんて、そこらの葬式坊主と同じような事を言っちまったら、何も知らないフリして徹底的にイジワルイ質問をしたんだけど・・・(^O^)

 説明してるジサマにしてみれば、仏教の専門的な単語を使って説明しているが、こいつはさっきから黙って頷いて聞いとるが、ホンマにわかっとるんか?と心配して「わかりますか?」と数回聞いてきます。

 普通の人ならば聞かれたら「あんまり良くわからん」と言うと思うが、その都度あっさり「はい、わかります(キッパリ)」と答えると、ホンマか?と疑わしそうな顔します。
三井寺 参道
 その時は、まだσ(*_*)らは四国遍路をしていたと言ってなかったので、ジサマは何も知らない普通の観光客だと思ってたのでしょう。
(この時も、笠と杖を持って行かなかった)

 長い説明が終わり、次の箇所へ行こうとするので、
 「あの・・ここで参拝したいんだけれども・・」
 「これから、まだ説明しなければならん所が一杯あるんだけど・・」

 「5分ほどだけ時間もらえまへんか?」
 「この先に、本物の堂があるんだけど・・」

と、どうしても説明を一杯したがるので、まぁいいや帰りにでも参拝しようと思い諦めました。三井寺 三重塔

 参道を歩きながら、それこそ立て板に水を流すが如く、食い損ねた「流し素麺」が目の前をアララッ・・と思う間に流れ過ぎるように、澱み無く説明して行きます。

 奥まった最終地へ着くとそこにも堂があり、そこがジサマの言う本物の本堂らしい。

 ジサマは、いそいそと納経所へ案内してくれましたが、「すんまへんワシら、納経帳をやってまへんので・・・」と言うと、ここへ来る人はそれが目的なのに変わった事を言う人やなぁ・・・という風に怪訝そうな顔されちゃった。

 尺八を吹いて参拝し終わると、付近に居た参拝客のバサマが駆け寄って来て「初めて尺八を聞いた、良かったですよ。」と誉めてくれます。三井寺 境内

 それをきっかけに若い夫婦も近寄り「プロの方ですか?」と、ウレシイ勘違いしてくれました。!(^^)!ナハハハ・・・・

 尺八の手入れをしながら、ふと顔を上げると10番「三室戸寺」13番「石山寺」で度々会ったが、もう再び会う事は無いと思ってたトッツアンがそこに居ました。

 聞いてみると近くの「奥の院」へ行き、まだ時間が有ったので、この14番「三井寺(園城寺)」へ来たと言い、そして今度こそ、これがトッツアンとの最後の別れでした。

 四国遍路の時は、知らない人同士でも何度か会う度に顔見知りとなり、それがキッカケで行き連れとなり話す事も度々ありましたが、西国33観音霊場を巡って何度も有って話た人は、唯一このトッツアンだけでした。

 こおいう出会いが、一番良い想い出に残りますねぇ。三井寺 一切経蔵

 元来た参道をジサマが説明しながら戻り、途中の堂やら何やらを一生懸命説明してくれますが、写真を撮るヒマもありまへん。

 山門近くの最初に説明を受けた金堂へ戻った時、もうすぐ5時近くになるので「どうもありがとうございました。せっかく来たので写真も撮りたいので、この辺で結構です。」と言うと

 「あの・・ボランティアですが、電車賃も使って来ているので・・・、その・・電車賃だけでも頂ければ・・」と言います。

 「いくらぐらいですか?」「○○から来ており260円です」と言うので、500円玉をあげて礼を言いました。

 500円で、あれだけの説明を聞ければ安かったかもしれまへん。


左甚五郎作「龍の彫刻」      三井寺 孔雀

 でねねぇ・・やっぱし、こおいうモンは自分の目で説明の立札を読み、じっくり「はらあぁ~!!・・・ほりょおぉぉ~・・!!」と、感嘆しながら眺めた方が、頭に残り印象が有りまんなぁ。三井寺 観音堂への参道

 案内してくれたジサマの説明は、澱みなくスラスラと話して違和感は無いのですが、次々に説明されて、じっくり眺め鑑賞するヒマがなく、ジサマのペースで動いてる感じです。

 これじゃあ、旗を持ってるバス添乗員の後を、ゾロゾロ歩いてる観光団体と同じじゃあありまへんか。

 きっと観光団体の人達も、単に来たというだけで何の印象も残らず移動しとるだけだと思う。

 ホンマに、この14番「三井寺(園城寺)」の印象は、今思っても頭に残ってなかった。

 今回の件で以後案内人に頼る事をせず、また下手にオセッカイして案内・説明しない方が、その人のタメになるという事がわかり、ええ勉強をしました。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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