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 尺八を携え歩いた西国霊場 H17.10.16 UP


京都「東寺」での配慮/尺八を携えた西国33観音霊場記

 西国三十三観音霊場の寺ではありまへんが、京都「東寺」は四国遍路をする時、この寺にて「今から行って来ますわぁ~」と出発の挨拶をし、高野山の「奥の院」で「おかげさんで無事に帰れましたでぇ~」と遍路終了の報告するという話しを聞いた事があります。

 この「東寺」の事を知ったのは最近の事なので、その時までまさか京都に遍路関係の寺が有るとは思ってなかったので、ついでの機会にと思い「東寺」へ寄ってみました。東寺 山門

 大きい寺でんなぁ五重の塔もあるし・・こりは拝観料取られるな・・と思ってたらやっぱり500円取られました。

 拝観順序として近くの「講堂」という所へ入ってみると、薄暗い中に古びた仏像がズラッ~・・・

 えっ?・・何これ?・・博物館の仏像の展示状態?・・と思ったけど、後で調べると、これは曼陀羅世界を現し、定められた仏さんが決まった位置に配置されとるらしかった。

 そんな事を知らず、入口に「静かに、スケッチ・写真禁止」とまで「断り書き」が書いてあります。

 そやろなぁ、博物館なら人の迷惑にならんように静かに仏像を鑑賞し、写真撮ったりしたら芸術品の価値が損なわれるじゃろおしなぁ。

 どお見ても博物館の雰囲気なので、博物館内では尺八はマズイじゃろおうと思って吹きまへんでした。

 次の「金堂」へ入って見ると、また同じ禁止文句が書いてあり、雰囲気的にも、やっぱし博物館的です・・・しかも仏さんの数も少なく・・・。

 この「東寺」は、禁止文句と言い、床は畳ではなく石の床なので、今までの寺と違って経を唱え、祈る場所ではないような気がしました。

 そいでも、せっかく来たんだからダメ元で、お守り売ってるオバハンに

 「静かに・・と書いて有りますが、尺八を吹くのも、やっぱしダメでっか?」
 「うぅぅ~ん・・・私は良いと思うけど、何分ぐらい?」

 「5分ぐらい・・・」
 「(ちょっと考えて)吹きたいのでしょう?」

 この時までは「アカン」とキッパリ言われたら、アッサリ引き下がるつもりでしたが、「吹きたいのでしょう?」と聞かれた時に、何故か無性にどおしても、ここで吹きたくなり思わず強く 「はい」と答えっちまい了解を得ました。
東寺 五重の塔
 一曲吹いてみると響きは、もんのすごく良かった。

 やはり床が石畳の広い空間内で、尺八の音が反響しあったからなのかもしれん。

 吹き終わり、オバハンに礼を言い、「響きが良かったので、出来れば、もう一曲吹かせて頂きたい。」

 「何分ぐらい?」

 なんか、このオバハンは、えらい時間を気にしとるなぁ・・・確かに、もうすぐ拝観終了時間だが、まだ30分ほど余裕が有るはずやでぇ。

 「今の曲より長く10分ぐらいと思う」と答えると「自分はアルバイトなので、吹きたいのならば納経所で許可を求めてもらえないだろうか。
 (今の場合は)短い時間だったので自分の判断で了解した」
と言います。

 あららぁぁ・・知らなかったとはいえ、このオバハンは任せられた自分の範囲内で精一杯の配慮をしてくれ、σ(*_*)のワガママに、お目こぼしをしてくれていたんです。

 ほんまにすみませんでした。m(_ _)m・・もし、これを読まれた「東寺」のエライ人、どうぞこのオバハンを叱らないでくんなせぇ。

 「ここで、お経を唱える人などは居ないんですか?」
 「先達さんに率いられて来る団体さん達は床に座って、お経を唱えたりしています。尺八は、お経なのですか?」

 「今吹いた曲は、虚無僧も吹かれる曲で、お経の代わりと解釈しています。
 四国・西国霊場の各寺を巡って尺八を吹いていましたが、今までダメと言われた寺は無く、唯一高野山の「奥の院」だけはダメでした。」


 「私も良いと思うんだけど・・・納経所で聞いて了解を得てくれれば一番話しが早い。
 講堂では吹かなかったんですか?」


 「へい、雰囲気的に吹いてはアカンように思ったので聞きまへんでした。
 それに、「静かに・・」と書いてあったし・・」


 「それ(静かに)は、修学旅行の学生等がヤカマシく騒いだ時の事で、そおいう場合には私も注意しますが、今の場合(尺八を吹く)は該当しないと思う。 ここで尺八を吹いた人は初めてだった。」

 オバハンに礼を言い、帰りがけに拝観料を取る所で何食わぬ顔して東寺 五重の塔
 「あのおぉぉ・・・チビッとお尋ねしますが、この寺で尺八吹いたらアカンですか?(ホントは、もう吹いちまってたが・・(^O^)」

と聞いたら、切符売りのアンチャンが「はっ?」という顔したので、もう一度同じ事を言うと、そんな前例の無い事をする参拝客は初めてらしく、あわてて後ろの席に 「どんなもんやろか?」と相談します。

 しかし、相談された相手も、どう判断したら良いのか、わからんらしく、東寺始まって以来の難問に直面し、すったもんだしてるのを微笑みながら生温かく見守ってました。

 すると、それまでのやりとりを黙って聞いてた古手のお局様が「アカン!!」と鶴の一声を発し、それに対する意見も出なく、アッサリと御英断の通りに断られちゃった。(^O^)

 拝観料受付ではダメだと言われたが、寺の坊さんやお大師さんだったら、どのような回答しただろうか?


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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