HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 >10 霊水
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23番薬王寺の階段には1円玉が散らばっており、それを踏んづけないように歩きますが、やっぱり・・どおしても踏んじゃうわなぁ。
階段にお金を置いてくと、厄除けになるらしいですが、マズシイ生活を送って来たモンとしては、たとえ1円玉でも足で踏みつけたくありまへん。
薬王寺の看板に「置かないように・・」と書いてあるんだけど、看板が目立たないのか、知ってても、やりたがる日本人の悪いクセなのか・・・
しかも、オヤブン聞いてくんなせぇ・・階段の登口付近にある納経所内に、両替器まで有るんですわ。
置かせたいのか、置かせたくねぇのか・・どっちなんじゃ・・・まったく・・・
ほとんどの人は、本堂・大師堂で拝んだらトットと帰りますが、ホントは本堂の本尊は力が有りすぎて正面を向いてなく、後ろ向きに鎮座しとるというウワサです。
それを知ってる一部の人だけが、本堂の後へ周って拝みます。
はい、ちゃんと賽銭箱も置いてありまんがなぁ・・心配せんでも・・・(^O^)
そして、その一部の人ぐらいしか知らんと思いますが、ここには霊水が出ておるんです。
場所は本堂と大師堂の間に有る、ちっこい祠の下から清水がスッチョン・・スッチョン・・と落ちてます。(水が少ない時期だったかもしれんが・・・)
その祠にも、ちゃんと「肺大師」という名が付いており、霊水は万病に効くらしく祠には完治した感謝の布が一杯取り付けて有ります。
ここの話ではありませんが、医師より不治の病と診断され見放され、最後の手段として遍路し途中で治ったという話はいくつかあります。
私も疑い深い人間ですが、遍路をしている途中で実際に治ったという人と会い話をした事が有ります。
信心による神仏の霊験が現れたものか・・・医師の見立てちがいか・・治りたいというコンジョウの賜ものか・・・
あっ・・ここの霊水で治った・・と言うのではないので誤解無きよう・・
御利益の話が出たので「老遍路」の話・・・・
「人々は遍路しながら寺(神社仏閣ですが略して「寺」とします)で祈り・祈願するが、その祈りが通じた時に、さて・・どの寺で祈ったから願いが通じたのであろうか?」
皆の衆、どう思いますか?
そりゃあぁ~・・もう、決まってまんがなぁ、名も無いチッコイ寺より、デカイ寺で有名な寺の方が御利益が有ると思いますわなぁ。
そのため人がワンサカと行くんじゃから、デカイ有名な寺の方に願った方が良いですわなぁ。
しかも霊験あらかたなる伝説でも有りゃあ、もう言う事無し・・御利益の効能書きも一杯書いてあったら、何にでも効きますやろと一般の人は思うかもしれません。
「これは、どこそこの寺で祈ったから願いが通じたというものではない。
なぜなら、他にも多くの寺で祈っているのであり、その寺で祈ったから通じた・・あるいは、最後の寺で祈ったからだとは断言出来ないはずである。
各寺には本尊があるが、神仏というものは突き詰めていくと最後には一つの神仏に行き当たる。
多くの寺で祈るのも、一つの寺で祈るのも、結局は突きつめた最後の一つの神仏に祈っているのと同じ事なのだ。」
わかりまっか?(*_*)σ
そのころは、なぁ~もわからんモンだったので「ほほおぉぉ~・・なるほど・・神仏とはそおいうモンなんかぁ・・・」と感心して聞いておったのですが、今思うとたぶん大日如来の思想を、分かり易く言ってくれたのだと思います。
ちがってたら恥ずかしいから、このへんで止めとこ・・
薬王寺「奥の院」の「泰仙寺」は、国道を少し戻ったところから県道を歩き、車の通りも少なく人家はありますが、途中に店とか自販機はありまへんでぇ。
泰仙寺は、小高い山にあり通常の遍路コースから外れているためか、あまり遍路は訪れないようです。
昔は人が住んでたらしいのですが今は無人の庵で、それでも荒れた感じがしなく落ち着いた静かな所です。
こおいう所が好きなんだよねぇ・・ここで庭掃除の番にでも雇ってくんねぇかなぁ・・・
だれも居なく、静寂な山中に岩清水の音だけが聞こえ・・・理想な所やなぁ。
一巡で来た時、山道を登る時には気がつきませんでしたが、途中で道が二手に分かれてました。
下りだからと無意識に右へ行き、分かれ道を5歩ほど進んだ時、どおも登って来た時の感覚が違うと思い、辺りを見回すと左の細い道がなんとなく覚えのある雰囲気です。
越後屋に確認しても、ボオッーとワシの後ろを文句言いながら、くっついて歩いとるだけなので、こおいう肝心なときに「さぁ・・わからん。これでいいんじゃねぇの・・・」
ええぃぃ、頼りにならん奴め、この非常事態に陥っとるのに・・・遭難して新聞にでも載ったら、どうするんじゃ・・・・ハズかしい・・。
この場所は遍路札が無く、左道が正解で、ここへ来た人が途中で道に迷って登り口と別の所へ出たと言ってましたので、たぶんここで道を間違えたのでしょう。
右道へ、ついつい行ってしまう箇所なんだよねぇ・・・下り道で大きい道だから・・
あれから2年たち、再びその箇所へ行くと布の遍路札が付いてましたが、それでも注意しないと、右へ行ってしまうかもしれんなぁ。
「山河内駅」で汽車の待ち時間があり、だれも居ないので対面の山や、のどかな風景を見ながらホームのベンチで尺八を吹いてました。
そのうち若い高校生ぐらいのアンチャンが一人来て、ちょっとビックリしたような顔して軽く会釈し、向こうへ行きます。
そおやろおねぇ・・こんな所で尺八吹いとる物好きな人間なんか始めて見たやろから、離れて行きますわなぁ・・・そのうち人も来始めたので止めました。
区切り打ちてをしるので、この山河内駅を、よぉ~使わせてもらったけど、来るごとに駅前の人家とかトンネル付近で、よぉ~犬に吠えられました。
トンネル時の犬なんか、来なくても良いのに、わざわざ遠くから吠えながら来やがって、よっぽどぶん殴ってやろおか・・・と思ったが、朝のバスを待ってる通学児童達が見ており「遍路が犬をイジメてる」と誤解される恐れがあります。
これからワシらのために苦労して払いたくもねぇ年金を払わにゃアカン小学生に、教育上好ましくない影響を与えると思い、吠えられながらも犬を無視しガマンして歩いた想い出深い所です。
もっとも子供が見物しとるのに、犬と戦って負けたら、ミットモねえという意識も少しあったが・・・
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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