HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 高知-15 今は昔・・・
H15/6/15up
次の青龍寺へ行く途中に塚地峠があり、登り口に東屋の休息所が有って、真夏の暑い時には水も流れており涼しい所です。
休息所には地元の人が作ってくれたノートがぶら下がっており、けっこう遍路の人が書き込んであり、抜粋した紙が貼ってありました。
他の休息所等にも、よくこのようなノートが置いて有りますが、なるべく可能な限り読んでいます。
ここは塚地峠を越えるか、国道のトンネルを通るかの別れ際で、トンネルの方が時間が短いらしいですが、私はいつも塚地峠を通ります。
順打ちの登り坂はきついでっせぇ。!(^^)!
でも塚地峠付近からは、宇佐の町並みが遙かに望めます。
塚地峠の宇佐市側の麓近くに、山脇から清水が流れてる所が有り、だれかがタオルを置いていてくれてました。
この清水が出ている所で、水を飲みホッと一休みした人も多いでしょう。
しかし残念ながら、この清水の出ている付近を少し下がると舗装道路になっちまって車が通れる道幅になっています。
以前は情緒の有る山道でしたが、これも時代の流れでしょうか・・・こおやって遍路道も削られ、少なくなっていくんでしょうなぁ。
宇佐市へ下りる途中に、立て札が有り「ジョン万次郎」と一緒に漂流してアメリカへ行った2人の墓と書いてあります。
最初見た時は、えっ?・・・そんな人達が居たの?・・知らんなぁ・・万次郎以外は、全部死んじゃったんだと思ってたのですが、後日、小説を読むと、その人達の事が掲載され生き延びて日本に帰ってたらしいです。
地図では、すぐに海へ出る国道へ出て「宇佐大橋」を渡るようになってますが、昔は橋が無く渡し船で青龍寺へ行ったそうです。
宇佐市の町並みで、昔は駄菓子屋をやっていたが、今は持ち主も代わったという民家へ入る機会がありました。
そこの玄関内側の柱々には、昔(昭和40年代)の古い納札が数枚貼ってあります。
橋が無かった時代は、この狭い道筋がメインストリーで幾多の遍路が通り、店の人が接待したのでしょう。
今となっては遍路は全然通らず、忘れられたように閑散としてますが・・・・・
海をへだてて架かる大きな宇佐大橋を渡り、海岸沿いに歩くとホテルが見えます。
一巡歩きの時に汗も出てるし、風呂だけでも入れさせてもらえないかと聞くと、言いにくそうに断られました・・ええんですよ、気にされんでも・・・。
海岸から青龍寺へ向かう道は、石地蔵が所々に有って情緒が有りまんなぁ・・・
せっかくだから、帰りにその石地蔵の前で笠を置いて尺八を吹き托鉢のマネ事をしましたが、自家用車はバンバン通りますが、歩いてる人は、ほとんどいません。
そやろおねぇ・・・わさわざ車を停めてまで、笠にお金入れる人なんていないわなぁ・・それは覚悟してました。
それでも車の通りすがりに、車の中から軽く会釈して行く人もいます。
歩き遍路が二人と地元のバサマが一人歩いて行きましたが、いずれもウサン臭そうに・・目をそらし・・・今まで道の真ん中を歩いてたのに道の端っこを通って離れて歩いていきます。
そやろおねぇ・・・こんな所で尺八吹いて、こいつは何やっとんじゃ・・・おかしなヤツと目を合わせちまったら、かかわりあいになっちまう・・避けて行こ・・と思うやろおねぇ。
自分でも、そう思いましたが、托鉢という気分を離れて静かな風景を見ながら吹いてみるのも、ええもんです。
三巡の時、青龍寺の納経所で「尺八の修行してる者ですが、よろしければ境内で托鉢させてもらえませんか?」と聞きました。
戸惑ったように「あの・・それは・・」と、断る言葉を探すような雰囲気だったので、「あっ・・いいんです。無理にとは申しませんので・・。」と、こちらから言いました。
なんせ霊場会のお達しが出廻っとるから、無理だとはわかっていたけど、それでもお目こぼしがあるかなぁ・・・・と思ったもんで・・・
門前の店に頼んでみようかとも思いましたが、車の出入りが多くイヤがると思い止めました。
青龍寺境内から「奥の院」へ行く山道があります。
今までの峠道から考えると距離も短いし、たいした事ありまへんがキツイでっせぇ。
車道から行く方法も有りますが遠回りになり、けっこうな距離もあります。
「奥の院」は小さい祠があり石像のカラス天狗が両脇におります。
祠へ行く通路の横にサンダルが置いてありましたが何のため置いてあるのかわからず、履き替えるのもメンドウなので靴を履いたまま参拝しました。
参拝が終わって通路を降りると、地元の家族連れの人が、サンダル置き場の所で終わるのを待っていてくれてました。 すんまへんねぇ・・・。
でも・・・家族連れの人達を見ると全員が靴を脱いで裸足になっています。
あらあぁ~・・ここは靴のまま入ったらアカンかったのね。
そのためサンダルが置いてあったのだ、知らん事といえ、ずいぶん失礼な事しちまったなぁ。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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