HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 高知-16 横浪三里
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静かなる内海の横浪三里をテクテク・・・・
向こう岸が見えても、湾内を海に沿って大きく周って歩かにゃアカンのは、精神的にもキツウおますなぁ。
ほんまに、向こう岸まで橋を架けりゃ早いんだけど・・
一巡の時は真夏でギラギラと太陽が照つけてヒーヒー言いながら歩き、やっと見つけた道沿いのわずかな木陰で休みました。
二巡目は桜咲く頃、横波三里を歩き「花山院廟」へ行ってみました。
しばし川沿いに歩き、のどかな農村道を少し行くと、山の麓に木に囲まれた「村の鎮守様」風の神社が有り、あれかな?・・はい・・それでした。
境内で地元のジサマ・バサマ達が草取りや、神社内の掃除をしており、あらあぁ~・・今日は老人クラブ主催の清掃日だったのね・・終わるまで待ってよ・・。
しかし、なかなか終わらず、そのうち長い丸太を鳥居の所へ立て始め・・ひょっとしたら、近々春祭でもあるから、その準備かな?
ヒマそうに監督しとるのか、サボッとるのかわからんジサマに聞いてみると、今日が祭りだと言い、これじゃあ、待ってても終わらねぇなぁ。
ジサマ達が境内で一休みし始め、バサマ達が神社内を拭き掃除してる最中で悪いけれど、尺八を吹いて参拝しました。
バサマ達からは何が始まったんじゃ・・と、ジロッと見られましたが、すぐに室内の掃除を続けます。
参拝が終わると、ジサマが本当ならば神前に供えるつもりだったはずだろうと思われる、供え物の三方からポンカンを一つ取り「祭りだから、わざわざ来たのか?」と聞きながらくれました。
「いえ・・偶然です・・すんまへん・・」
夜になると獅子舞も出るそうです。
「たまに遍路は来ますか?」「いんやぁ・・・見た事ない。」
そやろおねぇ・・・わずか往復2kmの距離だけど、先を急いじゃって寄らないんじゃろおなぁ。
「なんで遍路するモンが、こんな道の外れた場所へ来たのか?」と聞かれ、この「花山院廟」が遍路に関係しているのを知らないようなので、うろ覚えの説明をしました。
三巡目は春祭りも終わった頃に行き、前回とちがって「花山院廟」の境内には、だれも居なく閑散と静まりかえってます。
人気のない静かな境内で休み、社殿に腰掛けて尺八を1時間ほど吹いていました。
隣の畑で一人農作業してますが、別に珍しがって見に来なく職務に専念しとります。
静かで、のどかでんなぁ・・・・
再び・・テクテク・・テクテク・・・・・
岩不動へ下りる道の入口より山道の急坂を降りると、途中から見る岩不動は、桜の満開で雪に埋まってるように見えます。
再び・・テクテク・・テクテク・・・・
須崎市・番外「大善寺」の長い階段を上り本堂で参拝し終えると、部屋から奥さんと娘さんが出て来て、納経帳もやってないのに歩き遍路の人に渡しているという「加持塩」をくれました。
尺八を始めて見たと盛んに珍しがるので「どうぞ、手に取って見てください」と渡して持たせてあげました。
今じゃあ正月近くにならないと尺八なんか聞かないし見ませんからなぁ・・・そお言えば、正月でも最近は聞かなくなったなぁ。
最近は文部省のお達しで、「邦楽」の時間が出来て、琴・尺八・三味線・太鼓等を生徒の前で演奏するようになったらしいですが、果たしてどれだけの効果があるじゃろか。
邦楽と言えば、たいてい立派なコンサートホールで、それなりの高値なチケット料を払わなければアカンと思われ、そいでもって、ちゃんと正座して聞かにゃアカンとか・・・
聞き慣れん高級なモンだからアクビしちゃったり、心地よく寝てしもてイビキかいたら怒られるやろお・・とか・・普通の人は、そんな固定観念を持ってるでしょうねぇ。
これじゃあ、一般庶民はますます邦楽から足は遠のきますわなぁ。
もっと身近に邦楽の音が聞こえてないと、廃れてしまいまっせぇ。
ワシみたいニセモンが、そのような、いらん心配すべきもんではなく、もっとその道のエライ人達が心配すべき事じゃろおけど・・・
正統な伝統を受け継いでるホンモノの人達は、音響効果の良い立派な屋根の下でばっかり演奏やってないで、自然の大空の下でもっと手軽に、大勢の人に邦楽を聞かせるようにしなけりゃアカンのでないでっしゃろか。
大切なメンツとか、伝統が邪魔しちゃってダメかな?(^O^)
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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