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  伊予和気駅・待合室、四国遍路 H15/12/20 UP


讃美歌のような御詠歌と真剣味

太山寺「鬼の面」

        伊予和気駅、四国遍路      太山寺へ、四国遍路
太山寺・鐘楼・地獄絵、四国遍路 太山寺・鐘楼・地獄絵、四国遍路 太山寺・鐘楼・極楽絵、四国遍路
 太山寺の鐘突堂に地獄・極楽の絵が飾ってあります。太山寺・鬼の面、四国遍路

 ウワサには聞いてたんですが、そおいう美術品のようなタグイ類は、自由に中に入って見れないと思ってたのですが、三巡の時に行ってみると、あっさり中へ入れて見れました。

 スゴイでんなぁ・・・
 火の中へ突き落とされたり、三途の川でゴオ欲ババアに着物取られたりして・・

  ワシとしては絵よりも、横に飾ってあった「鬼の面?」のような物の方が、不気味な感じがして興味があった。

円明寺「奥の院」

 円明寺「奥の院」へは、太山寺の山門付近にある公民館横の道を通って行き、いかにも温暖な四国らしい蜜柑畑の道へ入って行きます。ミカン畑、四国遍路

 ただ、あんまり遍路が行かないためか遍路標識が少なく、分かれ道では、たぶん、これだろうと思いながら蜜柑畑の道を歩きました。

 そこへ丁度軽トラが走って来たので停まってもらい、軽トラのトッツアンに「奥の院への道は、これで良いか?」と聞くと

 「アンサン、道が違いまっせぇ。奥の院は太山寺からの山越えの道ですがなぁ・・。」

 はれっ?・・と思いながら、話が噛み合わんまま良ぉ~く聞くと、トッツアンは太山寺の「奥の院」の事を言ってるよおで、地図に載ってなかったので、その存在も知らんかった。

 地元の人は「奥の院」と言えば、即座に太山寺のだと思うようで、円明寺の「奥の院」は、よぉ~わからんらしいです。

 礼を言って蜜柑畑の小山をテクテク上がり・・・・小山の頂に出ると、四つ辻から麓まで、やっぱし見渡す限り蜜柑畑・・・円明寺・奥の院、四国遍路

 標識が無いので、そのまま真っ直ぐの道を下ると、麓の最初の家で犬に吠えられました・・・ジャカァシイ!!・・ネコとでも遊んでおれ!!

 麓へ行くとやっと標識が有り、円明寺の「奥の院」に着くと思ったより小さく、村のお堂という感じでした。

 近所のジサマが一人、堂の階段に座って日向ぼっこしながら新聞を読んでいますが、σ(*_*)らが行くと、せっかく新聞を読んでたのに立ち上がって席を譲ってくれます・・すんまへんねぇ。

円明寺の讃美歌

 円明寺へ行くと団体さんが本堂で参拝してるので少し待ち、やっと終わって団体の参拝客がバラバラ・・・と散り始めたと思ったら、5・6人のオバチャンが、そのまま残って御詠歌を詠い始めました。

 今までも、たまにオバハン達が御詠歌を詠ってるのを聞いた事があり、年を取ってもさすが女の人だけあって、ソプラノで詠う御詠歌は、いつ聞いてもええでんなぁ~。

 さしずめ「和式賛美歌」というところでっしゃろおか・・・。

 今回はその中でも一人だけが、飛び抜けて透き通るような迫力のある美しい声で詠っている人がいます。円明寺、四国遍路

 最初に聞いた時は「はて?この寺のどっかに、マイクとスピーカーが有ったのかいなぁ・・」と思わず付近を見渡しました。

 大声で詠ってるというのでなく、なんちゅうか、ホンマに境内中に透き通るような声で、まるで天女の歌声を聞いてるようでした。

 マイク無しで境内中に聞こえるような声量が出るんだから、腹の底から声を出す声楽か音楽を専門にやってた人かもしれまへん。

 それとも長い年月、各寺を巡り御詠歌を詠い続けて、あのような素晴らしい声が出るようになったのでしょうか。

 これと良く似た事で、私の尺八の師匠が他の人と一緒に舞台で演奏した時、後ろの客席で聞いてた琴の先生から「尺八の音がここまで聞こえたのは、貴方の尺八だけでした。」と言われた事があったらしく、たぶんこの御詠歌を詠った人と同じような状態だったのでしょう。

緊張感と真剣味

 我が身を振り返り、指折り数えて勘定してみると、88箇所×2(本堂・大師堂)×約4巡=約700回・・・・、人前で恥をさらしながら、よぉ~吹いたもんだと思う。

 その経験からエラソーな事を言いますが、たった一人で寺で吹く一曲は、演奏会などの舞台で演奏する一曲に相当するほど緊張感と真剣さを強いられました。

 家での練習では、どおしても寺で吹くような緊張・真剣味が足りまへんわなぁ。円明寺・キリシタン灯篭、四国遍路

 黙ってましたが、今まで寺で吹いても、よお~けぇぃ失敗しました(^_^;)ダハハ・・・

 同じような旋律が数回出てくる所では、うっかり中間部分を飛ばしちまって短くなったり、反対にその旋律が何回目だったか忘れて、たぶん多くやっちまったり・・

 出足の旋律が良く似ている曲が有るので、つい吹こうと思ってる曲とちがうのを吹いちまって、しょうがねぇから、そのまま続けてその曲をやったり・・・

 途中で音を間違って、臨時的に即興で短く作曲して綺麗にゴマかしてトットと終わらせ、もう一度最初からやり直したり・・・

 どうせ他の人には、わからんやろぉ・・・・と、ずいぶんゴマかしちまったなぁ・・・!(^^)!
 舞台演奏だったら「金返せぇ~」と言われると思う(^O^)

 昔のチャンバラ時代、剣術をやる人の中でも親の仇討ちを志してる人は、他の人達と比べて著しく上達が早いと聞いた事が有ります。

 やっぱし真剣味なんでしょうなぁ、何事も・・・σ(*_*)は仇打ちしとるわけでねぇですが。

 そこら辺がアマとプロのちがいやろおねぇ・・・
 プロは絶対に失敗は許されまへんからなぁ・・・ワシは、よぉけい失敗したもんなぁ。

 それとプロは、どんな小さい些細な指使いや音に対しても、難しいからと言って絶対に妥協しないようです。

 σ(*_*)のようなアマは、平気で妥協しゴマかすので気楽なもんです(^O^)

 ちなみに寺で吹いてる曲は全て暗譜しておりますが、家で楽譜を見ながら練習する曲は、自分で自覚してなくとも曲の表情が乏しくなっちまい棒吹きになるようです。

 楽譜に目が行くため、その通りに吹く事だけに集中しちまい、曲の表情まで、よぉ~出しきれんのでしょう。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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