HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第一章「目次」 > 12 秋の言の葉
H16/8/29 UP
白峰寺から根香寺までの山道は、いかにも遍路道らしくて、ええでんなぁ。
特に秋の紅葉時に行った時は最高でした。
白峰寺付近の遍路道に、古い石畳みたいのが有りましてなぁ。
霧がかかっており、石には小さいモミジの落葉が、銀河の星のように貼り付いて・・・・自然の芸術品じゃのおぅ。
遍路道をしばらく歩くと車道に出て、テクテク・・・
二巡の初夏、車道沿いの食堂「みち草」に入り「冷やしうどん」を注文して椅子に座って待ってました。
そこへ開け放した入口から鳥が一羽、店内へ入って来て、室内をバタバタ飛び回り、外へ出ようと窓にコツッ・・コツッ・・とぶつかってます。
店のオバハンが「窓開けて、出してやって・・」と言っとるうちに、鳥は猛烈にガラス窓に衝突し落ちてしまい、カワイソーに首の骨でも折って即死したのでしょう。
車道をテクテク・・・
一巡の時、もうすぐ根香寺という付近で、車道から右に入る山道が有り遍路札もぶら下がってました。
よしよし、この道を行くんじゃな・・と思ってると越後屋が、少し先の車道ガードレールに、矢印遍路シールが貼ってあるのを見つけました。
こいつは老眼なんだけど、遠くの物をよぉ~見つけるヤツじゃ。
車道を行くか、山道へいくか・・どっちへ行くべぇ・・と、二人でウロウロ・・・
試しに少し山道へ入って確認すると、遍路札が下がってます。
どうも、この山道が遍路道のようだけど、遍路シールは車道方向を指しとるし・・・・山の中で道に迷ったらイヤなので、その時はシールを信じて車道を歩きました。
二巡目の時、確認のため山道を歩いてみますと、迷う道ではなく車道と合流し「何とか園」という果樹園の入口に出て来ました。
距離的には、そう変わらないかもしれんが、選択肢が他にも表示されると、初めての者にとっては、先が読めないだけに、どっちへ行くか迷います。
で、一巡の時は、もう一つの遍路道もわからず、ズウッ~と車道を歩いて根香寺へ行きました。
おかしいなぁ、この辺から遍路道が有るはずなんやけどなぁ・・と思いながら・・・もっとも、後で確認すると入口に遍路標識が有ったのですが、杭が草むらの中に倒れてたので見落としちまったのです。
車遍路で根香寺へ来た時、本堂へは廻り廊下になってたので、そこを行けるのを知りませんでした。
団体もウロついて混み合っており、まぁいいや・・・たぶん庭先から見えるのが本堂だろうと思い、庭先の方から本堂に向かって参拝しました。
二巡目の時、根香寺・大師堂のベンチに座り、いつもの如くボケェ~・・・と休んでると、父親と高校生くらいの娘の二人連れが、手分けして納札箱を一生懸命に掻き回し始めます。
あんらあぁ・・・金札か錦札を探してはるのねぇ~・・でも、なかなか有りまへんでぇ。(^O^)・・と思いながら、探してる風景を生温かい眼差しで眺めていました。
そのうち、お父さんが箱を逆さまにしてでも、コンジョウで見つけ出してやる・・という気配を見せたので、こりゃアカンと思って近寄りつつ「あのぉ~・・・私のではありませんが、よろしければ、どうぞ・・・」と持っていた金札を差し出しました。
父娘、しばし「??・・!!・・??・・」という顔して沈黙・・しかる後に驚愕の表情。
そやろおねぇ、今までアチコチと一生懸命に探してたんでしょうなぁ。
それが突然、どこから降って湧いて出たのか、探し物を目の前に差し出されたもんだから、父娘は、お互い顔を見合わせて「やったぁぁぁぁ~~!!」と、手を取り合っての大喜び。
そんなに喜ばれるのだったら、さっきからボケエッッ~と生温かく眺めてなく、もっと早く出してやれば良かった。
「これで受かるかもね」と笑顔で嬉しそうに話してるのを見ると、時節がら希望する大学受験のお守りにでもするつもりだったのでしょう。
お父さん、すっかり感激しちまい「ぜひにも記念写真を一緒に撮らせてくれ」と、娘に金札を持たせてVピースしたのと一緒に写真に収まりました。
あの雰囲気は、この金札さえ有れば、もう完全に合格しちまったと同様な感じで、家へ帰ったら親戚・近所の人達を集めて祝杯でもあげそうな感じでした。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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