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屋島の形は特徴が有り、どこから見てもスクッとした台形の山の形しとります。
そいでもって屋島寺への上りはキツく、公園のような所から舗装された道をヒーコラ言いながら上ります。
地元の人達は、けっこう散歩コースにしてるようで、この道を毎日往復してると足腰が強ぉ~なるでしょうなぁ。
一・二巡時、屋島寺での参拝が終わると、必ず納経所からジサマが出て来て話しかけ「自分も尺八やってるので、しばし趣味の話なんぞを・・・」というわけで・・
三巡目の時にも会えるかな・・と思ってましたが、現れないので納経所の人に聞いてみると辞めたとの事です。
この納札所のジサマと、また会えるという事が、この寺へ来る楽しみの一つだったのにぃ。
お互い名前も聞かずに、あれっきりになっちまったが、今頃はあのジサマどおしてるかな?。
屋島寺は広くて境内に木が無いためか、いつ来ても風が吹いており、尺八の歌口へ吹き込む息流が風に邪魔され、尺八を吹くには正直言って吹きづらい箇所の一つで、特に大師堂の所がなぁ・・・
屋島の「血の池」の横を通り、復元された遍路道は、ほんまに山の上から真っ直ぐ下へ降りるような急坂なので・・・ズズッ・・ズズッ・・・と下りる時に膝や足が痛くなります。
三巡の逆打ちの時、麓の家が建ち並ぶ付近から坂道を上り始めた時、後から来た車が「この先にお堂があるから、ぜひお参りして行け」と声を掛けて通り過ぎて行きました。
礼を言いましたがホントは休む気が無く、なんせこれから屋島への坂道をヒーコラ言いながら上らにゃアカンので、そんな所でユックリしてるヒマなんか無い・・と思ってたのですが・・・そのお堂の敷地に、さっきの車が入っており中年の男の人が待ってます。
うむぅ・・しょうがねぇなぁ・・せっかく善意で言ってくれたのに、無視して行っちまったら気分を害されるじゃろおなぁ。
そおでなくとも四国の人には世話になっとるんじゃから、これ位しないとアカンやろおなぁ・・と思い、お堂内に入り参拝しました。
このお堂は、その男の人が信心してるらしく、霊験あらかたな事例をあげて説明し、暑いだろおとクーラーを付けてくれ、小さいお堂なのに、ワシとこのより、ええクーラーやんけ・・・
境内に井戸が有るからとバケツで水を汲んでくれ、タオルを水に浸して体を拭くと、冷たくて気持ち良く、30分ほどそこで休みました。
屋島の麓は住宅が建ち並び、その付近には安徳天皇がしばし住まわれた仮宮跡とか・・
義経が海に弓を流しちまって、もったいないから拾おうとした場所とか・・・
どちらも今となっては、かなりの陸地の場所ですが、昔は波打ち際だったのでしょう。
州崎寺の境内は以前と違って新しくなっており、源平史跡の説明書きと伴に庭園は屋島近辺を苔と石で型取りしてあります。
八栗寺の登り口にケーブルカーが有り、寺への遍路道はケーブルカー隣の急坂をエッチラ・オッチラ・・歩いて行きます。
暑い盛りの時、このケーブルカー待合室の外にあるベンチで休んでると、男の支配人?さんが「麦茶をあげましょう」と言って、女事務員がお茶を運んでくれました。
すんませんねぇ・・・ケーブルカーにも乗らず、経営になんの貢献もしないのに・・・
この八栗寺の坂道が屋島の上り道と同じくらい、よぅ~似たキツイ坂道なんです。
二巡目の時、この坂道を上がりきったところに、たぶん昔は旅館だったろうと思われる家から、デカイ犬が出て来ましてのぉ。
吠えにゃいいが・・・と思ってたら、やっぱし吠えはじめ、家の中から出て来たオバハンが大丈夫と言うので、しかたなくソオッ~と犬の頭をなでてやったら、大人しくなりました。
その犬とオバハンも八栗寺・境内へ来て散歩してましたが、参拝後に越後屋が言うには
「あぁたぁが大師堂で尺八を吹いて参拝し始めると、犬が尺八の音が聞こえた瞬間にピタッ・・と、片足をあげたまんま止まり、音の方を振り向き「何だろう」という表情をし・・・
またしばらくして歩きだし、ピタッ・・と止まって固まり・・を繰り返し・・・、
その犬の動作を見てると面白くて、犬が聞きほれてたよ」と笑いながら話します。
何となく、その時の犬の心境がわかりますなぁ。
この八栗寺では一巡時に、郷照寺で初めて会い、それからも前後して国分寺で会ったりした竹中直人とよく似た遍路と一緒になりました。
大きなリュックを担いでいて、もうこの辺まで来ると何度も会ってるので「この遍路が終わったら、どうするの?」と聞くと「暖かくなるまで九州を歩こうかなぁ・・・」
何かこの遍路にしてやりたいと思い「金札とか錦札を持ってるか?」と聞くと持ってなかったので、自分のではないが遍路の記念じゃからと、持っていた錦札をあげて別れました。
この遍路とは夕暮れ迫る、次の志度寺で会ったのが最後でした。
今頃、どこでどうしているかな・・無精ヒゲを生やし丸々太っており、いい笑顔しとったなぁ。
三巡の時、本堂の横より階段を上がり、お宮に行ってみると天狗さんが履く一本歯の下駄が奉納してあり、あんまり参拝客が来ません。
ベンチに座って尺八吹いてると、小鳥が飛んで来て目の前にある、箱のような小さい祠に出たり入ったり、近くの枝に留まったりしています。
おぉぉ・・・この小鳥、逃げないなぁ・・・やっとワシの尺八も自然と一体になったのやろか・・
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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