HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 > 4 一族
H17.11.12 UP
切幡寺を振り返って見ると、土手にタンポポが咲いてます。
人家も無い吉野川の中州をテクテク・・・
この中州の道は、何度も歩いた事があるので、以前のように長い距離に感じません。
歩いてると小型自動車が止まり、声を掛けて来ました。
こんな道で声を掛けて来るのも珍しいなぁ・・・と思いながら車に近づくと鴨島町の名前の入った白い車です。
「この辺の地図を持っているか?よければあげましょうか」と言うので、ありがたく頂戴し「前を歩いてるのは、自分の連れだから、もったいないので地図はやらなくて良いです」と言ったけど、20mほど前を歩いてる越後屋の所でも止まり、やっぱす地図を渡していました。
あらあぁ~・・やらんでも良かったのにぃ・・・もったいない。
鴨島町役場の人が歩き遍路に地図を渡しているようですねぇ。
なかなか詳しい地図で焼山寺へのコースや、今まで遍路道だと思っていたのと違う遍路道が記載してあり、ども、ありがとさんです。
昔は渡し船があったよおで、そこからの遍路道を行くつもりで「川島橋」を渡ってから土手沿いに行こうとすると、越後屋が「今までの道を行けば、旧道へ入る道がある」とガンコに言い張ります。
「さっき貰った地図に、古い遍路道が書いてあるから、そこへ行こうとしてるんじゃ。」と言っても「いんや、この道がその古い遍路道じゃ」と言い張ります。
こいつのガンコさに、ついつい負けて、仕方なく越後屋の主張する道を行ったら・・ほりみろ・・違ってるでねえか・・・・
以前、出石寺の時にも道の事で大モメして、あわや大ゲンカしそうになった時は、越後屋の方が正しかったので、ヒョットしたら今回も、こいつの方が正しくて、σ(*_*)の方が間違ってるかもしれん。
もし、そうだったら後でナニ言われるかわかんねぇ・・・と、フト思い、その恐怖心から、心ならずも従ったのが失敗じゃった。
今までその恐怖心のため、σ(*_*)の貴重な人生の道を、どれだけ誤った方向へ進まされた事か・・・(T_T)。
国道へ突き当たり、自販機で飲み物を買って休んでいると、自転車遍路が向こうから来て「藤井寺は、どこか?」と聞いて来ました。
「車道の看板を見ながら来たけど、わかんなくなっちまった」というので、先ほど貰った地図が二枚あるので1枚をあげて、現在地を教え、次の信号を右へ行けば地図に書いてある道だと教えました。
先程、越後屋になんか地図をやらんでもいいと思ったけど、こおいう事が有るから、お大師様の配慮で地図をくれたのかもしれまへんなぁ、ナムナム・・・・
古い家並みの道を歩いてると、トッツアンが「どこから来た?」と聞くので答えていると、近くの家からバサマが手招きしアイスチョコを1粒づつくれてから、家の中へ入れてくれます。
「遍路が通ると、いつも手作りの「小銭入れ」を接待しているんだ」と言いながら好きなのを選べと持ってきました。
この家は、元は何かの店だったようで、店先の空間には卓球台が置いてあり、陳列棚には品物も無く埃っぽい感じです。
「小銭入れ」の他に、昔はタバコの空き箱で飾り物を作って賞を貰った事が有るので、そのときの写真もぜひ見てくれと室内まで招き入れて、次々に写真やら作品を数多く見せます。
その説明も長々と続いて、なかなか終わらず、今まで一人暮らしで話す相手がいなかったんじゃろなぁ。
お礼に尺八を吹くと、「以前に琵琶を弾いた人がおった。」と言います。
ふぅむ・・いろんな人が居るよおです。
藤井寺は、藤の花は盛りが少し過ぎており、やや枯れはじめてました。
ベンチに座って団体の参拝が終わるのを待っていると、子供も含めた10人位の家族・親戚一族風の一団が来て、キャッキャッと笑いながら納札所のお守りなどを見ています。
ほほおぉぉ・・・子供連れで参拝とは、こりまた信心深い一族やのおぅ。
子供も遍路スタイルしとるじゃねぇか・・
本堂で参拝していた団体が移動し始めたので、本堂前に一族が集まり始めましたが、その横をすり抜け、サッサと尺八を吹いて自分の参拝を始めました。
どうせ、カッコウだけを決めてる観光遍路の一族だろうと思ったもんだから・・
すかす、本堂の参拝が終わり、次の大師堂で尺八を吹き始めると、一族が本堂で声を合わせて経を唱え始めるのが聞こえました。
この一族は、どうも本堂でσ(*_*)の参拝が終わるのを待っていたようで、悪い事しちまったなぁ・・・割り込んだ感じになっちゃったみたいで・・・
大師堂で吹奏し続けてると、一族が大師堂の方へ移って来て少しザワつきながらも、σ(*_*)の参拝が終わるのを、やっぱしジイッ~と待っててくれます。
それとわかってたら、先にゆずったんだけどなぁ・・・ホンマに悪い事しちまった。
一族さんが良ければ、σ(*_*)なんかの参拝を無視して、構わず参拝されても良かったのにぃ・・・・
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