HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 >5 遠 音
H17.11.19 UP
藤井寺を8時頃出発し、テントを担いでの焼山寺への山越えです。
今回は試しにリュックを止めて、背負子にプラ箱をくくりつけて、その中に食料品を入れるスタイルでやってみました。
以前、この方式で歩いてる人と話し、リュックよりも良いという感想を聞いたので、どんなモンかとマネしようと思い・・
少し歩いてみると、リュックの時よりも担ぐヒモが肩に痛い・・・
やっぱり、リュックのヒモの方が柔らかいなぁ・・・安物の古いヒモだったからかも、しれんが・・・
重さ自体はリュックの時と、あまり変わらず、雨の時に荷物が濡れないだろう・・という利点でやってみたんだけど、荷物の重さが肩に食い込み・・・イテテ・・
最初の林道へ入る所に、ベンチが新しく出来ており、しばし休憩・・・
ん?・・座る所に何か落書きしてあり、しかも毛筆で書いた達筆な字じゃのおぅ・・
なんか、そこへ尻を乗せるとバチ当たりそうじゃから、どうせなら背もたれの所に書いといてくれたら良かったのに・・・
林道を・・ヒーコラ・・ノロノロ・・茶畑の見渡しの良い所に東屋の休憩所が有り、再び休憩・・・今までこの休憩所は気が付かなかった。
そこへジサマ遍路が通りかかったので、声を掛けてしばし一緒に休憩・雑談・・
再び遍路道を・・ヒーコラ・・・
やっと長戸庵に着き、少しでも荷物を軽くしようと、持ってきた餅を食べて休んでいると、後から来る人達は、どんどん追い越して行きます。
いいの、いいの・・ワシ達は今日中に杖杉庵か鍋岩に着けば、いいんだから・・・
息を整え・・歩き・・を繰り返してると・・おぉぉ・・木立の陰から柳水庵・奥の院の屋根が見えて来たでねえか。
この森林の中にたたずむ鬱蒼とした風景は、変わりまへんなぁ。
柳水庵は、今まで来た時とちがい雨戸が閉まって人気が感じられません。
ここも長戸庵・一本杉庵等のように無人になっちまうんだろうか・・・
人が住んでる庵は、なんとなく暖かさが感じられ、そこで休息したり談笑する機会も有りますが、無人の庵は、なぁ~んか寒々とした気がします。
柳水庵に着いた時は、一人の遍路が休んでましたが、すぐに出発してだれも居なくなりました。
本堂?で参拝しようとすると、夫婦連れが丁度山から降りて来て、ダンナさんが「昔ここで泊まった」と奥さんに話してます。
尺八を吹いて参拝し終わると、パチパチと拍手してくれました。
無人になったため求める人に納経帳が書けないためか、賽銭箱の横に寺名と印が押してある半紙が置いてあります。
ここの納経帳も無くなってしまうかもしれんので、納経代に相当するお金を置き、記念に一枚貰って来ました。
一本杉庵への最後の登り・・杉林の遍路道もキツイでんなぁ・・・
途中で以前にも休んだ岩に腰掛けて一休み・・・犬・猫は決まった所でオシッコすると言うが、σ(*_*)も同じ所で休む習性が有るのかもしれん。
でも、この岩は腰掛け具合も、ええので他の遍路達も、きっと休んだやろおなぁ・・・
一本杉庵へ上がる階段の下から見上げる大師像は、いつ見ても、ええ位置に建っとりまんなぁ。
樹齢何百年か何千年かわからんような大きな杉の古木を背に、その古木がまた仏像等で見られる背炎光の代わりをしとるようで・・・
ええバランスを保ってとります。
ここまでヒーコラ言いながら登って来た人に、「よぉ~来た。ええ修行せいよ。」と無言で諭しながら見下ろしとるような托鉢姿です。
ある遍路は、最初この像を見た時「やったぁ・・・やっと焼山寺へ着いたぁ!!」と勘違いし、大喜びしたらしいです。
ここでも先ほど柳水庵で休んでいた遍路が居ましたが、挨拶してすぐに出発してしまい静かなままです。
境内には、以前は壊れかけたようなベンチしかなかったのに、今回来てみるとゴロ~ンと横になっても、ズリ落ちないような広さの大きな木で作ったベンチが出来てました。
ここでゴロ~ンしたい気持ちを、よぉ~わかってる人が設置してくれたんでしょうなぁ。ありがたいこってす・・ナムナムナム・・・
ここで昼食とし、コンビニで買っといたオニギリを食べて一休み・・・
越後屋がベンチで、だらしなくゴロ~ンと昼寝し始め、時間があったので、その横に座って尺八を吹きました。
「やかましい」なんて事は言わせまへん。躾をキチッとしてますので、そんな失礼な事は言わせまへん。
その代わり感想を求めると「アカン」「表情が入ってない」「音が出とらん」と言って、滅多に誉めまへん。
これが吹いていてる本人自身が思ってる通りの批評なんですわなぁ。(^O^)
風も吹かぬ静かな木立に囲まれ、聞いてるのは少し離れた石仏の群れだけ・・・
二曲吹いた時、柳水庵で会った夫婦が上がって来て、「ここへ来る山道の途中で尺八の音が聞こえ、もうすぐ庵だと思いガンバッて上って来れた。」と言ってくれます。
この境内付近、半径20m位しか響かないと思ってたけど、けっこう下の方まで聞こえたらしい。
この夫婦連れは地元の鴨島町に住んでおり、鍋島から4時半頃発のバスで帰る予定なので・・少し休んで先に庵を出発しました。
こちらも、ボチボチ出発・・・
焼山寺の山が木立の合間から見え始める頃、その麓の方角から犬の吠える声が聞こえます。
そうそう・・確か「左右内」集落を通り過ぎる時、家で飼っとる犬が毎回吠えとったなぁ、あの犬まだ生きとったんか・・・
さっきの夫婦連れは、きっと今あの辺を通っとるんじゃな。
梅林を抜け集落へ降りる畦道を行き・・・確か、この辺の家で犬が・・と思ってたら、やっぱり吠え始めました。
律儀なやっちゃのおう、こっちは心の準備が出来てるからビックリしないけど・・(^O^)
谷川に掛かる橋の所で一休みしてから、最後のヒーコラの箇所・・・
途中で丁石が「十八」を示してるのを確認し・・ノロノロ・・ヒーコラ・・・
丁石の数字が減るのだけを期待し、確認しつつ・・・キツウおまんなぁ・・・
「九丁」付近に有る小さいお堂で、以前に尺八を吹いて休んだ所ですが、今回は休むだけ・・・
麓の方で、また犬が吠えており、あっ・・だれか、あの付近を通ったので、後から上って来るな・・・しばらくすると若いアンチャンが追い越して行きます。
あの犬は、通過する人毎に吠えてくれるから、こおいう事には役立ちますなぁ、まぁ長生きして吠えてくんなせぇ。(^O^)
それにしても麓で吠える犬の声は、山上近くまで良おぉ~聞こえます。
σ(*_*)が麓で尺八吹いても、山上まで聞こえるやろか? 聞こえんやろなぁ・・・
そお考えると犬を相手に茶でもすすりながら、音が遠くまで届く極意・秘伝の一端なりを小一時間ほど、じっくり犬から教わりたい。教えてくれたら、犬の頭を撫でてやるんだが・・
「五丁」の丁石付近で車道になり、そこからはそんなにヒーコラ言わなくてもええ上りです。
焼山寺に着き売店の「うどん」を食べました。
安いでんなぁ・・今時、200円で、ウドンなんか食べれるやろか? !(^^)!
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