HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 > 9 御杖の水
H17.12.18 UP
徳島市内から地蔵院へ・・・テクテクテク・・・
地蔵院は、あいかわらず、あんまり人が参拝に来てる気配がありまへんなぁ、池の周りには、よぉ~散歩してるトシヨリが多いけど・・・。
池の畔にトイレが有り、べンチが一緒付属しているので休んでいるとジサマが話し掛けてきました。
話好きなジサマで、「毎朝ここでラジオ体操やっとり、今日は小雨のためなのか集まりが悪かった。」
という話しから始まり、地蔵峠越えの話になると、
「あの峠越えには、右周りと左周りの道があって頂上で一緒になる。
「へんろ道協力会」が作った道は右周りで、左周りの道は少し手前に有る。
しかし、だれかが左周りの道にも同じようなシールを貼り付けてしまい、それだけならええんだけど、上って行った人が頂上で左周りへ降りる方向シールを見て、山の頂上まで行きながら、また元の場所へ戻って来た人がいた。
早い話が、左から登って右の方より降りちまい山を一周した事になるんだわなぁ。
もちろん、そのシールをはがして正しい方向に貼り付け直してやった。」
そやねぇ・・何故か地図とは、ちがう方向へ向かわせるシールを、今までもたまに見るんだよねぇ。
「前回、地蔵峠越えをした時に「しし脅し」や「水車」」が谷川の水を利用して作ってあったのを見て、遊び心が有って良かったですね。」
ジサマが嬉しそうに「ワシ・・ワシ・・」と自分の胸を指さしましたので、きっとジサマ達の老人クラブで作ったのでしょう。
地蔵院の駐車場で車野宿して寝てると、夜中に突然犬が数匹、ドドドッと駆け回って遊び始めました。
ゴラアァァ~ッッッ!! 人が寝てる時に夜遊びするんじゃねぇ、襲われるかと思ってビックリするじゃねぇか。
マジメな犬は昼に遊び、夜寝るのが世間の一般常識じゃぞう。
朝、駐車場で地元のジサマ・バサマが集まり始め、ラジオ体操し始め、本日は天気が良いので、集まりが良いようで・・・
そのラジオ体操している中を、池から上がった鴨が4匹連なってヨチヨチと縦断し、地蔵院の山門へ入って行きます。
さすが寺の池に住んでる鴨は信心深く、朝参りするようで、見習わにゃアカンですなぁ。
体操しとる人達も、鴨を追っかけたり捕まえようとせず、健康第一で無心に体操しております。
σ(*_*)なら、すぐに捕まえようとするんだけどなぁ・・。
地蔵峠を越えて徳島市内を抜け、恩山寺へ行く途中に「弘法大師御杖の水」という場所が有るらしいのですが、今までどこに有るのだろおう?と、探していおり、どおしても見つける事ができまへんでした。
しかし、今回やっと見つけました。!(^^)!
国道55号線をテクテク歩きながら探してると、反対車線の向こう側に石仏が見え、ヒョットすると、その付近では?と思い国道を横切って反対車線へ行きました。
いざ石仏が見える方向へ歩いて行こうとすると、自転車に乗てったオババが、あわてて自転車から下りて呼び止め「あんたら、どこ行くの? 恩山寺はあっちの方やでぇ」と教えてくれます。
「いえ、この辺に「弘法大師の御杖の水」という場所が有るらしいので、そこへ行く予定です」
「弘法大師の・・水?・・そんなの有ったかいなぁ。そんなモン無いでぇ。」
「あの・・地図では、この辺に有る事になってますんで・・」
「この付近で水・・と言うたら・・・あぁぁ、わかった。あの事かな。それならこの道を真っ直ぐ行ったら、すぐに有りますわ。恩山寺は、あっちやでぇ。」
「ありがとさんです」と礼を言いましたが、さらに「恩山寺は、あっちの方向やでぇ。」と何度も言い、その都度「ありがとさんです」と礼を言いました。
はいはい、わかっとるちゅうのに・・・
よっぽど、こいつは訳のわからん水の場所を、わざわざ見に行く、おかしなヤツじゃから、どこへ行っちまうか心配で、シンパイで・・と思われたらしい。
教えられた道を行くと、水田が一面に広がってる中、すぐに道端に水色のペンキを塗った小屋みたいのが見えました。
オイオイ、まさか、あの派手に水色のペンキ塗ってある小屋じゃねぇだろなぁ。
はい、そのトタンに水色のペンキを塗った小屋の所が「五杖の水」でした。
看板がシッカリした物だったから良かったけど、看板が無かったら水田用のポンプ小屋かと思って通り過ぎちまう所だった。
手塚妙絹さんの「人生は路上にあり」という本に、道に迷って、この「御杖の水」で水を飲み助かったが、再び遍路した時にこの場所を探したけれど、どうしても見つける事が出来なかった・・というような事が書いてありました。
そやろねぇ・・・わかりにくい場所だもん。
今でこそ、近くに国道に車がガンガン走り回って、付近には賑やかなビルも建っているけど、当時は何も無いタンボの中だったやろねぇ。
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